愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

文字の大きさ
7 / 145

暴走の誕生日パーティー

しおりを挟む
 「皇帝陛下に煌めく星々の祈りを捧げます」
 「うむ」
 「......皇帝陛下に煌めく星々の祈りを捧げます」
 どうよ。この自然な笑顔。本当は会いたくもないけど、前に進む為にはこの試練を乗り越える!
 「ラティス.ハンル.モールドお誕生日おめでとう」
 相変わらず冷たい笑顔ね。
 「ありがとうございます。陛下に祝われて嬉しいです」
 「そうか。実はな、もう一人の娘、アリアスを連れて来た。歳離れているが仲良くしてやってくれ」
 来た。
 「......はい」
 何処に居るの?普通は陛下が挨拶したらすぐに出て来るものだけど、アリアスは危険。
 「おい。あんま警戒しすぎるなよ?怪しまれるぞ」
 「......わかってる」
 とりあえずテラスに行こう。
 「こんにちは」
 ドキッ
 この声は間違えない。アリアスだ。
 「アリアス皇女様に煌めく星々の祈りを捧げます」
 アリアス......私は貴方のことが嫌い。本当に嫌い。何もかも奪っておきながら平然としているその姿さえ妬ましい。
 「クスクス。ラティス.ハンル.モールド......いいえ、ニーアス.サン.アイ.サーンドル‼︎お久しぶりね。生まれ変わってよかったね?」
 「......え?」
 なんで?なんで知ってるの?私はまだ、誰にも言ってないのに......。
 「ど、どなたかと勘違いしているのでは?」
 「五歳の子供にしては大人びている。貴方が、ニーアスだってもう知ってるから。演技はいらない」
 「......そう」
 「それに......あんたが神に愛された子なんて信じないから!」
 「は?」
 「全部奪ってあげる。何もかも友人も家族も誰一人として、あんたにはなにも残らない」
 瞳が赤くなった?今ならくっきりと見える。下に向いた花が憎しみの色へと変わる。
 「......あ」
 どうしよう。此処から早く逃げたいのに......体が動かない。
 「その瞳をまた、消してあげる」
 いや。もう、アリアスに振り回されたくない。
 シュー
 「......風?」
 ボォー
 「きゃあっ!?」
 「アリアス!?大丈夫か?」
 「は、はい」
 「まさか......魔力の暴走⁇」
 あんな目にはもう遭いたくない‼︎
 「なっ......あいつ!」
 バン
 「きゃああ!」
 「このままじゃ、建物が崩壊する!」
 「皆さん!落ち着いて!お......私の言う通りに動いてください‼︎」
 「あれは......大魔法使い?」
 「元の姿に戻したのは良いが......どうやって止めるかだな?」
 ああ。このまま何も無くなれば、何も失わない。いっそ自分の手で何もかも壊してしまおうか。
 「ラティス‼︎」
 この声はお父様⁇
 「ラティス‼︎待っていろ!俺が助けてやるから!」
 私には何も残されていないって思ったのに......こんなにも大切にしてくれる人がまだ残っていたんだ。
 「俺の力じゃ、追い付かない。ラティスの魔法が此処まで強いなんて......」
 今のお父様は危険を顧みずに飛び込んた。
 「私は......」
 「風の勢いが少し弱まった?」
 「ラティス‼︎手を伸ばしてくれ!」
 伸ばしたい。でも......拒絶されたらどうしよう。
 「ラティス‼︎」
 そうか。私自身が壁を作って、勝手に拒絶して、受け入れようとしなかった。手を伸ばしても拒絶はしない。掴んでくれる。
 「......お父様」
 「ラティス」
 ギュッ
 あれ?目の前が赤く染まって行く。これって......目の充血?
 「ゔっ‼︎」
 「ラティス⁇」
 口から血が?吐血なの?
 「ラティス!?」
 目の前が暗い。意識を失いかけているのに痛い。苦しいよ。お父様!もう何もわからなくなった。目の前のお父様ですら見えない。私の意識は闇の中消えて行った。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。 享年は25歳。 周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。 25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

処理中です...