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第17章 夏、季節外れの嵐が通り過ぎます
第474話 この人を野放しにしたらいけません
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夏の間、リーナに随伴してシュトロースに滞在していることが多かったため、工房も、ホテルも人に任せきりでした。
時計工房を任せているジョンさんやホテルを任せているネーナさんはしっかりしているので安心して任せることが出来るのですが…。
ただ一人、機械工房を任せているオークレフトさん、彼だけは目を離すと危ないです。
彼は面倒なことは嫌いなので経理は私に任せてお金は扱いません。
だがら、着服とかの心配はないのです。
何が危ないかと言うと、私に相談もなく突飛な事を始めるのです。
ですから、細目にチェックしていないと、ある日突然新事業を始めるとか言い出し。
準備万端整えて、金を出せと言ってくる恐れがあるのです。
帝都に街灯を設置する事業を終えてから既に二ヶ月、この間、オークレフトさんを野放しにしてしまいました。
また変な事を始めてなければ良いのですが。
シュトロースとキールを結ぶ橋が架け終わった数日後、やっと時間が取れた私は工房へオークレフトさんを訪ねました。
「オークレフトさん、しばらくここへは顔を出せませんでしたが、事業報告を聞かせて頂けますか?」
私が直截に尋ねると。
「アスターライヒの王都に設置した街灯の方は、この二ヶ月間何の故障も無く点灯しているようです。
先日届いたメンテナンス班からの報告書にはそうありました。
発電施設の方も、現時点で稼働している発電機に不具合は起こっておらず問題は無いです。
私がアルビオンの実業家から受注している機械部門はいささか問題が生じていますね。
シャルロッテ様が多忙で、こちらにお見えにならなかったためデリバリーに支障が生じています。」
オークレフトさんが受注して来るのは、織機であったり、紡績機であったりと大型の機械ばかりです。
ここアルム山麓の地はハッキリ言って僻地で交通の便が良い所ではありません。
大型の機械の納入は、全て私の魔法ありきで受注しているのです。
私が転移の魔法でアルビオンの王都にある屋敷に完成した機械を送り。
そこから荷馬車に乗せて搬送する段取りになっています。
私が、この二ヶ月、対プルーシャ公国にかかりきりだったため、それが滞っているそうです。
「約束した納期に遅れて、お客様を待たせるのは良くないですね。
今日と言う訳には参りませんが、数日中にアルビオンへ送ることにしましょうか。」
「いえ、早いに越したことはございませんが。
そんなに慌てることはありません。
幾つか完成している機械があるのですが、何れも納期はまだ先ですから。
完成した機械を納品できないと、こちらの倉庫がいっぱいになって困るだけです。」
オークレフトさんの話ですと、ここは遠隔地で搬送に難があることから、納期の設定の仕方が特殊なのだそうです。
『何日までに』ではなく、『何時から何時までの間に』に納入することなっているそうで。
オークレフトさんは、早め早めに仕事を片付けることにしているため、どれもまだ余裕があるそうです。
まあ、オークレフトさんの工房には、煩悩を刺激してあげれば馬車馬のように働く者が多いですからね。
仕事も早く片付くことでしょうよ。
一通り、報告を聞く限り、私に内緒で新しいことを考えていると言う気配はなさそうです。
私は、一安心して、こちらからの報告に移ることにしました。
********
「実は先日、プルーシャ公国の撃退にあたり内々に協力した謝礼を頂きました、クラーシュバルツ王から。
その内容は、『ホテル』と『水力発電所』の用地十ヶ所を合計二万エーカーの範囲内で頂けると言うものです。
『水力発電所』に関してはオークレフトさんの希望や意見を最大限汲みたいと思います。
ご要望があれば言ってくださいね。」
私が先日、ハインツ王から頂けることとなった謝礼の件をオークレフトさんに伝えると。
「それは、有り難いですね。
シャルロッテ様が考えてらっしゃるアルム地方に鉄道を敷く計画。
あれの実現のためには大規模な発電施設が幾つも必要になると思っていました。
十個の物件中、『ホテル』と『水力発電所』の割り振りをどうなさるかは知りませんが。
一つでも、二つでも、建設用地に目途が付くのは良い事です。
そうですか、発電所が増設できますか。
なら、あれが、出来るかな?」
オークレフトさんは、やおら私の前から立ち上がると執務机へ戻り、何かを手にして戻って来ます。
なんか、藪をつついて蛇を出してしまったような予感がします。
戻って来たオークレフトさんは、二つのものをテーブルの上に置きました。
丸っこい物体と紙の筒でした。
オークレフトさんは、先ず丸いガラスの玉のようなモノを手に取り。
「これ、居室用に開発した電灯です。
街灯に使っている放電灯ではなく、電気の抵抗を利用して発光する仕組みになっています。
このガラスの玉の中に、線があるでしょう。
この線に電気を通すと抵抗により発熱して光を放つのです。
これを各家庭とまではいきませんが、主要な建物に設置するとすると。
かなりの電気をくいますので、発電所の新設が必要だと思ってました。」
私はオークレフトさんの話を聞き、肩の力を抜きました。
身構えるほどのものでなくて良かったです。
と言うよりも、私が待ちかねていたものです。
シューネフルトの新市街に造ったホテル、あの建物に電灯は設置してありません。
突貫工事で開業に漕ぎつけたため、電線を引くのが間に合いませんでした。
しかも、オークレフトさんが現在手掛けている放電灯は、客室には向きません。
バチバチと煩い放電音がするうえ、眩しすぎるものですから。
精々が天井が高いロビーやダイニングルームくらいにしか使えないのです。
なので、無理せずに電灯の設置は諦めました。
ですが、ホテルの内部を見ていますと、…。
近代的なホテルに前近代的なオイルランプが何かしっくりこないのです。
ホテルが完成して以降、いつかこのホテルに電気の明かりを灯したいと常々考えていたのです。
「それは、素敵な計画ですわ。
ぜひその電灯を完成させてください。
シューネフルトの新市街に建設したホテルに設置したいと思います。」
私がそう言うと、オークレフトさんはニッコリ笑ってもう一つの紙の筒を広げました。
「シャルロッテ様ならそうおっしゃると思っていました。
ついては、ホテルまで電線をどう敷設するかですが。
これをカロリーネ殿下に売り込もうと思います。
新市街と旧市街を結ぶ地下鉄道です。
これをホテルに面した大通りの地下に通したいと思います。
そのトンネルの中に電線も敷設して、ホテルへ引き込もうかと。」
なんと、オークレフトさんが見せてくれたのは、新市街と旧市街を結ぶ鉄道の敷設計画図でした。
バジリアから引いてくる鉄道の駅予定地を発して、私のホテルの前を通る地下鉄道。
それは、現在、シューネフルトの旧市街に敷設した地下鉄道に合流する形になっています。
「これも良いですね。
ホテルから旧市街まで散歩がてらのんびり歩くには良いのですが。
やはり、けっこう距離があるのですよね。
ホテルの前から電車に乗って旧市街まで行けるのなら、お客さんに喜ばれますね。
しかも、このトンネルの中に送電線を引いてしまおうと言うのは名案だと思います。」
私は、つい、そんな言葉を漏らしてしまったのです。
ええ、まだ、青写真の段階で、実現するのは数年後だと思っていましたから。
すると、オークレフトさんは。
「そうですか、ご承認いただけたようで何よりです。
では、早速、カロリーネ殿下のもとに売り込みに参りましょうか。」
えっ、今、これからですか?
それって、数年先の事では…、だって、その電灯、まだ実験段階なのですよね。
時計工房を任せているジョンさんやホテルを任せているネーナさんはしっかりしているので安心して任せることが出来るのですが…。
ただ一人、機械工房を任せているオークレフトさん、彼だけは目を離すと危ないです。
彼は面倒なことは嫌いなので経理は私に任せてお金は扱いません。
だがら、着服とかの心配はないのです。
何が危ないかと言うと、私に相談もなく突飛な事を始めるのです。
ですから、細目にチェックしていないと、ある日突然新事業を始めるとか言い出し。
準備万端整えて、金を出せと言ってくる恐れがあるのです。
帝都に街灯を設置する事業を終えてから既に二ヶ月、この間、オークレフトさんを野放しにしてしまいました。
また変な事を始めてなければ良いのですが。
シュトロースとキールを結ぶ橋が架け終わった数日後、やっと時間が取れた私は工房へオークレフトさんを訪ねました。
「オークレフトさん、しばらくここへは顔を出せませんでしたが、事業報告を聞かせて頂けますか?」
私が直截に尋ねると。
「アスターライヒの王都に設置した街灯の方は、この二ヶ月間何の故障も無く点灯しているようです。
先日届いたメンテナンス班からの報告書にはそうありました。
発電施設の方も、現時点で稼働している発電機に不具合は起こっておらず問題は無いです。
私がアルビオンの実業家から受注している機械部門はいささか問題が生じていますね。
シャルロッテ様が多忙で、こちらにお見えにならなかったためデリバリーに支障が生じています。」
オークレフトさんが受注して来るのは、織機であったり、紡績機であったりと大型の機械ばかりです。
ここアルム山麓の地はハッキリ言って僻地で交通の便が良い所ではありません。
大型の機械の納入は、全て私の魔法ありきで受注しているのです。
私が転移の魔法でアルビオンの王都にある屋敷に完成した機械を送り。
そこから荷馬車に乗せて搬送する段取りになっています。
私が、この二ヶ月、対プルーシャ公国にかかりきりだったため、それが滞っているそうです。
「約束した納期に遅れて、お客様を待たせるのは良くないですね。
今日と言う訳には参りませんが、数日中にアルビオンへ送ることにしましょうか。」
「いえ、早いに越したことはございませんが。
そんなに慌てることはありません。
幾つか完成している機械があるのですが、何れも納期はまだ先ですから。
完成した機械を納品できないと、こちらの倉庫がいっぱいになって困るだけです。」
オークレフトさんの話ですと、ここは遠隔地で搬送に難があることから、納期の設定の仕方が特殊なのだそうです。
『何日までに』ではなく、『何時から何時までの間に』に納入することなっているそうで。
オークレフトさんは、早め早めに仕事を片付けることにしているため、どれもまだ余裕があるそうです。
まあ、オークレフトさんの工房には、煩悩を刺激してあげれば馬車馬のように働く者が多いですからね。
仕事も早く片付くことでしょうよ。
一通り、報告を聞く限り、私に内緒で新しいことを考えていると言う気配はなさそうです。
私は、一安心して、こちらからの報告に移ることにしました。
********
「実は先日、プルーシャ公国の撃退にあたり内々に協力した謝礼を頂きました、クラーシュバルツ王から。
その内容は、『ホテル』と『水力発電所』の用地十ヶ所を合計二万エーカーの範囲内で頂けると言うものです。
『水力発電所』に関してはオークレフトさんの希望や意見を最大限汲みたいと思います。
ご要望があれば言ってくださいね。」
私が先日、ハインツ王から頂けることとなった謝礼の件をオークレフトさんに伝えると。
「それは、有り難いですね。
シャルロッテ様が考えてらっしゃるアルム地方に鉄道を敷く計画。
あれの実現のためには大規模な発電施設が幾つも必要になると思っていました。
十個の物件中、『ホテル』と『水力発電所』の割り振りをどうなさるかは知りませんが。
一つでも、二つでも、建設用地に目途が付くのは良い事です。
そうですか、発電所が増設できますか。
なら、あれが、出来るかな?」
オークレフトさんは、やおら私の前から立ち上がると執務机へ戻り、何かを手にして戻って来ます。
なんか、藪をつついて蛇を出してしまったような予感がします。
戻って来たオークレフトさんは、二つのものをテーブルの上に置きました。
丸っこい物体と紙の筒でした。
オークレフトさんは、先ず丸いガラスの玉のようなモノを手に取り。
「これ、居室用に開発した電灯です。
街灯に使っている放電灯ではなく、電気の抵抗を利用して発光する仕組みになっています。
このガラスの玉の中に、線があるでしょう。
この線に電気を通すと抵抗により発熱して光を放つのです。
これを各家庭とまではいきませんが、主要な建物に設置するとすると。
かなりの電気をくいますので、発電所の新設が必要だと思ってました。」
私はオークレフトさんの話を聞き、肩の力を抜きました。
身構えるほどのものでなくて良かったです。
と言うよりも、私が待ちかねていたものです。
シューネフルトの新市街に造ったホテル、あの建物に電灯は設置してありません。
突貫工事で開業に漕ぎつけたため、電線を引くのが間に合いませんでした。
しかも、オークレフトさんが現在手掛けている放電灯は、客室には向きません。
バチバチと煩い放電音がするうえ、眩しすぎるものですから。
精々が天井が高いロビーやダイニングルームくらいにしか使えないのです。
なので、無理せずに電灯の設置は諦めました。
ですが、ホテルの内部を見ていますと、…。
近代的なホテルに前近代的なオイルランプが何かしっくりこないのです。
ホテルが完成して以降、いつかこのホテルに電気の明かりを灯したいと常々考えていたのです。
「それは、素敵な計画ですわ。
ぜひその電灯を完成させてください。
シューネフルトの新市街に建設したホテルに設置したいと思います。」
私がそう言うと、オークレフトさんはニッコリ笑ってもう一つの紙の筒を広げました。
「シャルロッテ様ならそうおっしゃると思っていました。
ついては、ホテルまで電線をどう敷設するかですが。
これをカロリーネ殿下に売り込もうと思います。
新市街と旧市街を結ぶ地下鉄道です。
これをホテルに面した大通りの地下に通したいと思います。
そのトンネルの中に電線も敷設して、ホテルへ引き込もうかと。」
なんと、オークレフトさんが見せてくれたのは、新市街と旧市街を結ぶ鉄道の敷設計画図でした。
バジリアから引いてくる鉄道の駅予定地を発して、私のホテルの前を通る地下鉄道。
それは、現在、シューネフルトの旧市街に敷設した地下鉄道に合流する形になっています。
「これも良いですね。
ホテルから旧市街まで散歩がてらのんびり歩くには良いのですが。
やはり、けっこう距離があるのですよね。
ホテルの前から電車に乗って旧市街まで行けるのなら、お客さんに喜ばれますね。
しかも、このトンネルの中に送電線を引いてしまおうと言うのは名案だと思います。」
私は、つい、そんな言葉を漏らしてしまったのです。
ええ、まだ、青写真の段階で、実現するのは数年後だと思っていましたから。
すると、オークレフトさんは。
「そうですか、ご承認いただけたようで何よりです。
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