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第一章・俺の価値
湯たんぽ
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風呂での大運動会を終え、新しい服に着替えた俺は、早速デュランに作ってもらったベッドに入った。
「どう?ちょっとガタガタするかな?」
確かに足の木の長さが正確に揃えられてはいないのか、右左,と体重を移動させるとガタつくが、そこまで気にするほどでもなかった。
「ちょっとはするけど、それよりベッド作ってくれた嬉しさの方が勝つし!こんなデケェベッド、生まれて初めてだ!ありがとな!」
俺のために労力さいてここまでしてくれるなんて…なんていい奴なんだ…しかも俺が3人くらい寝れるサイズ。大の字になってみても指先が両手付くかどうか…
ベッドの中で幸せを噛み締める。
「ねぇ、キーチ」
「ん?」
「さっき…約束したの覚えてる…?」
「約束…?」
約束…何かしたっけ…全然思い出せねェ…
大事な約束だったらどうしようと冷や汗をかいていると
「こ、これ…」
デュランが懐から一本の蝋燭を取り出した。
(ああ…!火付けるとこ見せてくれるって言ってたな…風呂場で魔法見ちゃったから完全に忘れてた)
「あ、炎付けるとこ?見てェ!」
「あはは、キーチが好きそうな…派手な魔法じゃないんたまけどね」
少し申し訳なさそうに、それでもまだちょっと嬉しそうにしながら蝋燭を燭台に刺す。
「じゃ、じゃあ…」
人差し指の先からポッ,と炎が出る。
「おお…」
マッチ棒、棒なしバージョンだ。
ゆっくり指を蝋燭に近づけて、蝋燭に火がつく。火が付いたことを確認して、俺の顔をチラッと見た後
「じゃ、じゃーん、こんな感じ…」
と照れくさそうに指先の炎を消した。
「んふ、イェーイ」
なんとなく何かしたくて手を差し出す。風呂場でやったようなハイタッチだ。
嬉しそうに手を合わせるデュラン。
そして、手はそのままに口を開いた。
「ねぇ、今日…僕もここで一緒に寝ちゃダメかな?」
「…え?」
「へ、変な事は絶対にしない!ただ、…ただ、近くで一緒にいたいなって…」
ま、マジかー!!風呂上がってから時間がたって、またムラムラしてきた時にケツちょっと弄ってみようかなーとか今日の自慰について画策してたんたけど…
でも…こんな凄いデカいベッドも作ってもらったし……ん?凄いデカい…
「…もしかして、最初から一緒に寝る為にデカいベッド作ったのか?」
「…いや、べ、別に…」
(すぐに否定しないあたり、図星だな…)
「まぁいいや、ほら」
中心で大の字で寝ていた俺は、壁側に寄って掛け布団を開けてやる。
「え!いいの!」
デュランは大型犬さながら、喜んで布団の中に入ってきた。
(うはぁ~ち、近ェ~…!)
端っこに寄ったのが意味ないレベルで俺の方にグイグイ近づいて来る。
「おいおい、近すぎるって…!」
「だ、だって、もっと近くにいたいし…」
「別に今でも十分近いだろ!」
距離感バグは未だ健在…と。
俺とデュランの身長差は多分数センチで、隣に並んでもそこまで変わらないとは思うけど、こうして近くにいるとやっぱり体の厚みが全然違う。
「あ、そうだ、枕いる?」
「枕…?俺別に枕なくても寝れるタイプだからな…いらねぇよ、大丈夫」
「え!えぇ…そんな…」
急に来た枕が必要かどうかの確認に、寒い中、もう既にベッドに入ったのに取りに行かせるのは流石に可哀想なので断った。
…が、なんだかすごく残念そうだ。
気遣ったつもりだったんだけどな
「いや、別にどっちでも良いって意味だけど…あってもなくても…」
「!本当に!?」
じゃあ…とデュランが動く。
俺の頭を持ち上げ、その下に自分の腕を敷いた。
(…ああ、枕ってそういうこと)
互いの顔が近くなって、デュランの綺麗な茶色い真っ直ぐな瞳が目に入る。
「…目、綺麗だな」
「っ、へ?」
さっきまで赤かった顔が、もっと赤くなる。
こういうところがおちょくりがい、褒めがいがあるんだよな…。
「そ、そんなこと言ったらキーチの目もカッコいいし綺麗だ!真っ黒で…すごい、初めて見る色だよ」
「へぇ、黒目ってあんまいないの?」
「うーん…みんな茶色とか緑とか青とか…黒に近い色も中にはあるけど真っ黒は見たことがないなぁ…」
「へぇ…」
人間の純血が珍しいって言ってたけど黒い瞳まで珍しいとか、いよいよ俺はこの世界で激レアだな…あっちの世界じゃ捨てるほどいるのに…
(ま、俺の顔面はあっちでも激レアだけどな)
自分の顔の良さを思い出して良い気になる。
あぁ…めちゃくちゃ鏡欲しいな。
「なぁ、デュラン」
「ん?なぁに?」
「俺の顔、好き?」
鏡が無くても自分の顔の良さを確認したかった俺は、デュランにそう問いかける。
デュランは俺の質問には答えず、しかし食い入る様に俺の顔を見ていた。
(答えられないほど好きか~!)
良い気になったので枕代わりの太い腕に顔を埋めてやる。
風呂上がりのつるつるした肌を唇で食んで確かめた。
(…そういえば、唇にもピアス開けたかったんだよな~)
ピアスがあれば邪魔になりそうな今の仕草に、開けてなくてよかった
そう思った。
「…っ、フー…」
俺がデュランの腕にキスをする間、
当の本人は何も言わずに鼻息を荒くし俺を見つめるだけだったので、少しイタズラ心が湧いた俺はゴソゴソと体をデュランの方へと移動させる。
大きな胸板に頭をくっつけて、足をデュランの足に絡めた。
「…っ、」
今までも勃起していたのか、腹まで持ち上がったデュランのちんぽが俺の腹にも当たる。
(…だから静かだったのか)
ドクドク波打つ硬いものを腹筋の皮膚に感じながら、もっとその奥、知らないところが疼くのを感じた。
ムラムラする。
「…デュラン」
いつの間にか勃起していた自分のちんぽを、強請るようにデュランのものに擦り付けようとした時
パリーーン!!
俺の部屋、お気に入りの十字窓が数メートル先で割れる音がした。
「どう?ちょっとガタガタするかな?」
確かに足の木の長さが正確に揃えられてはいないのか、右左,と体重を移動させるとガタつくが、そこまで気にするほどでもなかった。
「ちょっとはするけど、それよりベッド作ってくれた嬉しさの方が勝つし!こんなデケェベッド、生まれて初めてだ!ありがとな!」
俺のために労力さいてここまでしてくれるなんて…なんていい奴なんだ…しかも俺が3人くらい寝れるサイズ。大の字になってみても指先が両手付くかどうか…
ベッドの中で幸せを噛み締める。
「ねぇ、キーチ」
「ん?」
「さっき…約束したの覚えてる…?」
「約束…?」
約束…何かしたっけ…全然思い出せねェ…
大事な約束だったらどうしようと冷や汗をかいていると
「こ、これ…」
デュランが懐から一本の蝋燭を取り出した。
(ああ…!火付けるとこ見せてくれるって言ってたな…風呂場で魔法見ちゃったから完全に忘れてた)
「あ、炎付けるとこ?見てェ!」
「あはは、キーチが好きそうな…派手な魔法じゃないんたまけどね」
少し申し訳なさそうに、それでもまだちょっと嬉しそうにしながら蝋燭を燭台に刺す。
「じゃ、じゃあ…」
人差し指の先からポッ,と炎が出る。
「おお…」
マッチ棒、棒なしバージョンだ。
ゆっくり指を蝋燭に近づけて、蝋燭に火がつく。火が付いたことを確認して、俺の顔をチラッと見た後
「じゃ、じゃーん、こんな感じ…」
と照れくさそうに指先の炎を消した。
「んふ、イェーイ」
なんとなく何かしたくて手を差し出す。風呂場でやったようなハイタッチだ。
嬉しそうに手を合わせるデュラン。
そして、手はそのままに口を開いた。
「ねぇ、今日…僕もここで一緒に寝ちゃダメかな?」
「…え?」
「へ、変な事は絶対にしない!ただ、…ただ、近くで一緒にいたいなって…」
ま、マジかー!!風呂上がってから時間がたって、またムラムラしてきた時にケツちょっと弄ってみようかなーとか今日の自慰について画策してたんたけど…
でも…こんな凄いデカいベッドも作ってもらったし……ん?凄いデカい…
「…もしかして、最初から一緒に寝る為にデカいベッド作ったのか?」
「…いや、べ、別に…」
(すぐに否定しないあたり、図星だな…)
「まぁいいや、ほら」
中心で大の字で寝ていた俺は、壁側に寄って掛け布団を開けてやる。
「え!いいの!」
デュランは大型犬さながら、喜んで布団の中に入ってきた。
(うはぁ~ち、近ェ~…!)
端っこに寄ったのが意味ないレベルで俺の方にグイグイ近づいて来る。
「おいおい、近すぎるって…!」
「だ、だって、もっと近くにいたいし…」
「別に今でも十分近いだろ!」
距離感バグは未だ健在…と。
俺とデュランの身長差は多分数センチで、隣に並んでもそこまで変わらないとは思うけど、こうして近くにいるとやっぱり体の厚みが全然違う。
「あ、そうだ、枕いる?」
「枕…?俺別に枕なくても寝れるタイプだからな…いらねぇよ、大丈夫」
「え!えぇ…そんな…」
急に来た枕が必要かどうかの確認に、寒い中、もう既にベッドに入ったのに取りに行かせるのは流石に可哀想なので断った。
…が、なんだかすごく残念そうだ。
気遣ったつもりだったんだけどな
「いや、別にどっちでも良いって意味だけど…あってもなくても…」
「!本当に!?」
じゃあ…とデュランが動く。
俺の頭を持ち上げ、その下に自分の腕を敷いた。
(…ああ、枕ってそういうこと)
互いの顔が近くなって、デュランの綺麗な茶色い真っ直ぐな瞳が目に入る。
「…目、綺麗だな」
「っ、へ?」
さっきまで赤かった顔が、もっと赤くなる。
こういうところがおちょくりがい、褒めがいがあるんだよな…。
「そ、そんなこと言ったらキーチの目もカッコいいし綺麗だ!真っ黒で…すごい、初めて見る色だよ」
「へぇ、黒目ってあんまいないの?」
「うーん…みんな茶色とか緑とか青とか…黒に近い色も中にはあるけど真っ黒は見たことがないなぁ…」
「へぇ…」
人間の純血が珍しいって言ってたけど黒い瞳まで珍しいとか、いよいよ俺はこの世界で激レアだな…あっちの世界じゃ捨てるほどいるのに…
(ま、俺の顔面はあっちでも激レアだけどな)
自分の顔の良さを思い出して良い気になる。
あぁ…めちゃくちゃ鏡欲しいな。
「なぁ、デュラン」
「ん?なぁに?」
「俺の顔、好き?」
鏡が無くても自分の顔の良さを確認したかった俺は、デュランにそう問いかける。
デュランは俺の質問には答えず、しかし食い入る様に俺の顔を見ていた。
(答えられないほど好きか~!)
良い気になったので枕代わりの太い腕に顔を埋めてやる。
風呂上がりのつるつるした肌を唇で食んで確かめた。
(…そういえば、唇にもピアス開けたかったんだよな~)
ピアスがあれば邪魔になりそうな今の仕草に、開けてなくてよかった
そう思った。
「…っ、フー…」
俺がデュランの腕にキスをする間、
当の本人は何も言わずに鼻息を荒くし俺を見つめるだけだったので、少しイタズラ心が湧いた俺はゴソゴソと体をデュランの方へと移動させる。
大きな胸板に頭をくっつけて、足をデュランの足に絡めた。
「…っ、」
今までも勃起していたのか、腹まで持ち上がったデュランのちんぽが俺の腹にも当たる。
(…だから静かだったのか)
ドクドク波打つ硬いものを腹筋の皮膚に感じながら、もっとその奥、知らないところが疼くのを感じた。
ムラムラする。
「…デュラン」
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