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ぷらとにっく
しおりを挟む泣きたいくらい切なくて辛くて。
寂しくて逢いたくて逢いたくて声だけでも聴きたくて。
そして触れたくて。でも触れられなくて。
あの日あの時のあの言葉たち。
そのときの声のトーン。
笑った目尻。
熱く強く蕩けるほど見つめる眼差し。
触れた指先。大きな背中。
思わず漏れる溜息は自分を蕩かす甘い媚薬。
鳩尾から折れ曲がるほど苦しくてヒリヒリと痛くて。そんな持て余すほどの想いに途方に暮れる。
まるで酔うように現実から切り離されて。
それはきっと誰でもヒロインになれる瞬間。
でも本気の恋をしなければ決して知ることができない感覚。
それを知らずして生きるだなんてなんて勿体ない。
そんな恋をしてその結果、幸せで堅実な生活を手に入れて。
でも、どこからか僅かづつ零れて気づくと消えて無くなっているもの。
プラトニックからプラトニックじゃなくなっていく過程が一番楽しいって現実は切ない。
そして、
プラトニックじゃ無くなってしまった途端、胸いっぱいの甘酸っぱい何かが少しずつサラサラと零れていくのは何故なんだろう。
心がだんだんシーンと静かになっていって気付くと無になっていく感情。
幸せなはずだけど心が波立たない。揺れない。動かない。
その代わりに愛が生まれる?愛が育つ?
守りたいものが増える?思い出が増える?
そうかもしれない。否定しない。
でも。
ワクワクやヒリヒリやドキドキやキリキリやモヤモヤすらも愛しく切なく苦しく甘い。
ハァーーーーーっと深く吐き出すため息がなぜか幸せで。
ツライとか言いながら笑んでみたり。
色々と支離滅裂で根拠なく幸せだと思える。
だからプラトニックが好き。
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