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プロローグ
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「ごめん、皆…」
ヤナンは涙を流すことしか出来なかった。目の前にはごうごうと燃え盛る炎や、無惨__むざん__な死体だけで覆われている。
「俺に…もっと力があれば…!」
魔人軍の襲来によってコノルの民達が何千人と死んでしまった。
頭の上を何かが飛んで行った。目を凝らすと一人の魔人の少女だった。
「おのれ、皆の敵だ!」
ヤナンが弓を構えて少女を睨む。
「…アイツ、泣いてるのか?」
少女は空高くからコノルの地を見下ろし、泣いていた。
弓を引く力を弱めて、ヤナンは少女に目を奪われていた。すると突然、少女が光出した。魔法を使おうとしているようだ。
「やっぱりアイツもただの魔人かよ!」
再び弓を構える。あたりが光に包まれた。あまりの眩しさに思わずヤナンは目を閉じた。
(しまった…!)
目を開けるとすでに少女は居なかった。体に違和感を覚えて見ると、受けていたはずの傷がキレイに治っていた。
「ごめんなさい…。こんなことしか出来ないの…。」
風に乗って少女の声が聞こえた気がした。
ヤナンは涙を流すことしか出来なかった。目の前にはごうごうと燃え盛る炎や、無惨__むざん__な死体だけで覆われている。
「俺に…もっと力があれば…!」
魔人軍の襲来によってコノルの民達が何千人と死んでしまった。
頭の上を何かが飛んで行った。目を凝らすと一人の魔人の少女だった。
「おのれ、皆の敵だ!」
ヤナンが弓を構えて少女を睨む。
「…アイツ、泣いてるのか?」
少女は空高くからコノルの地を見下ろし、泣いていた。
弓を引く力を弱めて、ヤナンは少女に目を奪われていた。すると突然、少女が光出した。魔法を使おうとしているようだ。
「やっぱりアイツもただの魔人かよ!」
再び弓を構える。あたりが光に包まれた。あまりの眩しさに思わずヤナンは目を閉じた。
(しまった…!)
目を開けるとすでに少女は居なかった。体に違和感を覚えて見ると、受けていたはずの傷がキレイに治っていた。
「ごめんなさい…。こんなことしか出来ないの…。」
風に乗って少女の声が聞こえた気がした。
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