フェチ少女たちの交わり

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フェチ少女たち 出会い

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※この話は作者からフェチを持つ方へのメッセージ性の強い部分が前半部と最後に含まれています。
早く本編見せろ!という方はあからさまな空白の後(2人で~)からお読みください。
フェチを持つ人間の意見を知りたい!という方はぜひ前半部もお読みいただけると幸いです。(あくまでも私見ですが………あと若干の微エロシーンあり!!)
それでは、お楽しみください!





ついにこの日がやってきた。
待ちに待った、何年も待ち続けたこの日。
誰にも言えぬまま、大人になればきっと………そう思い続けていたが、ちょっぴり早く自分をさらけ出せる日が来た。
待ち合わせは某有名カフェ店の前のベンチ。
もちろん、ネット上の繋がりだから騙されている可能性もある。
でも、見晴らしのいい、人の流れもあるこの場所ならお互いに安心できる。

わたし、島原怜奈は特殊な性癖、フェチに悩む人々が集まるネット掲示板に手を出した。
何年間も1人で抱え込んできて、気持ち的にも性欲的にも限界に来ていたのだ。

たかがそんなことで女の子が一人で………とそう思う人も多いだろう。
でも、それは「普通」だから言えることだ。
わたしのように悩みを抱えている人はたくさんいる。

「………えっと、ミツキさん、ですか……?」

突然女の子が話しかけてくる。
期待や緊張、不安がどっと押し寄せてくるがそれをぐっと堪え、顔を向ける。

「っ、えっと、はいっ、ユズさん………って、えぇぇ!?」

思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。
予期せぬ反応に驚いていた女の子も、一瞬の停止の後驚愕の表情を浮かべる。
一応、マスクはしているがそれも意味をなさない。
なぜなら………

「ユズって彩音だったの!?」
「私だって驚いたよっ!まさか怜奈だったなんて………!!」

そう、今回の相手であるユズは小学校からの友人である彩音だった。
高2である今までずっと同じ学校。
お互い相手が自分と同じ悩みを抱えているとは微塵も思わず、自分のことを棚に上げてここに来た相手の行動が信じられないでいた。

2人はただの友人同士ではなく、同じ陸上部に所属しライバルであり親友といった親密な関係にあった。
当然、お互いのことはかなり深くまで知っていて、特に相手の恋愛事情には精通していた。
自分達しか知らない秘密を共有し、他の女子とは一線を画す特別な存在として捉えていた。

そんな彼女が………とても人様に言えない性癖を持っているなんて………
様々な感情が私の心の中を渦巻いていた。

「えっと、………どこか、ゆっくり話せる場所に移動しよっか」
「そ、そうだね。内容が内容だし………」

私の申し出に未だ困惑しながらも応じる彩音。
2人でひっそりとした公園に移動した。


「いやー、それにしてもびっくりしたよ!でも怜奈に気持ちを吐き出せるのはなんか安心」

途中で買ったオレンジジュースを含みながら話しかける彩音。
気持ちがようやく落ち着いてきて、本来の朗らかさを発揮していた。

「そうだねーちょっと、いやかなり驚いたけど彩音だったら気が楽だわー」

いつもの調子で返す私。
右手にはアイスコーヒー。実は甘いものが苦手なのだ。

「さてと、時間も限られてるし本題に入ろうか」
「そ、そうだねっ、なんか、きんちょう……するね」

彩音の顔を見ると、ほんのりと染まった頬を隠すようにやや俯いている。
いや、私もきっと同じような顔をしているのだろう。
………耳まで熱くなってきた。

「どっちから……言おっか?」
核心に切り込む私。
「私はどっちでも…………」
ストローをいじりながら小さく呟く彩音。
「じゃあ、………言うね」

ゆっくりと深呼吸する。
嫌われるかもしれない………軽蔑されるかもしれない………
でも、ほんの少しでも理解してもらえるなら
奇跡的に協力してくれるかもしれないから、言う。

「私の………私の性癖は………





























足裏フェチ、なの」

言ってしまった。
耳まで熱くなる。
彩音の顔を見れない。
ただただ地面を見つめる。
反応が怖い。
これまでの関係が終わるのではないか。
言ってしまってから、ゾッとした。

「ふふ、そっか」
恥ずかしそうに笑いながら答える彩音。

「ありがとう。私に打ち明けてくれて」
天真爛漫な笑みを、輝くような笑顔を浮かべた後、ぎゅっと抱きついてきた。

良かった。本当に………
もう、抑えられないよ………
涙が自然と溢れてくる。
受け入れてくれた。微笑んでくれた。抱きしめてくれた。
それだけで1人じゃないって、思えた。


「も、もうっ、泣かない泣かない!つ、次は私の番だからね!」

再び顔を赤くしながらまくし立てる彩音。
彩音も理解してくれたんだから、私も聞いてあげないと。
涙を拭って答える。

「もちろんよ。ドーンと来なさい!」

明るく励ませただろうか?
彩音がフェチを持っている。
改めて意外に思う。
まあ私ほどやばい性癖ではないだろうが。

「じゃあ、言うよ。わ、私の、……フェチは

















ぅぅ














匂い、フェチなんだ」

あぁぁ、と言って顔を手で隠す彩音。
率直に言えば、そんなことか、というのが感想だった。
もちろん、彩音のフェチを否定しているわけではない。
匂い、ならわからなくもない。
良い匂いが嫌いな人はいないから。
私に比べれば、全然普通に思えた。

「そんなに恥ずかしいことじゃないよ!私の方がヤバいじゃん!」

思ったまま、感じたままのことをそのまま伝える。

「そんなことないよぉ、恥ずかしすぎるー」

隣で悶えている彩音。かわいすぎか。

「ねぇ、いつからフェチに目覚めたの?っていうか今に至るまでの流れ?的なの教えてほしいなー」

混乱に乗じて切り出してみる。
これは今日聞いておこうと思っていたことだ。
今までどんな風に苦しんでいたのだろうか。

「うーん、そうだね。元々その予定だったし、もうこれ以上恥ずかしいことないしね!」

一瞬の迷いを見せたあと、明るい笑顔で承諾してくれた。

「えっとねぇー、確か小学校低学年くらいの時にねー………」



彩音がフェチに目覚めたのは小学生の頃。
元々干した布団の匂いや、柔軟剤の匂いが好きだったそうだが、それでも一般人の範囲内。
しかし突然発現したそうな。

小学三年生で、隣の男の子が好きな子になった時のこと。
業間休みが終わり、ぞろぞろと教室に帰ってくるクラスメイトを横目で見ながら、友達とおしゃべりしていた。
もちろん、当時から明るい性格は健在だ。
当然、自然と友達も集まるようになる。
先生が入ってきて、友達は自分の机に戻っていったが、入れ替わるようにその男子が声をかけてきた。

どうやら運動場で走り回っていたようで、ほんのり頬に朱がさしている。
額には煌めく汗がにじむ。

「彩音はおしゃべりしてたのか?」

汗を拭きながら声をかける男の子。
彩音は内心ドキドキしながら応える。
いつもの快活さが嘘のように影を潜めている。

「う、うん。すごい汗だけど大丈夫?」
「え?ああ、このくらいへっちゃらだよ!」

ニカっと歯を見せて笑う男の子。
彩音は目を合わせられなかった。
顔と体が熱くなっていくのを感じる。
男の子が着席したその時、
ふわっとした汗の匂いが彩音の鼻先をかすめた。

決して良い匂いというわけではない。
しかし彩音の心はそれを拒否することなく、記憶に刻み込み、ついにフェチを目覚めさせた。
脳は幼いながらも、匂いを快楽と認識しより嗅覚を鋭敏にする。
当人の彩音は未知の感覚に翻弄されるばかり。

しかし、なんとなくいけないことだとわかっているのか、男の子に知られないように振る舞う。

「そ、そうなんだ。わ、先生が来た」

強引に話を終わらせ、机に向かう彩音。
しかしちらちらと男の子を見るのをやめられない。
あの感覚は一体なんだったのか。
もう一度嗅ぎたい、でも、怖い。
自分が自分じゃなくなるような気がしたとか。
ちょっと、いや、かなり共感できる。

それから月日が流れ、年頃の女の子らしく性にも興味を持ち始めた彩音は、自らが持つ衝動、すなわちフェチの存在を突き止めた。

あの時男の子に感じた未知の感覚の正体がわかり安心したが、同時に人に知られてはならない秘密だと確信した。

それ以来、ひたすら心に留め続けた。
当然、性的興奮を呼び起こすのもフェチとなるから、同級生との下ネタの話題にもあまり興味がなかった。

もし自分の性癖を理解してくれる人がいれば。
もしこの性癖を共有してくれる人がいたら。
もし、匂いフェチパートナーがいれば………

そのような思いで、彩音は今日を迎えたのだそうだ。



わたしはと言うと、あまりに共感しすぎて挙動不審になってしまった。
いちいち彩音の告白にうなずき、相づちを入れたかと思えば、自分はどうだったかと無意識に過去に思いを馳せていたりと聞き手として失礼な態度を取ってしまった。

きっと彩音は優しいから共感してくれてると思ったに違いない。うん。きっと。


「あぁぁ、やっぱはずかしかったなぁ~。でも次は怜奈の番だよっ!」

前面にワクワク感を押し出す彩音。
もちろん、ここで暴露しない選択肢はない。

「わかったわよ。私が最初にビビッ!と来たのは………」



私が最初にフェチ、というよりはその時好み?を見つけたのは幼稚園の時。
あ、もちろん性的な意味ではない。
なんとなく目が向いてしまう、そんな感じだった。

年中さんの時のプール教室での一件。
親に強制的に入れさせられたプール教室だったが、水に慣れるうちに毎週の楽しみになっていた。

ある時、初めてゴーグルをつけて潜った時のこと。
クリアに見える水中に感動を覚えていたが、どうも目が止まる部位ところがあった。
それが足だった。

多分信じてもらえないだろう。
確かにその時はなぜ目が引きつけられるのか謎だったし、この時のことはすぐ忘れていた。

重い思いに動き回るスクールの子たち。
蛍光灯の照明が一種幻想的な世界を表現していた。
その煌めく光に浮かぶ足。
ただただ綺麗だ、と思った。

そして時は流れ小学校に入学した。
近所に住んでいた彩音とともに楽しい生活を送り、学校に行くのがいつも楽しみだった。

そんなある時、図工の時間にフットペイント
をする機会があった。
フットペイントとは簡単に言えば絵の具で足形を取るというものだ。
先生の説明を聞いている時もなんということもなく、くすぐったそーというのが率直な感想だった。

その時は彩音は体調不良で欠席していたので、別の女の子とペアになった。
最初に私が足形を取ったが、思ったよりくすぐったいわけでもなく、こんなもんか、という感じだった。

そして女の子の番。
ピンクの絵の具をハケに塗り、足に目を向ける。

その時、再びプールの時、いや、それ以上の違和感が私を襲った。
緊張しながら身構える女の子。
くすぐったいのが苦手だからちょっと怖い、と言っていただけあって表情が固い。

もちろん、そんなものが違和感を生んでいるのではない。
その正体は当然目の前にある足裏だ。

自分とそう変わらないもののはずなのに目が離せない。
赤くなったかかと、ほりが深くわずかにしわの寄った土踏まず、すべすべとしてそうな拇指球、小さな可愛らしい足指。
全てが私を魅了する。
それらをめちゃくちゃにしたい。
触りたい。嗅ぎたい。舐めたい。
今までに味わったことのない高揚感が理性を食いつぶそうとしていた。が。

どうしたの、と声をかけられ我にかえる。
その瞬間罪悪感が湧き上がり、少し頭が冷えた。
ごめん、ぼーっとしてた、と言いながら筆を足裏に近づける。

女の子はぎゅっと目を閉じて襲いくる刺激に備えている。
筆を拇指球に当てると、ビクンっと身体が震えた。
そのまま筆を滑らせる。

フルフルと震え、しわの寄った足裏は再び私の高揚感、──今思い返せばそれが性の目覚めだったのかもしれないが──を呼び起こそうとする。
それを必死で押さえながら、土踏まずとかかとにも絵の具を塗っていく。
足の指に達した時は、紙に触れるはずのない指の間にまで筆を滑らせていた。
弱点なのか指をぎゅっと縮こませ、たくさんのシワを生み出して耐えている。
当然十分な抵抗になるはずもなく、筆の細い毛先は的確に指の間を蹂躙する。
女の子の体は筆を走らせるたびに、ビクンビクンと反応を示していた。

女の子は耳まで真っ赤にして、時々声を漏らしながら耐えていた。
もはや喘ぎ声にすら聞こえる微かな笑い声を聞くと、もっとしてみたい、という気持ちが湧き上がる。

しかし、残念ながら肌全体を塗り終えてしまった。
安堵の表情を浮かべる女の子に、早く足形とろっか、と言われて紙に足を押し付ける。
くすぐったかったー、と言って恥ずかしそうにする女の子に声をかけることはできなかった。
自分の中で何かが、恐ろしい衝動が心に生まれていたのだ。
一生付き合うことになる、暴力的な欲望が。
こうして私のフェチの目覚めは終わった。

その後時が経ち、彩音と同様ネットでフェチの存在を知った。
初めはくすぐりフェチなのかも、とも思ったがどうやら違うようで、また足フェチとも違うようだった。
結局足裏フェチ、という結論に至った。
しかも女の子の足の裏限定で。

自分の抱えた性癖が分かったのは幸いだったが、やはり人と共有できない、秘密にしていなければならないというのはかなり応えた。
インターネットを覚えると、小説から始まり画像、動画を漁りまくった。

当然自慰を覚えると一時は歯止めが効かなくなり、ひどい時は1日で複数回に及んだ。
しかしそれでもいつかは限界が来る。
だんだんと興味を失い始め、さらに上の欲求が生まれる。
つまり誰かと共有したい、あわよくば足裏フェチプレイをしたいという欲求に耐えられなくなり、今日という日を迎えた。



「なぁーんだ、私と全然変わらないんだねー!」

彩音が心底安心したかのような表情を浮かべる。
私は人生初めての告白に胸がドキドキしていた。
顔が火照っていくのを感じる。

「……うん、でもやっぱりちょっと恥ずかしいね」

ポツリとつぶやくと、

「っ!!もう、怜奈可愛すぎだよー!!」

と言って抱きついてきた。こっちのセリフだ。

「ちょっと!?……もう。でもなんかスッキリしたよ。彩音と話せて良かった。ありがとう」
「何言ってんのっ。お互い様でしょー!」

どっちからともなく、クスクスと笑いが漏れる。
すぐにあははっ、と吹き出し笑い合った。
2人の間には爽やかな春風が吹いていた。



「ふぅ、………ねぇ、彩音っ、その………私……」

ひとしきり笑った後、一息ついてあるお願いをしようとしたが、緊張して後が続かない。

「…………うん、私もだよ、怜奈。私も同じ。ここまできたら最後まで付き合ってもらうよ!」

明るい笑顔を見せる彩音にホッとした。
私は今日相手にフェチのプレイをお願いするつもりだった。
もちろん男はアウトだし、着衣のままでなければダメだ。
それでも変態チックなプレイをするのだ。
他人ならまだしも、目の前にいるのは幼い時からの友人だ。
当然、切り出すのは勇気のいることだった。
まぁ、他人の場合は別の危険もあるが。

とにかく、2人の意思は同じだった。
その場で最寄りの個室付きネットカフェを調べて、あくまでもフェチに関連したことのみを行うと約束して場所を改めた。



















































































2人で個室に入り、好みのドリンクを持ってくると、重苦しい沈黙が2人を包んだ。
いくら顔見知りといっても、ずっと秘め続けてきた自分をさらけ出すのだ。
ましてや親友といってもいい仲、嫌われてしまうのではないかと不安になる。

「よしっ!時間ももったいないし、早速始めよう!」

パンっとほおを叩き、彩音を促す。
彩音のためではなく、もう私自身が我慢の限界だった。

「ここはカメラないから大丈夫。音だけ気をつけよ、壁薄いから」

そう言って椅子を移動させた。

「どっちからやろうか?彩音からやる?」
「ううん、きっとお互いこう………こ、興奮した方がいい匂いしそうだから後にする」

顔を赤らめながらつぶやく彩音。
薄い桃色のワンピースに、明るい茶色のショートブーツを合わせている。
可愛らしい女子高生だ。
恥ずかしそうにしている姿を見ると、こっちまで緊張してくる。


「じゃあ、座って靴下脱いで」

胸をドキドキさせながら促す。

「うん………なんか、恥ずかしいからあんまりみないでよぅ……」
「ごめん、可愛すぎて無理」
「なぁっ!?………もう………しょうがないなぁ」

柔らかそうな椅子に座り、ブーツと靴下を脱ぐ彩音。
もじもじしながら脱いでいく彩音の姿から目を離せない。
普段の様子とのギャップがまた良い。

ちなみに私の場合、靴下やストッキングに欲情することはない。
正直、なぜあんな布切れや繊維に興奮するのか理解ができない。
でも、彩音が靴下を脱ぐ動きにはどうも引きつけられてしまった。

オットマンに足を伸ばし、綺麗な足裏を見せる彩音。
私は床に座り、じっと観察する。
小学生の時とは違い、すらっとした足裏が見える。
やや固そうなかかと、しみひとつない土踏まず、赤く色づいた拇指球、可愛らしい足指。
ブーツに包まれていたせいか、ほんの少し色っぽく見える。
今すぐにしゃぶりつきたいが、ぐっと堪える。

足裏を観察されている彩音を見てみる。
某有名野球漫画のヒロインのように、短く切った髪、くりくりと可愛らしい目、ちっちゃい鼻に口、やや丸めの顔。
まだ幼さが見えるが十分に美少女と言える。
表情は固いが、人に見せたことのない足裏を観察されるという未知の状況に興味を持っているようだ。
不思議な表情を浮かべている。

「しかし、綺麗な足の裏だねー。同じ陸上部だとは思えないよ!」
「えぇ!?そんなことないよ!……そう言ってもらえるのは嬉しい、けど………ちょっぴり恥ずかしいなっ」 

次に、足裏に触れてみる。かかとから。

「んぅ………っふ………ぅん…………」

まだ軽く押しているだけなのに声を漏らす彩音。
実はくすぐったがりかも。

「どうしたのー?大丈夫彩音ー?」

しらじらしく言いながら、土踏まずに指を滑らせる。

「んひゃぁああ!?け、結構くすぐったいんだねぇ………あふぅ……………あ、押されるの気持ちいいかも………」

その言葉を聞いた私は、足裏マッサージをすることにした。
足裏を触っているだけでも満足だから、彩音にはできるだけ気持ち良くなってもらいたい。
さすがに足の裏が性感帯でなければ、感じさせることはできないが、そこまでは必要ない。

親指でぐっと土踏まずを押し、足指を引っ張る。

「ん…………ふっ…………あー、きもちいいよ。怜奈上手だねぇ」
「ふふ、ありがと。伊達にフェチこじらせてないんだから」

あはは、と笑う彩音を視界に入れつつ、5分ほどマッサージする。

「ふぅ………良かったよ、怜奈。………もっと好きにしていいんだよ?私もそのつもりだから………」
「………そうね、じゃあ遠慮なく」

彩音の申し出を幸いに、右足を持ち上げる。
爪先に顔を近づけ、匂いを嗅ぐ。
彩音も匂いフェチだから、私も同じことをされるのだろうか。

指の匂いを嗅いだ後、指の間に移動する。

「すんすん、うーん、いい匂い。表現がありきたりだけど、あまい匂いだよー」
「うう、なんかされると恥ずかしいなぁ。まぁ、私はもっと吸い込むけど」
「ええぇ、………こんな感じ?」

そう言って、土踏まずに鼻をつけて深呼吸のように嗅いでみた。
指と違って少し汗の匂いがする。
それでも別に臭いわけではない。
そこが女の子の不思議なところだ。

「ううぅ、嗅がれるってこんな感じなんだーちょっと不思議」
「ふふっ、なんか汗の匂いがするよー」
「ええーっ、なんかやだぁー」
「別に臭いわけじゃないよ!」

当然人の足を嗅ぐなんて初めての経験だ。
でも何か、彩音のフェロモンを感じている気がする。
ふんわり甘い、いい匂い………

続いて左足も同じ要領で嗅ぐ。
ちょっと汗の匂いが強いだろうか。
でもすごく興奮する、脳で嗅いでいるような気がする。
特に指の間は濃い匂いがした。

「くんくん………すん………んはぁ、いい匂いだよぉ。匂いフェチになるのもわかるかも」
「ほんとに!嬉しいなー。


しっかり堪能した後、メインに入る。

「それじゃ………舐めるよ?」
「……………うん、お手柔らかに」

右足を手に取り、さっきと同じく指先からいってみる。
舌を出し、彩音を焦らすようにゆっくり近づけ、直前でストップする。

「ぇ、なに、しないの?」
「ちょっと意地悪したかったの!」

そう言って、右足の親指の腹をひと舐めする。
そして足指に舌を這わせ始めた。
指の間まで丁寧に舐め尽くす。

「はむっ!じゅるる………んんっ…………はぁっ………じゅぶうるるる」
「ひぃんっ、これ、はぁ、うひぃぃ、ぬるぬるすごいぃぃぃ」

一心不乱に舐め続ける。
汚いなんてとんでもない。
長年の夢が叶い、文字通り夢にまで見た充実した時間を楽しむ。
滑らかな感触を楽しみながら、甘い指をむしゃぶりつくす。
口と指の間から漏れる下品な音が、より興奮させる。
隣の部屋とかどうでもいい。

「はぁっ……んんぅ………ちゅっ………ちゅぱ………じゅぷじゅぷ………れろぉっ」
「あっ………くひゃ………ふぅん…………ちょっ、と、きもちいい、かも………んっ」

彩音は息を弾ませながら、未知の感覚を受け止めている。
顔は微かな快感を覚え始めているのか、かなり緩んできた。

続いて拇指球、かかとに舌を這わせる。
拇指球は陸上部なだけあって、固めのところと柔らかいところが混在していた。
固いところをほぐすように、柔らかいところはマッサージするように舐めた。

「……んっ、ひぃ…………きゃはっ……くすぐった、いっ…………けどぉ、ひょ、ちょっといいかもぉ」

やばい。止まらなくなりそう。
くすぐったさと未知の快感が混ざり、誘うような表情を浮かべる彩音。
男がいたら確実に犯されるエロ顔だ。
そしてそれを私がやってるという事実が新たな満足感を呼ぶ。

かかとは拇指球よりさらに固く、グリグリと舌を押し付けたり全体に舌を押し付けたりした。
時折側面にまで舌を伸ばすと、ビクビクっと足が震えた。

「ん………ん………そこは、あまり感じなっ!?ひぁあっ!?そこ、らめぇ!よこだめぇぇっ、ぞくじょくするよぉ~~♡」

実は側面が一番敏感かもしれない。
そのまま足の甲まで丹念に舐める。
ここは反応が悪かった。

「んひっ………ん?そこは全然大丈夫、かも」
「ん、わかった」

それを聞いた私は一番最後に残しておいた部位に目を向ける。
言わずもがな、土踏まず。
ベタだが結局ここに至るのだ。
我慢できない。初めから全力で。

「んぅぅ………はぁっ、ちゅ、ちゅっ………はぁ……んはぁぁ………ぶじゅるるるるる………べろべろ………ぴちゅっ………」
「あはぁぁっ、はじめ、からつよすぎぃぃ………んはぁ!あんっ♡、ふうぅううん………れなっ、きもひぃぃぃっ♡♡」

目の前で親友が感じてくれている。
それだけで嬉しかった。

「じゅぽっ………んぅ………ぴちゃぴちゃっ…………はぁっ…………じゅるるぅうう!」
「ひぃぃあっ、やめっ、れなぁ!もう、イッ……はああぁぁぁんっ♡♡」

彩音は限界が近いようだ。
顔を真っ赤にして、目をぎゅっと閉じて迫り来る刺激に備えている。
イカしてあげたいけど、ごめん彩音。
実はちょっとSなんだ。

心の中でつぶやいて、そっと舌を離す。
本当は今すぐアソコを思いっきり触りたい。
だけど親友との約束を破ってしまうほど馬鹿ではない。

「あああぁぁん、もう、らめぇっ……っ!?どうしてぇぇええぇぇ!?」

悲痛な彩音の声が響く。

「ちょっと聞こえちゃうでしょ?………なんでって、まだ左が残ってるじゃん」
「っっ♡♡」

舌舐めずりをして左足を手に取る、前に彩音に目隠しをさせる。
こうすることで感度が上がることはみんな知っているだろう。

「おおーまっくら!これで舐められたら………♡♡」
「彩音、もうすっかり虜になってない?」

こちらとしては願ったり叶ったり。
このままパートナーになってくれないかなぁ

「じゃあ、思いっきりいくよ?」
「………うん。……どんとこいっ」

舌舐めずりしたあと、彩音の左足にむしゃぶりついた。
土踏まずを中心にかかとから指先まで満遍なく舌を這わせる。
下品な音を立てながら指を一本一本丁寧にしゃぶる。

「んはぁぁ、じゅぶ、ちゅっ、じゅるるるるるぅぅぅ!」
「ひぃあ、ぅん……ひゃははっ、あん♡がっつきすぎだよぉぉ♡♡♡」

土踏まずと拇指球を何度も往復し、口づけする。
唾液と空気がぴちゅ、ぐちゅっと淫靡な音を奏でた。
今まで抑えていたものが溢れ出し、暴走していくのを感じる。
全てを彩音の足裏にぶつけた。
右足も手に取り、両足を舐め尽くす。

「ぶじゅるるぅぅぅぅっ、はぁっ♡いいよお、あやねぇーかわいいよぉー♡♡♡はむっ、れろぉぉ、じゅぶぶぶぅぅぅ、んはぁぁぁ………ああああぁぁぁ」
「くひぃんっ!れなっ、おちつい、ひゃあ!はげしっ、すぎぃぃ!あんっ♡♡やああぁぁっべろべろだめぇぇぇ!!つちふまずぅぅぅきもひよすぎぃぃぃぃ♡♡♡」

左足の全ての指を口に含み、指の腹や間を舌で舐め尽くす。
意外と親指と拇指球の間が弱いかな?
ビクッと震える気がする。
もう片方の足は、私の唾液でぬるぬるになっているのもかまわず、ぐにぐにと指圧する。
ボルテージの上がっている今ならきっと感じ方も違うだろう。
これはかかとと土踏まずの間が敏感のようだ。
指にぎゅっと力が入っているものの、全く抵抗にはなっていない。

「ぱくっ、ぺろぺろ、れろれろっ、ぴちゅっ!はむはむ………ほほはへ?ひほひいいほほじゅぶぶぶぅぅぅぅ!………ぷはっ!右はマッサージしてあげる!揉み解すよ、もみもみ、指の間もぐりぐり~♪」
「あひぃん!だめそれぇ!強すぎるよーー!ああん♡ぬるぬるがぁぁ、一気にされたらぁぁぁ、くひぃぃぃいいん♡♡」

クライマックスとばかりに、左足の土踏まずを狂ったように舐め回し、右足は土踏まずをグリグリと指圧する。
彩音はのけぞり、甘美な声を上げている。
それに引きずられるように、私のボルテージも最高潮になっていった。

「はぁぁぁんっ!れろれおっ!ちゅぱっ♡ぶじゅっぶちゅぶじゅるるるるるぅぅぅっ♡♡♡あああぁぁぁん!あやねぇ♡♡かわいいよぉぉぉ♡♡♡ちゅっ!ずずっじゅぶぶぶっじゅぷるるるぅぅぅ!イっていいよ!足裏でイっていいよぉぉぉ!はぶぅぅ!ぶっちゅるるるじゅるるるるる!!」
「っっああぁぁぁん!しょこ、ぐりぐりしちゃああぁぁぁ♡♡あしが、あちゅいのぉぉ!ペロペロしないでぇぇへへっ♡きもちよしゅぎりゅううぅぅぅっ!あっ!イっ♡♡♡イっちゃうっ!はああぁぁぁん♡♡♡♡♡」

彩音と一緒にビクンビクンッと痙攣して、果てる。
彩音は椅子からずり落ちそうになっているのも気にせず、必死に空気を貪る。
私もだらしない格好で仰向けに倒れた。
実際にプレイすると、こんなにキモチいいの………

私は1分ほど経つと落ち着き、彩音を見た。
声をかけようとするが、動けない。
スカートはめくれ、水色のショーツが丸見えになり、息を整える彩音の顔は汗と何かの液でびしょびしょになっている。
今日一真っ赤な顔も色っぽい。

だが、それ以上に足裏が大変なことになっている。
強すぎる刺激に赤くに染まり、私の唾液がぬらぬらと光っている。
無防備にさらされたそれは、なによりも煽情的だった。
ああ……今日は最高の日だ。

「彩音、落ち着いた?」
「ふぅ………ふぅ………うん。大丈夫」
「ごめん、歯止め効かなくなっちゃった。彩音のことも考えずに」
「いいんだよ。私も同じだよ。………やられた分はしっかり返させてもらうからね!」

自分がやりすぎたからだとはいえ、この時はちょっと悪寒が走った。

「あ、う、うん。そうだねー、お手柔らかに…………あ、そうだ。足の裏拭かないと。ちゃんと私の手できれいにするね」
「え、いや、大丈夫だよ。自分で……」
「足フェチプレイは後処理までプレイだから!」
「むぅ、覚えてろー!」

あんなにはしゃいで二回戦にいくわけにもいかず、出禁覚悟でカフェを変えることを決めながら、彩音の足を清める。
くすぐったそうに身をよじる彩音も見ものだった。
ちょっとは開発できたかもしれない。
学校でもくすぐりっこくらいはセーフだろうか。
流石に靴下脱がすのは無理だろうが。


お店を変えて、今度は彩音の番だ。
さっきまで自分がしてきたことを思うと少々憂鬱だ。
とはいえ彩音には悪いがたかが匂いを嗅がれるだけだ。
そこまで激しいものでもないだろう。

「今度は静かに済ませないとねー」
「ちょっと視線が痛かったもん」
「あははっ、たしかにー!」

そんな会話をしながら個室に入る。
匂いフェチは聞いたことがなかったから、ちょっと興味がある。
内装は前のお店とほとんど変わらない。

「今度は怜奈が座っててよ。………さっきの分までいろんなところ嗅ぎまくるから」
「あ、あはは。彩音ちょっと、怖いよ?」
「もう我慢ならん!」

そう言って、リクライニングしている私の首筋に迫る。
か、顔が近い…………なんか怖可愛い。
そして、匂いを嗅ぎ始めた。

「すんすんっ………ふふっ、緊張してるのかな?ちょっと汗の匂いがするよー」
「………さっきのプレイじゃない?彩音可愛かったから」
「えー、怜奈も今すごく可愛い顔してるよ?」

顔が熱くなっていくのを感じる。
いつもとは全然違う彩音の様子に戸惑うばかりだ。

「すーはー、すーはー、………やっぱり興奮してるよねっ?えっちなにおいがちょっぴり混ざってる」
「そんなこと………気のせいじゃない?」
「ふふふ、そうかもねー」

吐く息が首にかかってちょっとくすぐったい。
それに吐く時に艶かしい声を出している。知ってか知らずか。
こっちは無意識に意識してしまう。

「………はー、すごい。女の子の匂いだっ。いつまでも嗅いでられる♡」
「そう、かな?自分の匂いなんてわからないや。でも今の彩音もなんか甘ーいにおいがする気がするよ」
「ええ?ほんと!?自分じゃわからないから残念ー」

そう言って、彩音は突然私の上着を脱がし始めた。
慣れているはずもないのに、するすると脱がされ、Tシャツ一枚になってしまった

「ぇ、ちょっ、ちょっと彩音!?これ反則じゃ………」
「だいじょーぶ!これ以上は脱がさないから。なんか首くらいしか嗅ぐとこなかったじゃん?」

そう言って、Tシャツをちょっとめくり、お腹の匂いを嗅ぎ始めた。

「すんすん、くんくん、石鹸の匂いに近いかな?あっ!おへそ不思議な匂いするー」
「う、そんなとこ、臭くないの?」
「ぜーんぜん!」

そう言いながらも嗅ぐのをやめない彩音。
体の隅々まで嗅がれている。
ちょっと、匂いフェチもわかる、かも?
彩音の嗅ぐ音に反応しているかのように、微かな快感が走る。

「ねえー、ブラ取らないから胸も嗅がせてよー。結構いい匂いするんだっ!」

突然そんなことを言われる。
すぐに拒否しようとしたが、期待に胸を膨らませている彩音を見ると………

「っ、そんな顔されちゃ断れないじゃな、うひぃっ!?」

言葉が終わるのを待たずシャツを限界までめくられ、胸に顔を押しつけられた。
自信のあるバストがぐにゅ、と歪む。
すぐにぞわぞわとした刺激が走った。

「すうぅぅぅ、んっーー♡♡やっぱいいね!初めておっぱい嗅いだけど、想像通りのいい匂いだよっ」
「そんなこと言われても…………ひぅっ、自分の匂いわからないし………」

目を輝かせながら感想を述べる彩音。
胸の匂いを嗅いでいる以上、顔はかなり近い。
改めて美少女に匂いを嗅がれるという特殊な状況を確認してしまう。
意識して、しまう…………

「………ねーえ、怜奈。ちょっと匂い嗅がれるの好きになってなーい?」
「そ、そんなわけ………」
「じゃあ怜奈がわかるまで嗅ぎ尽くそう!」

そう言って彩音は、私の靴を手に取った。

「まさか………」
「ぴんぽーん!たぶんあたりー!」

そして両足の靴を脱がせ、私の靴下に鼻を近づけてくる。

「ね、ねぇ彩音。さっき私すごく興奮してたからさ。きっと汗とか凄かったと思うし?だからやめといたほうが………」
「ふふん、怜奈がそんなこと言えるの?私にしたこと忘れてない?それに、ここの匂いを嗅ぐってゆー選択肢をくれたのは怜奈だよ。
だから………責任とってね!」

そう言って、私の靴下に鼻を押し付けた。

「すんすん………なるほどー確かにちょっと汗の匂いするかもっ」
「だから言ったじゃない!もうやめてよ!」

必死で抵抗しようとする、が。

「怜奈なんて嗅ぐところか舐め回してたでしょー?相当恥ずかしかったんだからこれくらい我慢できるよ」

ぐうの音も出ない正論。
いつになく真面目な顔で私の目を見つめてくる。
まさか彩音に口で負けるとは…………

「んっ…………すーーーっ………はあぁぁぁ♡どうしよう、足良いかも………♡」
「ふふふ、彩音もこっち側に来たのね」
「そうかも、そしたらまたできるね」

彩音の言葉に赤面してしまう。
さっきから主導権を握られっぱなしだ。
そして靴下も脱がされる。

「わあー!怜奈の足裏超絶綺麗じゃん!!なにこれ!?国宝!?すべすべ過ぎるぅ~~」
「そりゃ、伊達に足フェチ語ってるわけじゃないから」
「ふーん、じゃあ直接嗅いでもいい匂いするよねー」

そう言って土踏まずに鼻を近づけ、深呼吸し始めた。

「すぅぅぅぅ…………はーーーっ、うーん、甘い匂い。いつまでも嗅いでいられるよ!」
「くぅぅ、鼻息がくすぐったいっ、なんか敏感なんだよね」
「指はどうだろ?すんすんすん、っとちょっと強い、かな?だけどいいアクセント!最高の匂いだよー!」

感想を述べながら淫らな顔で私の足を嗅ぎ続ける彩音。
いつもは絶対に見せないであろう彩音の顔をどうしても見つめてしまう。
私もこんな顔をしていたのだろうか。

「指の間も嗅いじゃおっと。すーーーーっ、すんすん…………はあぁぁ♡ここが一番好きかもぉ。いい匂い~~~♡♡」

…………もうだめだ。抑えられない。

「彩音、ごめん。エロすぎて、無理」
「え?」

彩音の返事も待たず、彩音の靴と靴下を強引に脱がす。

「え、ちょっ、怜奈?」
「………あ、ほんとにごめん。もう限界なの。気持ちよくしてあげるから許して………」
「えっ!?…………しょうがないな。ちゃんと気持ちよくしてよ?」

返事の代わりに彩音の足指にしゃぶりつく。
じゅるるる、と音を立てて味わい尽くす。
指の間に舌を滑らせ、一つひとつ丁寧に舐め尽くす。

「ああん♡いいよぉ怜奈ぁ!私やっぱりクセになってるぅぅ!すぅぅーーー……んはぁ!いい匂い~~♡♡♡」
「じゅぷぷぷ、じゅりゅゅるるるぅぅぅ………はっ♡いきが、足にかかって………♡♡」

互いの足を求め合う。
太股が冷たく濡れていくも、2人の熱気で淫靡な香りを残し蒸発する。
彩音は己の鼻を私の土踏まずに押し付け、なんと舐めてきた。

「すんすん………あはっ!よぉーし………れろぉ♡♡」
「うひゃぁああっ!?ちょっ、あやねぇ!?」
「あはぁん♡おいひいよぉ、れなのあしぃ♡♡♡いっぱい舐めてあげるね♡」

正直、舐められるのがこんなにくすぐったく、恥ずかしく、何より気持ちいいとは思わなかった。
瞬間的なくすぐったさが走ったあとに、じんわりと快感が広がる。
当然、長くは持たない。

「れろれろ、はぁ♡んっ!………ぱくっ……じゅるるぅ………」
「あんっ!むぅぅ!じゅぼっ♡じゅぽぉじゅぶぶぶっ…………ぺろぺろ♡あああんっ♡♡」

彩音は私の左足の指にしゃぶりつき、右足は横にして土踏まずの匂いを嗅いでいる。
左右異なる刺激が互いの存在を主張し合う。
私は彩音の両足を舐め尽くし、先ほどよりもがっついていた。
何より、自分の足も舐められている。
彩音はこんなものを味わっていたの………
ちょっぴりうらやましい。

そして、終わりが訪れる。

「くんくんっ♡♡指の間、すぅぅーーー、はあ♡土踏まず、れろれろっ、ちゅっ♡ぺろぺろ、れな、きもちよくなっちゃう?いいよ、イって!いっぱいかいで、いっぱい舐めてあげるから♡♡すんすん!れろれろっ!じゅぶぶぶぶっっ♡♡♡」
「ひぃん♡あああんっ!だめ、つちふまずぅぅぅ♡♡きもひよく、なっひゃうよぉぉぉ!んぅぅぅっ♡じゅぼっ!じゅるるるるぅぅぅ♡♡♡はっ♡あんっ♡♡ぺろぺろ………じゅぶぶぶっちゅぽっ!あっ、イッ!だめぇっ、ぅんっ!はあっ!いくぅぅぅ、イっちゃう♡♡んあああぁぁぁぁあああ♡♡♡」

足裏に蓄積された快感が解放され、性器にひびく。
身体中を駆け巡る強烈な刺激は、今まで感じたものの中でずば抜けていた。
いまだに責められている足裏への刺激によって、断続的に快楽の波が訪れる。
その度にだらしない顔を晒し、ビクンビクンッと無意識に反応してしまっていた。

「あっ♡はぁ、はぁ……んっ、ふぅ…………っ♡♡」
「くんくん、おお!すごい!汗と混じった甘い匂い!最高っ、って、大丈夫?怜奈?」
「はぁ、ん、………ごめんなさい、先に気持ち良くなって………」
「いいんだよ、そんなこと。………まだ続けてくれるんでしょ?それに………私にも利益がある」

ドロドロになり、照明によってテカテカ光る足裏を先ほどの刺激を思い出しながら思い出していた怜奈は顔を上げる。

「利益?何かあるの?」
「うんっ。楽しみは取っておくタイプだからねーわたし!………じゃあさっそく………上着脱いで!」
「えぇ………まあ、さっきのこともあるしいいけど…………えっちなことはダメだよ?」
「どの口が言いますか!もちろん、約束は守るから安心して!」

それを聞いた私はしぶしぶ、とは言っても表面上は、だが、Tシャツを脱ぎ、キャミソール姿になる。
暑かったのでちょうどいい、と思っていると、彩音が顔を近づけてきた。

「ふふん、できれば足舐めてもらいたいけど、怜奈気持ち良くなっちゃうからやめとく。代わりに腕上げてて」
「腕?まあ、いいけど」

彩音の要望により、両腕を上げる。
床に寝そべっているので、きつい体勢でもない。

「じゃあ、いただきます」
「え?どういう、っ!?ちょ、彩音!?」
「くんくん………はっ♡ヤバすぎ♡♡最高っ!!だよ!怜奈ぁ………すううぅぅぅ、んはあぁぁ♡♡」

そう、彩音は私の腋の匂いを嗅ぎ始めたのだ。
当然、大汗をかいていたし、達してしまったから色々ヤバい匂いがしていた。
しかし、彩音は自身の欲望を満たせる獲物を前に最高潮のボルテージに達していた。

「すんすんっ………うんうんっ!この脳に直接来る感じ♡これよこれ!これを求めていたの!すぅぅーーーはああぁぁぁーー♡♡きれいな腋」
「ううー、恥ずかしすぎる…………髪がくすぐったいー」

腋の匂いを嗅がれるというのは、かなり恥ずかしいものだ。
ましてや私の時は匂いが強くなる条件が揃っていただけに、割増だ。
匂いフェチの彩音にとってはむしろ嬉しいことだろうが。

「くんくんっ………あー♡♡すぐ果てそう。右はどうかなー?………うん、程よく湿ってていい感じ!すんすんっ…………すううぅぅぅ、ん~~♡最高っ♡♡」
「っっ………もう、彩音のこと見れないよぉ」

あまりの恥ずかしさに、腕こそ下げてないものの、顔を背けてしまった。
彩音はそれに気付いていないのか、自分の世界に入り込んでいる。

「んはぁぁぁ、すうううう、はあああぁぁ♡さらにみみのうらぁ♡♡すんすんっ、あー♡いい!ちょっとトリートメントの匂いも混ざってより甘い~♡ダメだよぉ、そんなにいい匂い出しちゃ♡もうたえられないよぉ♡♡」
「………もっとめちゃくちゃにして、いいよ?彩音が好きなようにしてよ」
「怜奈………ありがとう!じゃ、えんりょなくー!」

そう言うと、彩音はなんと耳を舐め始めた!
それだけでなく、腋も窪みの一番深いところに鼻を押し付け、しっかり私の匂いを吸い込んでいる。

「うっひぃ!?あやね?舐めるのは、はんそくっ、ひゃひひひぃ!くぅぅ!」
「ちゅぱっ、れろれろぉ、なんか、舐めフェチも発症したかもぉ♡怜奈のせいだから責任とってよね!すんすん……はあぁぁ~~」

さらに首にまで舌を伸ばす。
「ぺろぺろ、ちょっとしょっぱいねー、でもおいしい♡♡っあー♡ここいい匂い♡♡顔のラインの終着点!くんくんっ………いい♡怜奈の全部を嗅ぎたい!」
「くひゃあ!くびは、くくっ、弱いからあ!くすぐった、ちょっ、どこかいで、ひぃぃぃんっ!」

ダメだ。彩音には敵わない。
せめて私で満足してもらえるなら、喜んで協力しよう。

「すーはー、すーはー。ああ♡もうダメ♡終わりがきちゃう!耳の後ろぺろぺろ、おいし♡♡………じゃあ、ラストスパートだよっ、がんばって、れなっ♡♡」
「くひっ、あははっ、あんっ♡そこだめっ、きゃははっ!うんっ!きもちよくなって!」

彩音のラストスパート、それは凄まじいものだった。
まだ舐めてない右耳に指を突っ込み、ふにふにとくすぐる。
左腋には舌を這わせ、溜まった汗を舐め取っていく。
右腋は指の腹を押し付け、指圧されている。
もはやくすぐりではないのか?

「あやねっ!くすぐったっ、ひゃはははっ、そんなとこ、なめちゃ、あんっ♡♡だめぇええ!びんかんだからぁ!!きゃはははは!」
「ぺろぺろっ………腋すべすべで気持ちいい!みみはどう?くすぐったい?それとも気持ちいい?笑うといい匂いが出るんだよ!だからがんばって!!」
「あははっ、そんなのっ、こじつけでしょー!?きひひひっ、きつひぃぃぃ!!」

彩音の苛烈な責めに翻弄され続ける。
くすぐりに近い動きに体温は上がり、汗は吹き出る。
彩音は天使とも悪魔とも取れる笑みを浮かべ、私を責めた。

「れなかわいい!もう、これでくすぐりフェチまで増えたらどう責任とってくれるの?最後にたっくさんくんくんしてあげる♡」
「もう、やめっ、きゃっはは♡もうだめぇへへっ!おわりにしてぇぇぇ!」

彩音の最後の責め。鮮明に覚えている。
唾液でぬるぬるの左腋には指を置き、塗り込むように擦り上げる。
右腋には鼻を押し付け、肺と脳いっぱいに私の匂いを満たす。
空いている右手は耳や首筋をなぞりあげる。
全てが全てを高め合い、より強烈な刺激を生む。
………彩音は凶暴な笑みを浮かべ、高みを目指す。

「もう腋ぐしょぐしょ。もっとぬりぬりしてあげる!一番いい匂いしてるよぉ♡♡くんくんっ、すーはー、すんすんっ、すぅぅぅーーーー、首の汗取ってあげる。私を受け止めて♡♡♡」
「いひひっ、だめぇっ♡、わきぐりぐりしないでぇへへへっ、いきあたってるからぁあははっ、くびもきついいぃぃぃ♡♡もうわけわかんないよぉぉ♡♡♡」

そして、終わりが訪れる。

「あ♡くる、きちゃう!もっと、ぐりぐりっ、すんすんっ、くんくん……すーはー、こすこす、あっ♡♡いっ、いくぅ♡♡いっちゃ♡ああああぁぁぁああああぁぁん♡♡♡」

彩音はのけぞり、快感の波に溺れる。
痙攣しながらも、顔は恍惚の表情を浮かべていた。
彩音の痴態を見ながら、私も息を整える。
正直、やばかった。きついのもあったが、彩音の豹変ぶりに驚かされた。
………店は出禁だろう。少し離れた街で良かった。

「はぁ、はぁ、………きもひ、よかった…………あっ!れなっ、大丈夫!?ごめんっやりすぎた!」

まさかの土下座。それほど我を失っていたのか。

「ふぅ、………ふぅ、ん?大丈夫だよ、全然。彩音もあんなことするとはねぇ」
「へぇ!?怜奈が言えることぉ!?」
「あはは!たしかにー!」

2人で笑い合って、その日を終えた。
予想どうりの出禁。お店の人やお客さんには本当に申し訳ないことをした。
しかし、私たちは大きなものを手に入れた。
今までの親友以上の関係。
秘密を暴露し、自身のフェチをぶつけ合い、彩音に至っては新境地を開いた。

決して人には言えず、汚らわしいと一蹴されることも多い性癖。
しかしその実、思春期も相まって苦しんでいるものも多くいる。
賛成してもらえなくても、理解を示してほしい。
あわよくば、オープンな社会になってほしい。
誰も、望んで「変態」でいるわけではないのだ。

そんな考えを手にした2人は、より関係を深めていくのだが、それはまた別の物語。
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