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初仕事

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 「いつまで乗っているの‼︎にん......。」
 「あ、あははは‼︎」
 スタッ
 「えっ!?ちょっと何処行くのよ‼︎話聞いているの⁇ねぇってば‼︎」
 「何あれ?」
 「さ、さあ⁇」
 屋上
 「人間の分際で、魔法使いをこんな所に連れて行くなんて、貴方何様のつもり⁇」
 「ごめんごめん。ついね。」
 「はぁー。」
 「小春、君は一体何しに来たの⁇」
 「貴方には関係ないことよ。」
 「それでも......。」
 バーン
 「何今の音!?」
 「あれは......ゴブリン!?なんでこんな所に‼︎」
 「ファンタジー映画みたいだ‼︎」
 「感想がこれ‼︎って、そこの人間‼︎あれが見えるの⁇」
 「うん。」
 「変わっているわね。」
 「ホウキよ。全力で飛びなさい‼︎」
 「わー。凄い飛んでる‼︎」
 「てか、なんで人間まで付いてくるのよ‼︎」
 「魔法だ‼︎」
 「話聞け‼︎それにこれは一人乗りだから降りてよ‼︎」
 「何処に⁇」
 「木とかにお願いね。」
 「無理‼︎」
 「がぁー‼︎」
 「うわっ!?危なっ‼︎」
 「此処で魔法使って良かったの⁇」
 「時間なら止めてあるから平気‼︎」
 「凄い‼︎」
 「貴方は影響無いのね。」
 「えっ⁇」
 「やっぱり変わってる‼︎」
 「精霊弾‼︎」
 ドン
 「がああああ!?」
 「一気に捕獲して終わらせる‼︎」
 「......っ!?危ない‼︎」
 「えっ⁇」
 スル
 「きゃあああ‼︎」
 ドンッゴンッ
 「いてて。」
 「......。」
 「えっ?駄目ぇぇぇぇ‼︎炎よ、ゴブリンを燃やしなさい‼︎」
 ゴォー
 「がああああ!?ああああ!?」
 「キャプチャー‼︎」
 「がああああ‼︎」
 「捕獲完了‼︎」
 「雄太‼︎」
 「うぅ。」
 頭をぶつけて酷い状態だ。このままだと死んでしまう。
 「しっかりして‼︎(怪我した人間は魔法で治療してはいけない。掟が......でも、雄太は私を庇ってこんなことになったんだから。)」
 「あ、ああ。」
 「雄太の怪我を治して‼︎」
 優しい光に包まれて、雄太の怪我は治って行く。
 「小春⁇」
 「良かった。本当に怪我が治って良かった‼︎うわああん‼︎」
 「えっ?なんで泣いているの?」
 「雄太が怪我をしたから‼︎なんで⁇なんで私を庇ったの⁇あれぐらい避けられたのに。」
 「だって、小春に怪我をして欲しく無かったから。」
 「本当に馬鹿。自分の身ぐらい自分で守れるもん。」
 「わかった。ごめんな。もう泣くなよ。」
 「うるさい。泣いてないもん。グスッ。」
 「泣いてるじゃん‼︎」
 「そんなことないもん。これが初仕事になるなんて最悪だよ‼︎」
 「仕事⁇こんなのと戦うの⁇」
 「そうだよ。これが、私の使命だから‼︎」
 「そっか。早く教室戻ろう。」
 「うぅ。」
 「大丈夫!?」
 「大丈夫。掟破りには罰があるから。」
 「掟⁇」
 「本当は人間の怪我や病気とか治してはいけないんだよね。私はそれを破った。だから罰なの。今日は動けそうに無いな。」
 「ごめん‼︎俺のせいで‼︎」
 「雄太のせいじゃないよ。大丈夫。自分で選んだことだから。」
 「よいしょっ‼︎」
 「わっ!?何しているの⁇」
 「何って家まで送るんだよ。後で、俺が先生に言っておくから。」
 「は、恥ずかしいよ。」
 「我慢しろ‼︎」
 「むっ。」
 「へぇー。あいつ、人間と仲良くするだな。警戒心が無くなれば心を開く。人間らしいな。お前もそう思っているだろ⁇エリーナ.エレガント。」
 
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