心霊整体師 東條ちずる

nori-neko

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きぬの死

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  「はい。」
  「もちろん、今から話すこと、信じられなくてもいいから聞いてもらいたい。」
  「はい。」
  「ちずるの産まれた8月17日は観音菩薩様のご祥月命日なんだよ。」 
  「えー、そうなんですか」
  「もちろん、8月17日に産まれてきた子供は他にもいる。でも、全部が全部霊能力を与えられた子供たちかと
   言うと、そうではない。何人かの子供にはいるかもしれないけど、ちずるはもっとも地位の高い魂の存在
   から、選ばれた子なんだ。それだけに、ちずるの命を狙うものもいる。」
  「えー、それって、どういう事ですか?」
  「あんた。魔物の存在を信じるかい。」
  「いや、そういった者を見たことないものですから。」
  「でも、奴らは確かにいるんだよ。あんたのような普通の人には見えないけぢね。奴らはこの人間界で魂の存在
   となって、悪さばかりしている。その為、役目あるものはそいつらをあの世に送り、浄化させねばならない
   。だけど、奴らはとても手強い。その為何人もの役目者の命が奪われてきたことか。現にこの私も、危ない
   目に何度もあわされたよ。それでも、その都度、最強の霊界からの力によって救われてきた。だからこの
   歳になるまで、生き延びてこられたんだ。」
  「あの、そう言う話は大変失礼な事を申しあがますが、想像の世界の話ではないのですか?」
  「だからさっき、言ったよね。信じられなくても聞いてくれって」
  「はい・」
なみえはきぬの話を聞いて、何故か怖くなって、もう聞きたくないと言う気持ちになっていた。だがきぬは、そんな
なみえの気持ちを知りながらも話を続けた。
  「ちずるは私よりも、もっとさらに強い能力を頂いてきている。なぜなら、この世の全ての魔物を浄化させねば
   ならない役目があるからね。だから、ちずるが大人になるまで、よく注意をしてちずるを守ってやってほしい
   頼みますなみえさん。」
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