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第3章
第28話
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「……なんでオレが…?」
独り言のほうにトホホとタイヨウはつぶやいている。
この、どっからどう見ても不満げな顔をしているのが、ハーレムラブコメの主人公の星のもとに生まれし男、夏目太陽だ。
転校生ヒロインの雨宮鈴花の突然の提案に、先輩ヒロインである西園寺彩夏センパイも乗っかるかたちで剣道お稽古イベントへの参加を命ぜられたハーレムラブコメ主人公タイヨウ。
毎度のことながら、彼を中心にこのハーレムラブコメは回っていると言わざるを得ないご都合主義的展開。
そんな、このハーレムラブコメのメインどころの3人によって今度の土曜日とりおこなわれる剣道お稽古イベントになんとか参加権を得るべく食らいついていく姿勢のオレという男が。
主人公を目指すナイスなガイ。
主人公の親友ポジションこと千尋司なのだが。
そのためには、このイベントに参加せにゃどうにもならない…。
このままでは今回のイベントの参加者が、この3人で締結してしまうので、オレは頭をフル稼働させて作戦をひねりだす。
ふむふむ。
…ならば今回は、非常に遺憾ではあるが『自分が親友ポジションである』ということを逆手に取った作戦で参加権を得てしまおうという考えに至る。
善は急げ、オレは自然な風をよそおい、彼らの会話に参加する。
「お、いいね。じゃあオレ見学行こ~っと」
どうだ!!
この親友ポジションの男がいかにも言いそうな親友ポジ特有のアホみたいな、かる~いノリは!!
まいったか!!このやろー!!!
そもそもタイヨウが雨宮のかわりに剣道の稽古をするということ自体がメチャクチャな、意味不明で理解不能、論理的に破綻した、ラブコメご都合主義の最たるものなのだ。
ここにお友達である親友ポジのオレ様が見学に行くと、かるいノリで言い出しても、なにをとがめられることなどあろうか…!
いやありはしない!!!
いや、むしろラブコメご都合主義的な『主人公を冷やかすその他のギャラリー』というあるあるをキチンと守っている素晴らしき姿である。
そう…!
親友ポジが自分から、その剣道お稽古イベントを見学に行くことを、にぎやかしのギャラリーの役割をかってでることはラブコメ的ジャスティスムーブなのだ。
このオレの見学に行くという提案は十中八九、拒否などされない…!
それにつけ用心深いオレ様でござる。
このラブコメ展開で、急にここだけ冷静になって『いや…キミ関係ないよね?冷やかしならお断りだ。部外者ひっこんでろ』と一般常識を持ち出されて、見学を拒否される可能性もほとんどゼロに近いとは思うが…。
念には念を入れてだ。
『見学行っていいですか?』などという疑問系では無く『見学に行こ~っと』という、勝手に見学に行くことを拒否されない前提で話してしまうという本来であれば、厚かましさ山のごとしのモノの言い方こそが、実はオレの超絶高等テクニックなのだ!
この言い方によって、オレの見学を許可をするしないという問答をすっ飛ばすことができるのだ。
しかも、最悪の場合、見学を拒否されたとしても『行こ~っと』と言いきったことで、当日に無理やりに道場へ押しかけて『えへ、来ちゃった☆』と激ヤバメンヘラ彼女のような暴挙に出てしまえば、激ヤバ変人野郎と思われようが、なし崩し的に見学にこぎつけるだろうという、二段構えの隙のなさ。
主人公の親友ポジってのは、至極全うな常識人か、かわりもんの変人野郎。
主にその2つのどっちかのパターンにわかれると、昔から決まっているのだ。
もし激ヤバ変人野郎と思われてしまったとしても、もともと無いオレの株が下がることは無い。
いつだってオレの株はストップ安なのだ。
主人公というゴールへたどり着くためならば、オレは誰にどう思われようが、アホのふりでも何でもいくらでもしようではないか。
まさに、この方法は【親友ポジション】だからこそできた所業。
天才的な逆転の発想…!
下手に許可など求めてからいけないのである。
そもそもオレが主人公を目指すことにも許可など降りちゃあいない。
いちいち許可を求めていてはラチがあかないのだ。ちなみにこれはラブコメ系の主人公にも同じことが言える。
毎回毎回いちいち、女の子に許可を求めるような男ではラブコメ主人公はつとまらない。
ラブコメには、時として多少の無茶を通してしまうような強引さも必要となる。
そういった意味合いでも。
やっぱりオレは、主人公にぴったりな、さっぱりとした男である。(ばっちりと韻もふめてる)
「あのなぁ、てゆーかオレは行くなんて一言も…」
オレの見学発言に反応したのはタイヨウだった。
まあ巻き込まれ系のハーレムラブコメ主人公には、ありがちな態度だ。
しかし、そんな態度も想定通り。
ここは親友ポジの役割をしっかりと守って、そんなタイヨウの乗り気じゃない態度へは、華麗にスルーかまして、さらにオレのイベント参加を磐石にすべくだめ押しをする。
「野々村も行くだろ?」
「ん?そうだね。楽しそうだね~」
これでもうこのイベントは全員参加のイベントへと発展した。
それならば親友ポジのオレも参加するということに全く違和感は無い。
タイヨウがいくらごねてもイベント確定。
あきらめろラブコメ主人公。
そのうちオレが主人公かわってやるから。
てゆーか今すぐでもいいんだぞ…!?
遠慮とかすんな!??
オレの見学行こ発言には西園寺センパイからもツッコミは入らず、許可の有無は求めなかったものの快く快諾してくれた。
「ウン、そうだな。見学者は多いほうが気も引き締まるしな!」
「オレの話…聞いてない…」
さすがにタイヨウも、話がトントン拍子に進んでいくので白旗をあげたようだ。
すっかり、あきらめの態度にかわって1人でいじけて独り言のようにつぶやいた。
「……やれやれ」
またもや、なんとも主人公っぽいセリフを無意識で言っていやがる…。
オレも言ってみてぇ、そんなセリフ…。
ともあれ、かくしてオレも剣道のお稽古イベントへの参加権ゲットしたのであった。
オレの主人公を目指す旅はまだまだ トゥービーコンティニュー。
独り言のほうにトホホとタイヨウはつぶやいている。
この、どっからどう見ても不満げな顔をしているのが、ハーレムラブコメの主人公の星のもとに生まれし男、夏目太陽だ。
転校生ヒロインの雨宮鈴花の突然の提案に、先輩ヒロインである西園寺彩夏センパイも乗っかるかたちで剣道お稽古イベントへの参加を命ぜられたハーレムラブコメ主人公タイヨウ。
毎度のことながら、彼を中心にこのハーレムラブコメは回っていると言わざるを得ないご都合主義的展開。
そんな、このハーレムラブコメのメインどころの3人によって今度の土曜日とりおこなわれる剣道お稽古イベントになんとか参加権を得るべく食らいついていく姿勢のオレという男が。
主人公を目指すナイスなガイ。
主人公の親友ポジションこと千尋司なのだが。
そのためには、このイベントに参加せにゃどうにもならない…。
このままでは今回のイベントの参加者が、この3人で締結してしまうので、オレは頭をフル稼働させて作戦をひねりだす。
ふむふむ。
…ならば今回は、非常に遺憾ではあるが『自分が親友ポジションである』ということを逆手に取った作戦で参加権を得てしまおうという考えに至る。
善は急げ、オレは自然な風をよそおい、彼らの会話に参加する。
「お、いいね。じゃあオレ見学行こ~っと」
どうだ!!
この親友ポジションの男がいかにも言いそうな親友ポジ特有のアホみたいな、かる~いノリは!!
まいったか!!このやろー!!!
そもそもタイヨウが雨宮のかわりに剣道の稽古をするということ自体がメチャクチャな、意味不明で理解不能、論理的に破綻した、ラブコメご都合主義の最たるものなのだ。
ここにお友達である親友ポジのオレ様が見学に行くと、かるいノリで言い出しても、なにをとがめられることなどあろうか…!
いやありはしない!!!
いや、むしろラブコメご都合主義的な『主人公を冷やかすその他のギャラリー』というあるあるをキチンと守っている素晴らしき姿である。
そう…!
親友ポジが自分から、その剣道お稽古イベントを見学に行くことを、にぎやかしのギャラリーの役割をかってでることはラブコメ的ジャスティスムーブなのだ。
このオレの見学に行くという提案は十中八九、拒否などされない…!
それにつけ用心深いオレ様でござる。
このラブコメ展開で、急にここだけ冷静になって『いや…キミ関係ないよね?冷やかしならお断りだ。部外者ひっこんでろ』と一般常識を持ち出されて、見学を拒否される可能性もほとんどゼロに近いとは思うが…。
念には念を入れてだ。
『見学行っていいですか?』などという疑問系では無く『見学に行こ~っと』という、勝手に見学に行くことを拒否されない前提で話してしまうという本来であれば、厚かましさ山のごとしのモノの言い方こそが、実はオレの超絶高等テクニックなのだ!
この言い方によって、オレの見学を許可をするしないという問答をすっ飛ばすことができるのだ。
しかも、最悪の場合、見学を拒否されたとしても『行こ~っと』と言いきったことで、当日に無理やりに道場へ押しかけて『えへ、来ちゃった☆』と激ヤバメンヘラ彼女のような暴挙に出てしまえば、激ヤバ変人野郎と思われようが、なし崩し的に見学にこぎつけるだろうという、二段構えの隙のなさ。
主人公の親友ポジってのは、至極全うな常識人か、かわりもんの変人野郎。
主にその2つのどっちかのパターンにわかれると、昔から決まっているのだ。
もし激ヤバ変人野郎と思われてしまったとしても、もともと無いオレの株が下がることは無い。
いつだってオレの株はストップ安なのだ。
主人公というゴールへたどり着くためならば、オレは誰にどう思われようが、アホのふりでも何でもいくらでもしようではないか。
まさに、この方法は【親友ポジション】だからこそできた所業。
天才的な逆転の発想…!
下手に許可など求めてからいけないのである。
そもそもオレが主人公を目指すことにも許可など降りちゃあいない。
いちいち許可を求めていてはラチがあかないのだ。ちなみにこれはラブコメ系の主人公にも同じことが言える。
毎回毎回いちいち、女の子に許可を求めるような男ではラブコメ主人公はつとまらない。
ラブコメには、時として多少の無茶を通してしまうような強引さも必要となる。
そういった意味合いでも。
やっぱりオレは、主人公にぴったりな、さっぱりとした男である。(ばっちりと韻もふめてる)
「あのなぁ、てゆーかオレは行くなんて一言も…」
オレの見学発言に反応したのはタイヨウだった。
まあ巻き込まれ系のハーレムラブコメ主人公には、ありがちな態度だ。
しかし、そんな態度も想定通り。
ここは親友ポジの役割をしっかりと守って、そんなタイヨウの乗り気じゃない態度へは、華麗にスルーかまして、さらにオレのイベント参加を磐石にすべくだめ押しをする。
「野々村も行くだろ?」
「ん?そうだね。楽しそうだね~」
これでもうこのイベントは全員参加のイベントへと発展した。
それならば親友ポジのオレも参加するということに全く違和感は無い。
タイヨウがいくらごねてもイベント確定。
あきらめろラブコメ主人公。
そのうちオレが主人公かわってやるから。
てゆーか今すぐでもいいんだぞ…!?
遠慮とかすんな!??
オレの見学行こ発言には西園寺センパイからもツッコミは入らず、許可の有無は求めなかったものの快く快諾してくれた。
「ウン、そうだな。見学者は多いほうが気も引き締まるしな!」
「オレの話…聞いてない…」
さすがにタイヨウも、話がトントン拍子に進んでいくので白旗をあげたようだ。
すっかり、あきらめの態度にかわって1人でいじけて独り言のようにつぶやいた。
「……やれやれ」
またもや、なんとも主人公っぽいセリフを無意識で言っていやがる…。
オレも言ってみてぇ、そんなセリフ…。
ともあれ、かくしてオレも剣道のお稽古イベントへの参加権ゲットしたのであった。
オレの主人公を目指す旅はまだまだ トゥービーコンティニュー。
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