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第13章 何も知らない子供に救いの手を
第343話 意識を変えるのはなかなか難しいです
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翌朝、精霊神殿の前庭を借りて臨時診療所を開設するために精霊神殿にやってきた。
すると、精霊神殿前の掃除を終えたネルちゃんが早速やってきた、何でわたしはこんなに懐かれているんだろう。
「ターニャお姉ちゃん、また来てくれたんだ。ネルとの約束、ちゃんと守ってくれたんだね。」
期待しているところ悪いけど今日は遊んであげられないんだ。
「ごめんね、ネルちゃん。今日はここで怪我をした人や病気の人を診てあげないといけないの。
後とで少し精霊神殿の中にも顔を出すけど、遊んであげる時間はないんだ。
また今度来るから、遊ぶのはそのときね。」
するとネルちゃんは別に気落ちした様子もなくニコニコとして言う。
「そうなんだ、でも遊んでくれなくても良いの。ネルもここで、ターニャおねえちゃんと一緒にいちゃダメ?」
そんな、上目遣いで見られたらダメといえないじゃない。
「いても良いけど、見ていて楽しいものじゃないよ。
孤児院でみんなと一緒に遊んだ方が良いんじゃない?」
「いいの、ネル、ターニャお姉ちゃんと一緒にいる!」
本当にどうしてこんなに懐かれたんだろう?
この子と最初に話したのは孤児を乗せたピオニール号がポルトの港に着く時だよね。
たしか、ポルトの町で孤児が虐められるんじゃないかと怯えていたのを宥めたんだよ。
まさか、おチビちゃん達みたいにわたしのマナに吸い寄せられている訳じゃないよね。
**********
こうして、わたしが訪れる人を診ている間、天幕の隅っこでザイヒト皇子とネルちゃんはひそひそと何かを話しながらわたしが治癒術を使う様子を眺めていたの。
そして、訪れる人が途絶えたときのこと、ザイヒト皇子の呟きが耳に届いた。
「しかし、ポルトに来る途中の町でも思ったが、見事に治癒術を使いこなすものだな。
『色なし』にこのようなことが出来るなどとは思いもしなかった、まるで夢でも見ているようだ。
吾が今まで教えられてきたのは何であったのだろうか?」
少しは今まで自分が受けてきた教育に疑問を感じてくれたのかな。
まあ、教義に反する存在は無いことにしてしまえと言わなくなっただけましと考えよう。
わたしがザイヒト皇子のことを考えていると唐突にネルちゃんがいった。
「ねえ、ターニャお姉ちゃん、リリちゃんも治癒術が使えるようになったんだよね。
ネルも、治癒術を使えるようになれないかな?」
栗毛色の髪を持つネルちゃん、これだけでも精霊と言葉を交わせそうにないのがわかる。
可哀想だけどわたし達の力は使えないね、ただ、創世教の治癒術についてはわたしには分からない。
資質が分かるのはネルちゃんの年頃よりもう少し大きくなってかららしいしね。
「ゴメンね、ネルちゃん。わたし達の使う治癒術はネルちゃんには使えないの。
ネルちゃんはなんで治癒術が使いたいと思ったの?」
ネルちゃんはあからさまに気落ちした様子で答えた。
「うんとね、前住んでいたスラムで病気せいでいなくなっちゃったお姉ちゃんがいたの。
ネルに優しかったお姉ちゃんが病気で凄いお熱を出したと思ったらいなくなっちゃったの。
もう帰ってこないって、みんなが悲しそうに言ったの。
ネルが治癒術を使えればあんな悲しいことが起きないかなと思って。」
やばい、聞くんじゃなかった。
そうだよね、あのスラムにいて全員無事だったと思う方が間違いだよね。
「ねえ、ネルちゃん。
ネルちゃんはわたし達が使ってる治癒術は使えないけど、病気を治す方法は治癒術だけじゃないのよ。
いま、ミルトおばさんが魔法に頼らないで病気や怪我を治す方法を広めようとしているの。
ネルちゃんが大きくなるまでにはそのための学校が出来るわ。
もし、ネルちゃんが本気で病気や怪我を治せるようになりたいのなら、いっぱい勉強してその学校に入れば良いわ。」
いま、ミルトさんは国による治癒術師の育成を計画している。その中で、従来の創世教による治癒術師の育成方法に、南大陸の進んだ医学の内容を加えようとしているの。
それで、検討を進めていくうちに治癒術師に頼らない南大陸流の医師を併せて育成したほうが良いという結論になってきたの。
今準備している学校は治癒術の素養がある子とそうでない子の複線の課程になる予定なんだ。
ただし、治癒術に頼らない課程は相等難しい学問になるらしく、南大陸でもごく一部の優秀な人だけが学んでいるらしい。この国でも優秀な人材を集める予定にしているみたい。
ミルトさんは常々、飢えと病気から国民を守るのが平時における国の一番大事な仕事だと言っていて、疾病を治せる人を少しでも増やしたいそうだ。
わたしがネルちゃんにそのことを教えてあげたら、ネルちゃんが目を輝かせて尋ねてきた。
「それ本当?」
「ええ、本当よ。もっと知りたいのならば、これが終ったらミルトおばさんに話を聞いてみれば良いわ。」
「うん、ミルトおばさんって、皇太子様のお妃様だっけ。
後で、聞いてみる!」
ネルちゃんは満面の笑顔で答えた、ネルちゃんの願いが叶うといいね。
**********
ザイヒト皇子は、ネルちゃんとわたしの会話に、何か引っかかる事があったようで尋ねてきたの。
「国民を飢えと病気から守るのが国の一番大事な仕事?
平時における国の一番大事な仕事は、国に逆らう者を押さえつけて国の平穏を保つことではないのか?
吾はそう聞いておるぞ。」
「昨日、ビクトーリアさんが言ってたじゃない。
食べ物に困らなくなると人の心は穏やかになって騒乱が減るって。
飢えは国に対する不満が高まる一番の原因だよ。
それに、飢えと病気は密接に関係しているんだよ。」
わたしは、流行病が発生すると働き手が病気で倒れたりして農業生産力が落ちて飢えにつながること、逆に凶作による飢饉が発生すると飢えで体力が落ちて流行病が発生しやすくなることを教えてあげるとザイヒト皇子は目から鱗のようだったよ。
わたしは農村部にロクな灌漑施設も整えずに高い税を課していることが、国に不満を持つ人が増える原因だと教えた。
食糧生産能力向上のために施設の整備をしたり、貴族の取り分を減らして農民の生活を安定させる方が国を平穏に治めることが出来ると言ったのだが、ザイヒト皇子は理解できたのだろうか。
「おまえは、国の平穏を保つのに武力は要らぬと申すのか?
それは、今までの帝国のやり方を全て否定するようなものだぞ。」
何もそこまでは言っていないよ、極端だな…。
小国が分立し戦いが繰り返されていたのを平定するため武力を使ったのは否定する気はないし、武力は全く要らないとは言わないよ。
要は程度問題なのに何でそれを理解できないのかな。
どのくらいが適切か分からないけど、例えば軍の予算を半分減らして食糧生産に充てろと言っているだけじゃない。
「軍の予算を削って百姓のために充てろだなんて、軍閥貴族が認める訳がない。」
なんで、こいつはごく自然にお百姓さんを見下すように言うのかな、失礼なやつだな。
誰のおかげでご飯が食べられると思っているの。
この辺の意識はどうすれば変えさせることが出来るのだろうか…。
すると、精霊神殿前の掃除を終えたネルちゃんが早速やってきた、何でわたしはこんなに懐かれているんだろう。
「ターニャお姉ちゃん、また来てくれたんだ。ネルとの約束、ちゃんと守ってくれたんだね。」
期待しているところ悪いけど今日は遊んであげられないんだ。
「ごめんね、ネルちゃん。今日はここで怪我をした人や病気の人を診てあげないといけないの。
後とで少し精霊神殿の中にも顔を出すけど、遊んであげる時間はないんだ。
また今度来るから、遊ぶのはそのときね。」
するとネルちゃんは別に気落ちした様子もなくニコニコとして言う。
「そうなんだ、でも遊んでくれなくても良いの。ネルもここで、ターニャおねえちゃんと一緒にいちゃダメ?」
そんな、上目遣いで見られたらダメといえないじゃない。
「いても良いけど、見ていて楽しいものじゃないよ。
孤児院でみんなと一緒に遊んだ方が良いんじゃない?」
「いいの、ネル、ターニャお姉ちゃんと一緒にいる!」
本当にどうしてこんなに懐かれたんだろう?
この子と最初に話したのは孤児を乗せたピオニール号がポルトの港に着く時だよね。
たしか、ポルトの町で孤児が虐められるんじゃないかと怯えていたのを宥めたんだよ。
まさか、おチビちゃん達みたいにわたしのマナに吸い寄せられている訳じゃないよね。
**********
こうして、わたしが訪れる人を診ている間、天幕の隅っこでザイヒト皇子とネルちゃんはひそひそと何かを話しながらわたしが治癒術を使う様子を眺めていたの。
そして、訪れる人が途絶えたときのこと、ザイヒト皇子の呟きが耳に届いた。
「しかし、ポルトに来る途中の町でも思ったが、見事に治癒術を使いこなすものだな。
『色なし』にこのようなことが出来るなどとは思いもしなかった、まるで夢でも見ているようだ。
吾が今まで教えられてきたのは何であったのだろうか?」
少しは今まで自分が受けてきた教育に疑問を感じてくれたのかな。
まあ、教義に反する存在は無いことにしてしまえと言わなくなっただけましと考えよう。
わたしがザイヒト皇子のことを考えていると唐突にネルちゃんがいった。
「ねえ、ターニャお姉ちゃん、リリちゃんも治癒術が使えるようになったんだよね。
ネルも、治癒術を使えるようになれないかな?」
栗毛色の髪を持つネルちゃん、これだけでも精霊と言葉を交わせそうにないのがわかる。
可哀想だけどわたし達の力は使えないね、ただ、創世教の治癒術についてはわたしには分からない。
資質が分かるのはネルちゃんの年頃よりもう少し大きくなってかららしいしね。
「ゴメンね、ネルちゃん。わたし達の使う治癒術はネルちゃんには使えないの。
ネルちゃんはなんで治癒術が使いたいと思ったの?」
ネルちゃんはあからさまに気落ちした様子で答えた。
「うんとね、前住んでいたスラムで病気せいでいなくなっちゃったお姉ちゃんがいたの。
ネルに優しかったお姉ちゃんが病気で凄いお熱を出したと思ったらいなくなっちゃったの。
もう帰ってこないって、みんなが悲しそうに言ったの。
ネルが治癒術を使えればあんな悲しいことが起きないかなと思って。」
やばい、聞くんじゃなかった。
そうだよね、あのスラムにいて全員無事だったと思う方が間違いだよね。
「ねえ、ネルちゃん。
ネルちゃんはわたし達が使ってる治癒術は使えないけど、病気を治す方法は治癒術だけじゃないのよ。
いま、ミルトおばさんが魔法に頼らないで病気や怪我を治す方法を広めようとしているの。
ネルちゃんが大きくなるまでにはそのための学校が出来るわ。
もし、ネルちゃんが本気で病気や怪我を治せるようになりたいのなら、いっぱい勉強してその学校に入れば良いわ。」
いま、ミルトさんは国による治癒術師の育成を計画している。その中で、従来の創世教による治癒術師の育成方法に、南大陸の進んだ医学の内容を加えようとしているの。
それで、検討を進めていくうちに治癒術師に頼らない南大陸流の医師を併せて育成したほうが良いという結論になってきたの。
今準備している学校は治癒術の素養がある子とそうでない子の複線の課程になる予定なんだ。
ただし、治癒術に頼らない課程は相等難しい学問になるらしく、南大陸でもごく一部の優秀な人だけが学んでいるらしい。この国でも優秀な人材を集める予定にしているみたい。
ミルトさんは常々、飢えと病気から国民を守るのが平時における国の一番大事な仕事だと言っていて、疾病を治せる人を少しでも増やしたいそうだ。
わたしがネルちゃんにそのことを教えてあげたら、ネルちゃんが目を輝かせて尋ねてきた。
「それ本当?」
「ええ、本当よ。もっと知りたいのならば、これが終ったらミルトおばさんに話を聞いてみれば良いわ。」
「うん、ミルトおばさんって、皇太子様のお妃様だっけ。
後で、聞いてみる!」
ネルちゃんは満面の笑顔で答えた、ネルちゃんの願いが叶うといいね。
**********
ザイヒト皇子は、ネルちゃんとわたしの会話に、何か引っかかる事があったようで尋ねてきたの。
「国民を飢えと病気から守るのが国の一番大事な仕事?
平時における国の一番大事な仕事は、国に逆らう者を押さえつけて国の平穏を保つことではないのか?
吾はそう聞いておるぞ。」
「昨日、ビクトーリアさんが言ってたじゃない。
食べ物に困らなくなると人の心は穏やかになって騒乱が減るって。
飢えは国に対する不満が高まる一番の原因だよ。
それに、飢えと病気は密接に関係しているんだよ。」
わたしは、流行病が発生すると働き手が病気で倒れたりして農業生産力が落ちて飢えにつながること、逆に凶作による飢饉が発生すると飢えで体力が落ちて流行病が発生しやすくなることを教えてあげるとザイヒト皇子は目から鱗のようだったよ。
わたしは農村部にロクな灌漑施設も整えずに高い税を課していることが、国に不満を持つ人が増える原因だと教えた。
食糧生産能力向上のために施設の整備をしたり、貴族の取り分を減らして農民の生活を安定させる方が国を平穏に治めることが出来ると言ったのだが、ザイヒト皇子は理解できたのだろうか。
「おまえは、国の平穏を保つのに武力は要らぬと申すのか?
それは、今までの帝国のやり方を全て否定するようなものだぞ。」
何もそこまでは言っていないよ、極端だな…。
小国が分立し戦いが繰り返されていたのを平定するため武力を使ったのは否定する気はないし、武力は全く要らないとは言わないよ。
要は程度問題なのに何でそれを理解できないのかな。
どのくらいが適切か分からないけど、例えば軍の予算を半分減らして食糧生産に充てろと言っているだけじゃない。
「軍の予算を削って百姓のために充てろだなんて、軍閥貴族が認める訳がない。」
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