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―――シズル、オマエの事女だと思ってたってさwww
完全に見失ったと分かったとこで送った。
何かくっそって気分だったし。
最後に会ったのは、小学校の卒業式。
3年経って、アイツはスゲー変わって、でも中身全然変わってなかった。
頭突きとか、するか?フツー。
ねぇよ、まじで。
アイツにはしねぇんだろうな…そう思ったら、何か。
くっそ!!って。
頭わしゃわしゃしても治まらない。
動画ん中で、アイツと見つめあってた。
何だよ、それ。何でなんだよ?
ぐしゃり、とシャツの胸元を掴んだ。
何で、だよ―――
自分がいわゆる“カワイイ系”だっていう自覚はあった。
チビの頃から、やたらと頭を撫でられたり、ぎゅーっとされたり、頬ずりされたりし続ければ、まぁ当然っつーか。
流石にサッカー始めて真っ黒んなってきたら、ウサギとかみたいな扱いは無くなってきたけど、ピッチの外から見てるヤツらの視線は、“カッコいい”じゃ無くて“カワイイ”が殆どだったから、もういいかってなるよな。
まあ、別に困ってなかったし、色々貰えたりして割とお得だったし。
そんな中で、アイツ―――シズルだけは全然違ってた。
シズルは昔っから背が高くて、見下ろされてる感ハンパなかったけど、でも、他の女子みたいな感じは全くなかった。
試合ん時、夢中でボールを追っかけてると、大体シズルがデカい声で叫んでる。
『大地っ、止まって!!』
『後ろっ、トーゴ居るよっ!!』
『右っ!走れっっ!!』
不思議とうるせー、とかは思わなかった。
チームの中には偉そうって言うヤツもいたけど、そういうヤツは俺が黙らせてた。少なくとも、シズルがいないとこで言うのは許さなかった。
だって、シズルは目立とーとか、全然考えてる風じゃ無かったし、何より、パスのタイミングが絶妙で、シズルのアシストで何度も決めてたし。
なのに、何でか、こうなった。
いや、何でかはわかってる。
4年になって、上のチームになって直ぐだった。
シズルだけ、Aチームに選ばれた。
Aチームは5,6年生しかいなかったのに、何でか、アイツだけ。
その事にボーゼンとして、次に思ったのは、何でシズルだけ?!、で。
そう思ったのは当然ながら、俺だけじゃなくて。
不平不満の嵐が吹き荒れる中で、河田のかーちゃんが言い出したのだ。
『あのコは、女の子だからね~』
男の子も女の子も同じだけ活動費払ってるのに、試合に出れないんじゃ可哀想だから。
そういう理由で、女子も試合に出させてもらってるんだよ、と。
すげー違和感あった。
確かに、“ひな”とかはそんなカンジで、いつも味方ゴール付近で突っ立ってるだけだったから、そうだったかもしれないけど。
でも、シズルは違う。
そう思ってたハズなのに、何故か言い出せなくて。
その日から、シズルは4年の中で“ぼっち”になった。
もちろん、普通に練習してたから、コーチとかは、全然気付いてなかったっぽかった。
わかりやすく無視するとかも無かった、けど。
一緒んなってバカ話とか、そういうの。
シズルは気付いてた。
なんとなく、様子うかがってるっぽかったから。
そのたんびに、胸のあたりがちくちくした。
だからわざと大きな声を出して、みんなを笑わせたりして、シズルが声かけにくいようにした。
それがなんでか、あの頃はわからなかったけど、多分、怖かったんだと思う。
シズルをAチームに選んだのはコーチで、シズルが悪いわけじゃない。
でも、なんでシズルだけ?
俺だって頑張ってんのに!
何で―――?!
その気持ちは、4年終わりの試合で吹き飛んだ。
シズルはその試合で、センターバックに選ばれた。
よりによって、センター。
バック―――守備は、先輩達もあんましたがらないからわかる。
でも、センターはトクベツだ。
何で?って、また思った。
でも、シズルはちゃんと見てた。
ピッチ全体、全部、ちゃんと。
だから、バックでセンターだったんだ、と。
1点ビハインドの後半、もう終わりに近かった。
同点に追い付く最後のチャンス。
コーナーキックのキッカーに選ばれたのはシズルだった。
右コーナーで、右利き。
シズルの蹴ったボールは、ポンッと大きな山を描いて、ゴールエリア前に落ちた。
ウチのトップは背ぇ高かったから、ヘディング狙ってたんだと思う。でも、先輩は上手く合わせられなくて、落ちたボールを皆で取り合ってるウチに、向こうがこぼれ球蹴って飛び出した。
ヤバいっ、カウンター!!
ピッチの中も外も、全員そう思った。
めっちゃ焦った。
だって最後のチャンスだと思ったから、全員相手ゴール前に来てた―――と。
そう思ってたのに。
次の瞬間、相手フォワードが大きく蹴り出したボールを、シズルがスライディングで外に蹴り出していた。
味方が戻る為の時間稼ぎ。
自陣ゴール前にいたのが、自分1人だったからだ、と気付いて、ボーゼンとした。
だって、キッカーだったのに?
後でコーチが言った。
シズルは蹴って直ぐ、全速力で戻ったんだって。
向こうが、カウンター得意だって気付いていたから。
だったら、キッカーやらなきゃいい。
なんて、誰も言えなかった。
センタリングが1番上手いのが、シズルだったんだから。
もしその試合に勝ってたら、違ってたかもしれない。
勝った嬉しさで、そのノリで、シズルにゴメンなって、言えてたかもしれないのに。
5年なったら、俺も絶対、Aチームに入る!って。
そしたら、今度は一緒に勝とうな!って。
なのに言えなかった。
シズルは誰とも一緒に来てなかったから、1人でいつの間にか帰ってて。
練習でも、もう俺らのとこには来ないから、なかなか話しかけられないまま、その日がやって来た。
完全に見失ったと分かったとこで送った。
何かくっそって気分だったし。
最後に会ったのは、小学校の卒業式。
3年経って、アイツはスゲー変わって、でも中身全然変わってなかった。
頭突きとか、するか?フツー。
ねぇよ、まじで。
アイツにはしねぇんだろうな…そう思ったら、何か。
くっそ!!って。
頭わしゃわしゃしても治まらない。
動画ん中で、アイツと見つめあってた。
何だよ、それ。何でなんだよ?
ぐしゃり、とシャツの胸元を掴んだ。
何で、だよ―――
自分がいわゆる“カワイイ系”だっていう自覚はあった。
チビの頃から、やたらと頭を撫でられたり、ぎゅーっとされたり、頬ずりされたりし続ければ、まぁ当然っつーか。
流石にサッカー始めて真っ黒んなってきたら、ウサギとかみたいな扱いは無くなってきたけど、ピッチの外から見てるヤツらの視線は、“カッコいい”じゃ無くて“カワイイ”が殆どだったから、もういいかってなるよな。
まあ、別に困ってなかったし、色々貰えたりして割とお得だったし。
そんな中で、アイツ―――シズルだけは全然違ってた。
シズルは昔っから背が高くて、見下ろされてる感ハンパなかったけど、でも、他の女子みたいな感じは全くなかった。
試合ん時、夢中でボールを追っかけてると、大体シズルがデカい声で叫んでる。
『大地っ、止まって!!』
『後ろっ、トーゴ居るよっ!!』
『右っ!走れっっ!!』
不思議とうるせー、とかは思わなかった。
チームの中には偉そうって言うヤツもいたけど、そういうヤツは俺が黙らせてた。少なくとも、シズルがいないとこで言うのは許さなかった。
だって、シズルは目立とーとか、全然考えてる風じゃ無かったし、何より、パスのタイミングが絶妙で、シズルのアシストで何度も決めてたし。
なのに、何でか、こうなった。
いや、何でかはわかってる。
4年になって、上のチームになって直ぐだった。
シズルだけ、Aチームに選ばれた。
Aチームは5,6年生しかいなかったのに、何でか、アイツだけ。
その事にボーゼンとして、次に思ったのは、何でシズルだけ?!、で。
そう思ったのは当然ながら、俺だけじゃなくて。
不平不満の嵐が吹き荒れる中で、河田のかーちゃんが言い出したのだ。
『あのコは、女の子だからね~』
男の子も女の子も同じだけ活動費払ってるのに、試合に出れないんじゃ可哀想だから。
そういう理由で、女子も試合に出させてもらってるんだよ、と。
すげー違和感あった。
確かに、“ひな”とかはそんなカンジで、いつも味方ゴール付近で突っ立ってるだけだったから、そうだったかもしれないけど。
でも、シズルは違う。
そう思ってたハズなのに、何故か言い出せなくて。
その日から、シズルは4年の中で“ぼっち”になった。
もちろん、普通に練習してたから、コーチとかは、全然気付いてなかったっぽかった。
わかりやすく無視するとかも無かった、けど。
一緒んなってバカ話とか、そういうの。
シズルは気付いてた。
なんとなく、様子うかがってるっぽかったから。
そのたんびに、胸のあたりがちくちくした。
だからわざと大きな声を出して、みんなを笑わせたりして、シズルが声かけにくいようにした。
それがなんでか、あの頃はわからなかったけど、多分、怖かったんだと思う。
シズルをAチームに選んだのはコーチで、シズルが悪いわけじゃない。
でも、なんでシズルだけ?
俺だって頑張ってんのに!
何で―――?!
その気持ちは、4年終わりの試合で吹き飛んだ。
シズルはその試合で、センターバックに選ばれた。
よりによって、センター。
バック―――守備は、先輩達もあんましたがらないからわかる。
でも、センターはトクベツだ。
何で?って、また思った。
でも、シズルはちゃんと見てた。
ピッチ全体、全部、ちゃんと。
だから、バックでセンターだったんだ、と。
1点ビハインドの後半、もう終わりに近かった。
同点に追い付く最後のチャンス。
コーナーキックのキッカーに選ばれたのはシズルだった。
右コーナーで、右利き。
シズルの蹴ったボールは、ポンッと大きな山を描いて、ゴールエリア前に落ちた。
ウチのトップは背ぇ高かったから、ヘディング狙ってたんだと思う。でも、先輩は上手く合わせられなくて、落ちたボールを皆で取り合ってるウチに、向こうがこぼれ球蹴って飛び出した。
ヤバいっ、カウンター!!
ピッチの中も外も、全員そう思った。
めっちゃ焦った。
だって最後のチャンスだと思ったから、全員相手ゴール前に来てた―――と。
そう思ってたのに。
次の瞬間、相手フォワードが大きく蹴り出したボールを、シズルがスライディングで外に蹴り出していた。
味方が戻る為の時間稼ぎ。
自陣ゴール前にいたのが、自分1人だったからだ、と気付いて、ボーゼンとした。
だって、キッカーだったのに?
後でコーチが言った。
シズルは蹴って直ぐ、全速力で戻ったんだって。
向こうが、カウンター得意だって気付いていたから。
だったら、キッカーやらなきゃいい。
なんて、誰も言えなかった。
センタリングが1番上手いのが、シズルだったんだから。
もしその試合に勝ってたら、違ってたかもしれない。
勝った嬉しさで、そのノリで、シズルにゴメンなって、言えてたかもしれないのに。
5年なったら、俺も絶対、Aチームに入る!って。
そしたら、今度は一緒に勝とうな!って。
なのに言えなかった。
シズルは誰とも一緒に来てなかったから、1人でいつの間にか帰ってて。
練習でも、もう俺らのとこには来ないから、なかなか話しかけられないまま、その日がやって来た。
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