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冒険者編
第75話 ご注文はオークですか?
しおりを挟むマスターの服装や店のスタイル……地球にあったものとよく似ている。
「勇者が広めたのかな?」
「?何の話か知らんが……取り敢えずは座れや」
「あぁ」
「そうですね」
そういって、カウンター席に腰を下ろす。
「ご注文は、いかがで?」
「あー」
俺とジオに水を出しながら、マスターが聞く。
「グル?」
「注文だ、ゴジ。どうせ肉だろうけど……」
「ははっ、確かに」
「おぉ、肉が欲しいのか!なら、今日はついてるぞお前ら。新しいオーク肉が入荷したばかりなんだ。なぁ、マスター」
「えぇ、運よく一級品のオーク肉に巡り合えまして。ちょうど昨日、新鮮なものを冒険者ギルドから買ってきました」
あれ、それ、俺たちが狩ったのじゃ……。確かに、自分で狩った肉を食べるつもりはなかったが、それもいいかもしれない。
「じゃ、ゴジにはステーキで。俺のはそこのいい匂いがするソースと和えて、パンに挟んでくれ」
「僕は、マスターのお勧めをお願いしようかな」
「かしこまりました」と一言言ってからすぐに調理台に向き直って、料理を始める。
「すごいね」
「あぁ」
「マスターはこれでも独学なんだぜ。すごいだろ!」
まるで自分のことかのように自慢するおっちゃん。しかし、マスターは嫌がるそぶりを見せることなく、ただ手を動かしている。
仲がいいんだな。
「あぁ、そういえばまだ名前聞いてなかったは。俺はノア」
「僕はジオって言います」
「おぉ、そうか。俺はザックでマスターはアルバートだ。よろしくな!」
「申し遅れました。アルバートと申します」
ザックは元気がいい。身なりからして冒険者だろうが……こんなところで食ってるってことは、上級のやつか副業してるかだろう。
ザックから感じる実力がジオ以上なので、多分前者だ。
しかし、本当の化け物はやっぱり……
「お飲物、お待たせしました」
思考の沼から抜け、現実に頭の焦点を合わせる。
どうやら、先に飲み物が来る店のようだ。特に指定はしなかったので、飲み物はいつもこれぐらいのタイミング出しているのだろう。それにしても、まさかこの短時間で俺らを観察し、性格と好みを分析するとは……。
渡されたは飲み物はどちらも違うもので、それぞれジオと俺の好みに合っている。
マスター……やっぱりなかなかやるな。凄まじい洞察力だ。
「わぁ!ノアのと僕ので違うよ!しかも、ちょうど僕の好みに合ってる!」
それ、今俺が言った(心の中で)やつ。
「そうなんだよ。マスターは人を見る目があってな––––」
食事ができるまで、ザックの話に付き合わされるのだった。
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