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日記帳
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前回のあらすじ。姫乃 夢が単独で風華の故郷にやって来たよ。謎の声に謎の地下室。果たしてこの先に何が隠されているのだろうか?
説明以上!
「かなり前になるのに水は溜まっていませんね?」
薄暗いけど、中はしっかりと見える。
ギシギシと音を立てながら下へ降りて行き一冊の本を見つけた。
「これが日記帳?」
あの声が本当のことを言っているとは限らない。警戒しながら調査しよう。
日記帳?のページをパラパラとめくり夢は言葉を失った。
「えっ……」
このことが本当のことなら風華さんは……。
内容はこうだ。
「「二月三日。私の娘、雨晴 風華は実子ではない。前住んでいた村でもテンペストの被害に遭い運良く私たち雨晴家と両親を失った砥部家だけが生き残った。しかし瓦礫の上にポツンと赤子が置かれていた。それが風華だ」」
「「四月十七日。私は知ってしまった。風華が誰の子なのかを知ってしまった。風華を養子に迎えて四年後の出来事だ。偶然にも私は風華の実母の情報を手に入れた。それはテンペストの始祖カトリーヌの妹だった。彼女もテンペストだと言うことは風の噂程度だが知っている。テンペストは子供を産めるのだろうか?すでに死んだ人から生まれた子。風華は人間じゃないのかもしれない」」
「「十二月二十日。さらに衝撃を受ける事実を知ってしまった。風華は十二歳を迎えたら死ぬ。それ以上は生きられない。テンペストが殺しに行くからだ。守りたい。私の娘だからだ。たとえ血が繋がっていなくても私の娘だ」」
「「七月七日。風華がテンペスト学園に行きたいと言った。これは好都合だ。テンペスト学園ならテンペストは簡単には手出しはできない。もしかしたら十二を超えても生きられるかもしれない。ひとつの希望が見えてきた」」
「「一月二十七日。風華が死んだ。私は風華を助けられなかった。いや。風華を見殺しにした。あの時、一番そばにいたのは私と彰吾くんだった。なのに私は風華の手足がちぎられてもそれを黙って見ているだけだった」」
「二月二十日。ああ。私ももうすぐで風華や妻の元へ行くだろう。私だけ生き残ってしまった。だから私は死ぬべきなんだ。火に炙られても生き残り誰にも知られずにこの地下室にいる。必死に書いてはいるがそろそろ限界だ。風華は血の繋がりはなく他人だと思われても仕方ない。だけど、私の可愛い娘だった。風華を見殺しにした私は死んで当然だ、、、それを見ている君へ。この日記帳はここに置いておく。地下室の鍵を開けておく。どうか。風華がテンペストに堕ちてしまっても殺さないでくれ。私の愛娘を殺さないで。ああもうページが埋まる。続きは他の日記帳に書くとしよう。テンペストの始祖の弱点を書くとしよう」
その文字を最後にページは終わっていた。
「これが風華さんの秘密。風華さんが本当にテンペストから生まれてきたとしても風華さんは悪くない。風華さんは人を守ろうとしている立派なお方です」
どんな過去があっても誰から生まれ落ちようとも関係ない。風華さんは風華さんだ。
「「続きの日記帳は東の森にあるよ。私が埋めたから」」
またあの声が聞こえてきた。
埋めた?東の森?
「「そこはかつて人が死んだ森。血に染まった森。だけど、あなたならそこに行っても大丈夫な気がするの。私は髪飾りに閉じ込めた想いをただ伝えるだけ」」
振り向いても誰もいない。これは心霊現象みたいなもの?思念?かもしれない。
まだまだわからないことだらけな風華の出生の秘密。それをさらに探るべく東の森に行く夢なのであった。
説明以上!
「かなり前になるのに水は溜まっていませんね?」
薄暗いけど、中はしっかりと見える。
ギシギシと音を立てながら下へ降りて行き一冊の本を見つけた。
「これが日記帳?」
あの声が本当のことを言っているとは限らない。警戒しながら調査しよう。
日記帳?のページをパラパラとめくり夢は言葉を失った。
「えっ……」
このことが本当のことなら風華さんは……。
内容はこうだ。
「「二月三日。私の娘、雨晴 風華は実子ではない。前住んでいた村でもテンペストの被害に遭い運良く私たち雨晴家と両親を失った砥部家だけが生き残った。しかし瓦礫の上にポツンと赤子が置かれていた。それが風華だ」」
「「四月十七日。私は知ってしまった。風華が誰の子なのかを知ってしまった。風華を養子に迎えて四年後の出来事だ。偶然にも私は風華の実母の情報を手に入れた。それはテンペストの始祖カトリーヌの妹だった。彼女もテンペストだと言うことは風の噂程度だが知っている。テンペストは子供を産めるのだろうか?すでに死んだ人から生まれた子。風華は人間じゃないのかもしれない」」
「「十二月二十日。さらに衝撃を受ける事実を知ってしまった。風華は十二歳を迎えたら死ぬ。それ以上は生きられない。テンペストが殺しに行くからだ。守りたい。私の娘だからだ。たとえ血が繋がっていなくても私の娘だ」」
「「七月七日。風華がテンペスト学園に行きたいと言った。これは好都合だ。テンペスト学園ならテンペストは簡単には手出しはできない。もしかしたら十二を超えても生きられるかもしれない。ひとつの希望が見えてきた」」
「「一月二十七日。風華が死んだ。私は風華を助けられなかった。いや。風華を見殺しにした。あの時、一番そばにいたのは私と彰吾くんだった。なのに私は風華の手足がちぎられてもそれを黙って見ているだけだった」」
「二月二十日。ああ。私ももうすぐで風華や妻の元へ行くだろう。私だけ生き残ってしまった。だから私は死ぬべきなんだ。火に炙られても生き残り誰にも知られずにこの地下室にいる。必死に書いてはいるがそろそろ限界だ。風華は血の繋がりはなく他人だと思われても仕方ない。だけど、私の可愛い娘だった。風華を見殺しにした私は死んで当然だ、、、それを見ている君へ。この日記帳はここに置いておく。地下室の鍵を開けておく。どうか。風華がテンペストに堕ちてしまっても殺さないでくれ。私の愛娘を殺さないで。ああもうページが埋まる。続きは他の日記帳に書くとしよう。テンペストの始祖の弱点を書くとしよう」
その文字を最後にページは終わっていた。
「これが風華さんの秘密。風華さんが本当にテンペストから生まれてきたとしても風華さんは悪くない。風華さんは人を守ろうとしている立派なお方です」
どんな過去があっても誰から生まれ落ちようとも関係ない。風華さんは風華さんだ。
「「続きの日記帳は東の森にあるよ。私が埋めたから」」
またあの声が聞こえてきた。
埋めた?東の森?
「「そこはかつて人が死んだ森。血に染まった森。だけど、あなたならそこに行っても大丈夫な気がするの。私は髪飾りに閉じ込めた想いをただ伝えるだけ」」
振り向いても誰もいない。これは心霊現象みたいなもの?思念?かもしれない。
まだまだわからないことだらけな風華の出生の秘密。それをさらに探るべく東の森に行く夢なのであった。
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