怪物と言われた皇太子のメイドになります

願う心

　殿下が倒れて数日が経過した。
　「お願い。なんでもするから殿下を......ルーブスの呪いを解いて‼︎」
　願っても何も変わらない。でも私に出来ることは祈ることしかないのだから。
　更に数日が経過
　なんで?なんでこんなにも酷いの?どうして殿下ばかり傷付かなきゃいけないの?
　「......あ」
　駄目。眠気が......此処最近まともに寝ていなかった。もう瞳を普通に見せる魔法すら保てない。
　「......」
　「......リア......マリア‼︎」
　「は！？」
　私一体どのぐらい寝てたの?
　「殿下は！？」
　「何を言ってるんだ。俺は此処に居るぞ」
　「で、殿下⁇」
　「ん?」
　ギュウウウウ
　「殿下！良かった。良かったです！今回はもう二度と目を覚まさないんじゃないかって心配だったんです。殿下が目を覚ましてくれてとても嬉しいです。うわああああん‼︎」
　「わ、わかったから手を退けろ！苦しい」
　「す、すみません」
　「いや。お前に抱きつかれるのは不思議と嫌な感じはしない」
　ボケー
　「な、なんだよ?」　
　「殿下がとても可愛らしくて......」
　「はっ！？お前の方が可愛いわ！馬鹿！」
　キュン
　か、か、か！可愛い‼︎殿下の耳まで真っ赤だ！やばい！殿下が可愛すぎて私がどうにかなりそう。
　「んだよ⁇言いたいことがあるなら言え」
　「クスッ。殿下が少しでも元気になってくださるように私頑張ります」
　そう。私の役目は殿下のお世話。これ以上こ期待をしてはいけない。だって私と殿下は結ばれる運命ではないのだから。だから殿下には幸せになってほしい。それまでは私は貴方のお側に居させてください。
　「殿下。お食事に至りますか?」
　「うーん。そうだな......」
　ぐぅー　
　「あ......」
　なんでこんな時に私のお腹が鳴っちゃうの！？やばい。今すぐにこの場を離れたい！消えて無くなりたい‼︎誰か私をぶん殴って‼︎
　「ぷっ！ぷあははは‼︎おめえのお腹が鳴ってどうする?俺と一緒にご飯にしよう。お前と一緒に食べたい」
　「え?えええええええええええええええ！？」
　殿下とご飯！？私、貴族のマナーなんて知らない‼︎だから助けて。
　食堂
　結局押し切られた。
　遡ること数分前
　「だ、駄目ですよ！私はメイドですから」
　「いいや。俺と一緒に食事にしろ。これは命令だ」
　「ゔっ！はい」
　命令って言われたら従うしかないんだよね。私はメイド。殿下は主人。だからこのとてつもない圧に耐えながら！
　殿下と陛下と皇后と皇妃の間に居ます。
　これは死ぬ！胃もたれ百パーセント‼︎これは新しい死亡フラグですか！？