私を勝手に皇后にしないでください

上野佐栁

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入学式

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 アーンラスト王国の襲撃を見事、撃退する事に成功した私達。あの日から一年近く経ち。私は、いや私達はフェラーリ学園の試験も無事に突破して、今日は入学式だ。
 「三人で入学出来て嬉しいよ‼︎」
 「私も嬉しいよ‼︎」
 「あの地獄のような勉強も報われた‼︎」
 「コンラン卿はなにを言いたいの⁇」
 「私も知らない」
 「イブ‼︎」
 「プロキオン‼︎」
 ギュッ
 「会って早々、抱きつくなよなぁ。見ているこっちが恥ずいわ‼︎」
 「うるせー‼︎」
 「なによ。私の方が、プロキオン様に相応しいのに......」
 「あんた生意気ですわよ‼︎」
 「は?誰⁇」
 「私は、ヌーザンガ王国の第三皇女の、グリース.テト.ヌールよ‼︎」
 「ごめんなさい。知らない」
 「何ですってえええええええええええ‼︎」
 「まさか、私を知らない方が居るなんてありえませんわよ‼︎」
 「......イブ行こっか。」
 「うん」
 「お待ちさない‼︎」
 「まだ、なんかあるすんか⁇」
 「まあ‼︎なんで失礼な方なのですの‼︎どんな教育を受ければこんな野蛮人に成り下がりますの⁇」
 「言わせておけば......」
 「コンラン卿待って‼︎」
 「なんでだよ‼︎」
 「グリースさん。貴方、本当に貴族⁇」
 「は?はあああ!?あんたねー、私を愚弄する気ですの⁇」
 「だって、嫌味全開で、突っかかって来るんだもん。ハッキリ言って、うざいなって思ったよ」
 「なんなんですの⁇あの小娘は‼︎」
 「あんたと私は、三歳違いでしたね⁇ごめんさね。こんな小娘で‼︎」
 「ぐぬぬぬぬぬぬ‼︎覚えておきなさい‼︎私をよくも侮辱してくれましたわね‼︎絶対に許しませんことよ‼︎」
 しーん
 「なんだ?あの子偉そうね」
 「俺達よりも年下じゃん」
 「うっざー」
 「入ってばかりで揉め事起こすなよなぁ」
 「また、私を侮辱しわたね‼︎」
 「いやいやいや‼︎私、なにも言ってないよ⁇」
 「それでもこの恥を欠かせたことは一緒恨みますわよ‼︎」
 そう言って、グリースさんは去って行った。
 「なんだったんだろ⁇」
 「イブも大変だな?」
 「そうだね」
 夜
 コンコン
 ガチャ
 「い、イブ!?何で此処に居るんだ!?誰かに見つかったらどうするんだよ‼︎」
 「平気だよ。未来予知で動き把握してるもん‼︎」
 「相変わらずだな。まぁ、入れよ‼︎」
 「うん」
 「大したもんないぞ‼︎」
 「いいよ。プロキオンが居るだけで、私満足だよ‼︎」
 「ば、ばかっ‼︎恥ずかしい事をベラベラ言うなよな‼︎」
 「プロキオン‼︎」
 チュッ
 「ん!?」
 「ごめん。我慢出来なかった」
 「おまっ、こういうのは普通は男からやるんだよ‼︎」
 「そうだね。じゃあ、チューして⁇」
 「え?」
 「駄目?」
 「そんなに目をキラキラさせないでくれよおおおおおお‼︎わかったよ‼︎やるよ‼︎やらせてください‼︎」
 「うん」
 チュッ
 まるで、乾いた地面が水で湿みたいに、優しく満たされていく。私は、この学園で、プロキオンの側にずっと居る。そう思っていた。あの事件が起きるまでは......。
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