エアギターガール

三年見田郎

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出会い

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 その噂を聞いたのは、僕、東山五条が、高校2年生として初めて訪れた五月のことだった。その奇妙な噂は女子生徒を中心に広がり、ついに男子生徒にまで届き、学校内で静かに、大胆にブームとなっていた。噂というものは、広がるうちに背びれや尾ひれがつきがちなもので、僕の元に届く頃には、噂の"目撃証言"がかなり歪んでしまい原型を全くというほどとどめていなかった。だから僕は、太った情報の贅肉を極限まで落とし、情報を簡略化する。この世の情報全ては太りすぎて醜い。醜さを極力排除して噂を読み直す。その噂とは、要するに、
「この町内の公園で、金曜日の深夜に、高校生くらいの少女がギターを弾いている。」
   というものだった。僕が友達に聞いた時には、この小さく奇妙な話が、
「金曜の深夜、公園に行くとギターを持った女がおり、話しかけたものを連れていく。」
 という話になっており、原型は留めている?ものの、暴力性と、攻撃性が増したものに変化していた。
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