100 / 119
100 恋の表情
しおりを挟む
バレンタインにスーツのコーデ、がメインなんだけど、まだ入荷がしてなくて。少し間が開いちゃうんだよね。でも急かしたところで納期が早まるわけじゃないし、できたらこれからも長くお付き合いをしていきたいって思えるメーカーだったから、待ってようって。
旭輝に絶対に似合うスーツだからさ。
でも、バレンタインは待ってくれないでしょ?
それにやっぱりバレンタインって言ったら、これかなって。だから、とりあえず、こっちを渡して、スーツはまた入荷次第、旭輝をデートに誘ったりしながら、その時にって思ったんだ。
「…………ここで何をしてるんですか?」
ちょうど観てたグルメ番組でこのチョコレート専門店のことを紹介してた。
すごく良質なカカオかなんかで。チョコレートって大昔、それこそエジプト時代? とかにはお薬みたいに食べられてて、健康にもいいらしくて、それってとってもいいじゃんって思って。
ちょうど今日休みだし。
ちょうど明日バレンタインだし。
そう思って来たんだけど。
お店の中はテレビ放送後でバレンタイン直前ってことで大賑わいだった。大混雑。けど、まぁ、仕事柄、お正月の初売りセールとか、福袋とか、バーゲンセールのワゴン内商品整理とかとか、そんなこともたくさんしてきたわけで、このくらいの混雑は全然大丈夫って感じだった。
んだけど。
「俺は、チョコ買いに」
その大混雑の中、揉みくちゃになりかけてるのを見かけた。
で、声をかけたんだけど、やっぱりものすごい睨まれたし。
「わ、私はっ別にっ」
「おっとっと、そこ危ないよ?」
腕を引っ張り上げてあげた。
「すごい人」
「ほ。本当に……」
「まぁ、タイミング的にそうなるかもだよね」
素直に返事をしたら、返事をされたことに驚いたのか、それとも恋敵と普通に会話をしてしまったって思ったのか、蒲田さんが飛び上がるように、一歩後に下がって。その拍子に、女の子の行列に巻き込まれてまた危うく、ぎゅうぎゅうの人の波に巻き込まれて大行列に混ざりかけてた。
「す、すみません」
ちょっと天然な蒲田さんは頬を赤くしながらペコリと頭を下げ、乱れたコートを手で直した。
素敵なコート。身長なくてもスッとして見えるデザイン。前のもそうだったけど、高いブランドのなんだと思う。あ、でもどうだろ。日本製かな。海外ブランドだと蒲田さんの身長でこの丈のコートのをデザインってあんまりしないかも。向こうって基本的に背高い人ばっかりだし。でも、この時間にこんなところにいるって、今日はお休みとか?
「……あの、そちらは久我山さんに」
「ぇ? あ、うん」
蒲田さんは、旭輝のこと、まだ。
だよね、すっごい嫌そうな顔、さっきしてたし。
「あー……」
そんなの、ここで俺には会いたくない、よね。
「……じゃあ、ちょっと、あれですね……」
それはがっかりが混ざった小さな溜め息。
そして蒲田さんはピンク色の唇をキュッと結んで、チョコレートへむけていた眼差しを床へと落とした。
「失礼しました。それじゃあ」
「え、えぇ? ちょ、ちょっと待ってっ」
その場を去ろうとしてる蒲田さんの手を大慌てで掴んじゃった。だって、だってさ。
「誰かにあげるんでしょ?」
「は、はい? なんでっ」
「ちょっと本命感すごい感じだとあげにくいけど、あげたい人がいるんでしょ? 国見さんとか大先生とかじゃなくて」
「わ、私は何もっ」
「一緒に選ぼうよ」
「!」
「ジャンル違うけど、でも、こういうの一緒に選ぶの俺、すごい得意だからっ」
「!」
店内はバレンタインに向けて、内装が赤い色になってた。
その赤色と同じに赤くなった頬で。
「…………お、お願い、します」
女の子たちの賑やかな声に掻き消されちゃいそうな小さな声で蒲田さんがコクンって頷いた。
「ね、誰なんだろう。蒲田さんが本命チョコあげたのって」
晩御飯の後、まだ寝るには少し時間があるから、旭輝がコーヒーを淹れてくれた。俺はそれをリビングのソファで座りながら待っていて、背もたれに顎を乗せるようにして、キッチンに立って、コーヒーを淹れてる姿すら絵になる旭輝をじっと眺めてた。
「さぁな。それに大先生かもしれないだろ」
ほら、ポットのお湯をコーヒーフィルターの中に注いでるだけなのに、雑誌の写真みたい。
「えー? 違うって、絶対に。あの表情は」
あの表情は先生にあげるチョコを選んでる顔じゃなかったもん。
それに、選んだチョコを見つめながら小さく呟いた一言。
――甘いの好きだといいんですが……。
そう呟いた時の蒲田さん、すごく可愛い顔してたもん。
あれは、あんな表情は。
「あれは恋です」
「……」
「ぜーったいにそう!」
コーヒーフィルターから視線を外して、こっちをチラリと見た。キッパリと言い切った俺に笑って。じゃあ、そうなのかもなって低い声で囁くように呟いた。
ね、その仕草、どこで習ったんです?
その、好きになるしかないじゃんってくらいにかっこいい仕草。
「ほら、ミルクたっぷりのコーヒー」
「あ、ありがと」
そういう教室あるわけ? 微笑み方とか。コーヒーのかっこいい淹れ方とか、ソファの座り方とか、どっかで習うわけ?
「それよりバレンタインのチョコレート、買ってきたって」
「あ、うん。あの、本当はまた別のもの渡したいんだけど、ちょっと間に合わなくて、今度デートの時にって。それでバレンタインは」
「俺もちょっと渡したいものがあるんだが、俺もまだ間に合わなくて」
「?」
なんだろ。
旭輝は「そのうち渡す」と言って笑った。
ねぇ……そういう教室があるなら、対抗できる教室もあればいいのに。
「とりあえず、怖い映画でも見るか」
「は? なんで? 今そんな会話の流れじゃなかったじゃん」
「そしたらくっつけるだろ?」
「そんなの」
対抗できる教室で習うの。もう付き合ってるのに、もうこの人、俺の彼氏なのに、それでもいちいちドキドキしちゃうのを緩和する方法とかさ、習いたいよ。だって、そうでもしないと、なんか、心臓もたなそうじゃない?
「観なくてもくっつけばいいじゃん……」
ほら。
聞こえちゃいそう。付き合って少し経ったのにまだ心音聞こえちゃいそうなほど、騒がしくなってるのが恥ずかしくて。
「ダサいだろ? 明日もらえるかもしれないご馳走を待てない駄犬みたいで」
「……じゃあ、ま、待て」
恥ずかしくて俯きたいけど。
「……ワン」
キス魔の旭輝に阻止されて、俯くことはできなかった。
旭輝に絶対に似合うスーツだからさ。
でも、バレンタインは待ってくれないでしょ?
それにやっぱりバレンタインって言ったら、これかなって。だから、とりあえず、こっちを渡して、スーツはまた入荷次第、旭輝をデートに誘ったりしながら、その時にって思ったんだ。
「…………ここで何をしてるんですか?」
ちょうど観てたグルメ番組でこのチョコレート専門店のことを紹介してた。
すごく良質なカカオかなんかで。チョコレートって大昔、それこそエジプト時代? とかにはお薬みたいに食べられてて、健康にもいいらしくて、それってとってもいいじゃんって思って。
ちょうど今日休みだし。
ちょうど明日バレンタインだし。
そう思って来たんだけど。
お店の中はテレビ放送後でバレンタイン直前ってことで大賑わいだった。大混雑。けど、まぁ、仕事柄、お正月の初売りセールとか、福袋とか、バーゲンセールのワゴン内商品整理とかとか、そんなこともたくさんしてきたわけで、このくらいの混雑は全然大丈夫って感じだった。
んだけど。
「俺は、チョコ買いに」
その大混雑の中、揉みくちゃになりかけてるのを見かけた。
で、声をかけたんだけど、やっぱりものすごい睨まれたし。
「わ、私はっ別にっ」
「おっとっと、そこ危ないよ?」
腕を引っ張り上げてあげた。
「すごい人」
「ほ。本当に……」
「まぁ、タイミング的にそうなるかもだよね」
素直に返事をしたら、返事をされたことに驚いたのか、それとも恋敵と普通に会話をしてしまったって思ったのか、蒲田さんが飛び上がるように、一歩後に下がって。その拍子に、女の子の行列に巻き込まれてまた危うく、ぎゅうぎゅうの人の波に巻き込まれて大行列に混ざりかけてた。
「す、すみません」
ちょっと天然な蒲田さんは頬を赤くしながらペコリと頭を下げ、乱れたコートを手で直した。
素敵なコート。身長なくてもスッとして見えるデザイン。前のもそうだったけど、高いブランドのなんだと思う。あ、でもどうだろ。日本製かな。海外ブランドだと蒲田さんの身長でこの丈のコートのをデザインってあんまりしないかも。向こうって基本的に背高い人ばっかりだし。でも、この時間にこんなところにいるって、今日はお休みとか?
「……あの、そちらは久我山さんに」
「ぇ? あ、うん」
蒲田さんは、旭輝のこと、まだ。
だよね、すっごい嫌そうな顔、さっきしてたし。
「あー……」
そんなの、ここで俺には会いたくない、よね。
「……じゃあ、ちょっと、あれですね……」
それはがっかりが混ざった小さな溜め息。
そして蒲田さんはピンク色の唇をキュッと結んで、チョコレートへむけていた眼差しを床へと落とした。
「失礼しました。それじゃあ」
「え、えぇ? ちょ、ちょっと待ってっ」
その場を去ろうとしてる蒲田さんの手を大慌てで掴んじゃった。だって、だってさ。
「誰かにあげるんでしょ?」
「は、はい? なんでっ」
「ちょっと本命感すごい感じだとあげにくいけど、あげたい人がいるんでしょ? 国見さんとか大先生とかじゃなくて」
「わ、私は何もっ」
「一緒に選ぼうよ」
「!」
「ジャンル違うけど、でも、こういうの一緒に選ぶの俺、すごい得意だからっ」
「!」
店内はバレンタインに向けて、内装が赤い色になってた。
その赤色と同じに赤くなった頬で。
「…………お、お願い、します」
女の子たちの賑やかな声に掻き消されちゃいそうな小さな声で蒲田さんがコクンって頷いた。
「ね、誰なんだろう。蒲田さんが本命チョコあげたのって」
晩御飯の後、まだ寝るには少し時間があるから、旭輝がコーヒーを淹れてくれた。俺はそれをリビングのソファで座りながら待っていて、背もたれに顎を乗せるようにして、キッチンに立って、コーヒーを淹れてる姿すら絵になる旭輝をじっと眺めてた。
「さぁな。それに大先生かもしれないだろ」
ほら、ポットのお湯をコーヒーフィルターの中に注いでるだけなのに、雑誌の写真みたい。
「えー? 違うって、絶対に。あの表情は」
あの表情は先生にあげるチョコを選んでる顔じゃなかったもん。
それに、選んだチョコを見つめながら小さく呟いた一言。
――甘いの好きだといいんですが……。
そう呟いた時の蒲田さん、すごく可愛い顔してたもん。
あれは、あんな表情は。
「あれは恋です」
「……」
「ぜーったいにそう!」
コーヒーフィルターから視線を外して、こっちをチラリと見た。キッパリと言い切った俺に笑って。じゃあ、そうなのかもなって低い声で囁くように呟いた。
ね、その仕草、どこで習ったんです?
その、好きになるしかないじゃんってくらいにかっこいい仕草。
「ほら、ミルクたっぷりのコーヒー」
「あ、ありがと」
そういう教室あるわけ? 微笑み方とか。コーヒーのかっこいい淹れ方とか、ソファの座り方とか、どっかで習うわけ?
「それよりバレンタインのチョコレート、買ってきたって」
「あ、うん。あの、本当はまた別のもの渡したいんだけど、ちょっと間に合わなくて、今度デートの時にって。それでバレンタインは」
「俺もちょっと渡したいものがあるんだが、俺もまだ間に合わなくて」
「?」
なんだろ。
旭輝は「そのうち渡す」と言って笑った。
ねぇ……そういう教室があるなら、対抗できる教室もあればいいのに。
「とりあえず、怖い映画でも見るか」
「は? なんで? 今そんな会話の流れじゃなかったじゃん」
「そしたらくっつけるだろ?」
「そんなの」
対抗できる教室で習うの。もう付き合ってるのに、もうこの人、俺の彼氏なのに、それでもいちいちドキドキしちゃうのを緩和する方法とかさ、習いたいよ。だって、そうでもしないと、なんか、心臓もたなそうじゃない?
「観なくてもくっつけばいいじゃん……」
ほら。
聞こえちゃいそう。付き合って少し経ったのにまだ心音聞こえちゃいそうなほど、騒がしくなってるのが恥ずかしくて。
「ダサいだろ? 明日もらえるかもしれないご馳走を待てない駄犬みたいで」
「……じゃあ、ま、待て」
恥ずかしくて俯きたいけど。
「……ワン」
キス魔の旭輝に阻止されて、俯くことはできなかった。
3
あなたにおすすめの小説
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
鈴木さんちの家政夫
ユキヤナギ
BL
「もし家事全般を請け負ってくれるなら、家賃はいらないよ」そう言われて鈴木家の住み込み家政夫になった智樹は、雇い主の彩葉に心惹かれていく。だが彼には、一途に想い続けている相手がいた。彩葉の恋を見守るうちに、智樹は心に芽生えた大切な気持ちに気付いていく。
宵にまぎれて兎は回る
宇土為名
BL
高校3年の春、同級生の名取に告白した冬だったが名取にはあっさりと冗談だったことにされてしまう。それを否定することもなく卒業し手以来、冬は親友だった名取とは距離を置こうと一度も連絡を取らなかった。そして8年後、勤めている会社の取引先で転勤してきた名取と8年ぶりに再会を果たす。再会してすぐ名取は自身の結婚式に出席してくれと冬に頼んできた。はじめは断るつもりだった冬だが、名取の願いには弱く結局引き受けてしまう。そして式当日、幸せに溢れた雰囲気に疲れてしまった冬は式場の中庭で避難するように休憩した。いまだに思いを断ち切れていない自分の情けなさを反省していると、そこで別の式に出席している男と出会い…
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(2024.10.21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】
彩華
BL
俺の名前は綾瀬葵。
高校デビューをすることもなく入学したと思えば、あっという間に高校最後の年になった。周囲にはカップル成立していく中、俺は変わらず彼女はいない。いわく、DTのまま。それにも理由がある。俺は、幼馴染の春樹が好きだから。だが同性相手に「好きだ」なんて言えるはずもなく、かといって気持ちを諦めることも出来ずにダラダラと片思いを続けること早数年なわけで……。
(これが最後のチャンスかもしれない)
流石に高校最後の年。進路によっては、もう春樹と一緒にいられる時間が少ないと思うと焦りが出る。だが、かといって長年幼馴染という一番近い距離でいた関係を壊したいかと問われれば、それは……と踏み込めない俺もいるわけで。
(できれば、春樹に彼女が出来ませんように)
そんなことを、ずっと思ってしまう俺だが……────。
*********
久しぶりに始めてみました
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
【完結】薄幸文官志望は嘘をつく
七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。
忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。
学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。
しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー…
認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。
全17話
2/28 番外編を更新しました
離したくない、離して欲しくない
mahiro
BL
自宅と家の往復を繰り返していた所に飲み会の誘いが入った。
久しぶりに友達や学生の頃の先輩方とも会いたかったが、その日も仕事が夜中まで入っていたため断った。
そんなある日、社内で女性社員が芸能人が来ると話しているのを耳にした。
テレビなんて観ていないからどうせ名前を聞いたところで誰か分からないだろ、と思いあまり気にしなかった。
翌日の夜、外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように誰もいなかった。
そんな所に『すみません』と言う声が聞こえた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる