僕って不幸体質なんですか

上野佐栁

文字の大きさ
上 下
12 / 13

反撃その2

しおりを挟む
 「......グスン。ロス、何その格好⁇」
 「へ?」
 自分の姿をまじまじと改めて見ると、ドレスはボロボロ、あっちこっちに傷が出来て、胸元の部分が破れそうになっているのでパットが見せそうだ。
 「わあああああああ!?」
 「あんたやっぱり......女?」
 「少しは躊躇うそぶりを見せてくれたっていいじゃないかよ‼︎」
 「だって......私とよりも可愛いんだもん」
 「やめて‼︎汚れた僕に可愛いなんて言わないで‼︎」
 「じゃあ、愛らしい」
 「それもほとんど同じ意味だよ‼︎」
 「はいはい」
 「くそ!こいつ男かよ‼︎しかもあいつ......俺達が取り逃した奴だ‼︎」
 「ノエル‼︎立って。此処から逃げるよ」
 「うん」
 「エーテルニディア‼︎あとは頼んだよ」
 「我に任せろ‼︎」
 バサッドンバキッ
 「は?」
 「て、天井が崩壊し始めた!?」
 「ロス‼︎こっちに‼︎」
 「ぎゃああああああ!?」
 ボロッ
 「いてて。ノエル無事?」
 「うん。何とかね。いたた」
 「床に穴が開いててよかった」
 「ほんとね」
 「エーテルニディアやりすぎだよ」
 「我のせいではない。それに我は力を発動する前だぞ‼︎」
 あぁ。多分不幸体質のせいで、起きるはずのない事が起きたんだろ。ちょっと、天井を、エーテルニディアが触っただけで、天井が崩れた。つくづく運がない。そう思った。
しおりを挟む

処理中です...