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消えた記憶

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 こんにちは。ラティスです。私はルークの記憶の名の夢を見ていてずっと気を失っていました。だけど、ルークの夢も終わり目覚めるとなった時に衝撃な真実を明かされたのです。
 「君はこの夢から覚めれば君の大事な記憶は消える。代償は君の大事なもの。だから記憶なんだね」
 ルークが勝手に代償を使ってたことで、私は目を覚めた瞬間に記憶を消されるらしい。
 嫌だ!このまま目覚めたくない‼︎皆んなのこともノワールのことも忘れたくない。お父様に愛された記憶も全部大切な宝物なのに......なのにどうしてこうなったの?誰かこの代償を打ち消して。
 「うぅっ!」
 「え⁇」
 「此処は......」
 「ラティス!?」
 「ノワ......ゔっ!」
 ドサッ
 「ラティス!?」
 「......駄目」
 「ラティス⁇」
 「消え......ないで。私の大切な宝物なの。だから消えないで......忘れたくない」
 「おいラティス⁇どうしたんだよ⁇」
 「......いや。いやああああああああ!?」
 「!?」
 ドドドドバーン
 「ラティス!?」
 「ノワール‼︎ラティスどうしちゃったの⁇」
 「わからない。起きたらいきなり叫んで......」
 「......」
 「ラティス大丈夫か⁇」
 「......」
 「ラティス⁇」
 じぃー
 「あ、あのラティス⁇どうした⁇」
 「貴方......誰⁇」
 「......」
 「何言っているの⁇ノワールじゃない。大魔法使いのノワールだよ」
 「ノワール⁇誰⁇それに貴方達は一体......」
 「どうゆーこと⁇」
 「あっ!お父......陛下」
 「何その反応⁇」
 「ラティス‼︎体に異常はないか⁇」
 「あ、あのどちら様ですか⁇」
 「何を言っている。俺はラティスの父親だ」
 「父親⁇貴方がですか⁇陛下ではなく、貴方が⁇」
 「さっきから聞いてるとまるで、転生後の記憶が消えたかのように......」
 「あ、アリアス!?なんでそんなに大きいの⁇貴方まだ七歳よね⁇」
 「え⁇違うけど⁇私はもう十八だよ⁇」
 「えっ⁇ええええええええええええ!?何がどうなっているの?私冬眠でもしていたの!?」
 「いやいやいや。ラティスは一度死んで転生したんだよ」
 「私が転生⁇」
 その時、陛下に言われたことが脳裏によぎる。
 「お、お父様......」
 「無礼者め。余をそのような呼び方をするな」
 「......え?私は貴方のたった一人の娘ですよ?」
 「娘?はっ?笑わせるな!其方を娘だと思った事はないと何度言えばわかる?頭の悪いやつだな?アリアスと違って、其方は神に嫌われているんじゃないのか?」
 私は陛下に娘だと思われてなんていない。だって、陛下は私を愛してくださらないのだから。
 「申し訳ありませんが今は一人にしてください」
 「で、でも今は一人にならない方が......」
 「今はひとりにしてって言っているのよ!出て行って!」
 「ち、ちょっ!ラティス!僕のこともわからないの?」
 「貴方方なんて知りません!出て行ってください‼︎」
 バタン
 「......追い出されちゃった」
 「ラティスどうしたんだろ⁇」
 「まるで記憶を失ったかのように......」
 「ようにじゃなくて失ったんだよ」
 「う、ウリス!?」
 「お前今まで何をしていたんだよ!来るのが遅えんだ!」
 「ごめん。僕にも色々事情があったからね。でもラティスの記憶が消えた件は代償さ」
 「え......」
 その言葉を聞いた全員がその場で固まったのであった。
 「......もうあの計画は動き始めている。誰にも止められない。もう一度この世界をリセットするまでは止まれない。止まらない。ねぇ?そうしでしょ⁇ラティス.ハンル.モールド」
 
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