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第一章・俺の価値
※純血※
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「こいつ、純血だ!」
その言葉に、身体中が冷えていく。
(絶対、知られちゃダメなやつ…!)
よりにもよって、今まで出会ってきた中で
一番ヤバそうなやつにバレてしまった。
しかも周りにはゴロゴロと人が大勢いる。
怖くなって、目を動かし辺りを確認する。
しかし、それがいけなかった。
「ほ、本当だ…!」
目が合った隣の男が、口に手を当てて言う。
(しまった…目が純血かどうか知るポイントっぽいのに…!)
焦って目を閉じるも時すでに遅く、
本当か?!と周りが俺の腕や肩を掴み、
目を開けろ!と遠くから怒鳴る声もする。
「…ッぅ"!ひ、…!」
人生で感じたこともない恐怖を感じると同時に股が暖かくなった。
「…は、」
なんとこの歳で失禁した俺は、自分が信じられなくなる。
(こ、怖すぎて漏らした…!?)
一度溢れた液体は止まらず、チョロ,チョロロ…と控えめな音を出しながら地面へと流れていく。
わぁっと、周りから歓声が上がり、我先にと、さっきまで酒を飲んでいただろう空のグラスに俺の尿を入れようと、数人が地面に這いつくばった。
(…ッはぁ!?)
数人が俺の下に潜り込んだせいで前にバランスを崩した俺は、先程のリーダー格の男に持ち上げられる。
男は空中で器用に俺を回した後、俺の太ももの裏を掴み、公衆の面前に俺の足を開く形で抱き抱えた。
「ほら並べ!早いもん勝ちだ!」
下に這いつくばった数人を足で蹴りながら、まるで自分の商品かのように声を上げる。
混乱して、我慢の仕方が分からなくなった俺は、最後まで尿を漏らし、リーダー格の男のズボンまでもを濡らした。
「あ~あ~、貴重な資金源が…もう出なさそうか…おい」
そう誰かに声をかけ、先程ロイクに借りた紺色のズボンを脱がさせる。
「よし!じゃあオークションだ!この純血のしっこが染み付いたズボン!100万から!」
(ひゃ…ッ100万!?)
流石に高すぎるだろ、そう思うも、遠くから近くから、男性から女性まで、様々な声が値を釣り上げていく。
「行くぞ」
そう言うと、オークションはその場の仲間に任せ、
リーダー格の男は俺を抱えたまま、細い路地を歩いた。
「はぁ…これで俺は億万長者だ…」
嬉しそうな男は、俺の尿で濡れたズボンから何かを取り出す。
それは麻袋に入った、ピンク色をした豆のようなものだった。
「口あけろ」
俺の口に、その豆を近づけてくる。
(いや、その豆絶対俺のおしっこかかってんだけど…!)
飲尿なんて趣味はない俺は、おぇ"…と気持ち悪くなる。
「おい、なんだその態度は」
「ッぁ"!」
だが、それを別の意味として捉えたらしいリーダー格の男は、乱暴に壁に俺を投げつけた。
(身長差10数センチの俺を投げ飛ばすとかヤバすぎだろ…!)
背中を打ちつけられて上手に息ができず、はくはくと口を開ける。
「は、できるじゃねぇか」
俺の口に豆を乱暴に入れた後、顎を上に向かせる。
「ほら、飲め!」
息ができない状況でそんなことを言われてもできるはずがなく、中途半端に喉に通る豆で、本当に命の危険を感じる。
「ッ…、!っ、!」
(死因が窒息とか…!一番嫌なやつ…!)
息を吸えば吸うほど胸は沈み、体の気圧がおかしくなって耳が聞こえなくなる。
リーダー格の男が何やら怒鳴りながら俺の髪の毛を掴み揺する気配がするも、最早何も分からず、
視界が暗くなっていくのを感じながら、俺は意識を手放した。
その言葉に、身体中が冷えていく。
(絶対、知られちゃダメなやつ…!)
よりにもよって、今まで出会ってきた中で
一番ヤバそうなやつにバレてしまった。
しかも周りにはゴロゴロと人が大勢いる。
怖くなって、目を動かし辺りを確認する。
しかし、それがいけなかった。
「ほ、本当だ…!」
目が合った隣の男が、口に手を当てて言う。
(しまった…目が純血かどうか知るポイントっぽいのに…!)
焦って目を閉じるも時すでに遅く、
本当か?!と周りが俺の腕や肩を掴み、
目を開けろ!と遠くから怒鳴る声もする。
「…ッぅ"!ひ、…!」
人生で感じたこともない恐怖を感じると同時に股が暖かくなった。
「…は、」
なんとこの歳で失禁した俺は、自分が信じられなくなる。
(こ、怖すぎて漏らした…!?)
一度溢れた液体は止まらず、チョロ,チョロロ…と控えめな音を出しながら地面へと流れていく。
わぁっと、周りから歓声が上がり、我先にと、さっきまで酒を飲んでいただろう空のグラスに俺の尿を入れようと、数人が地面に這いつくばった。
(…ッはぁ!?)
数人が俺の下に潜り込んだせいで前にバランスを崩した俺は、先程のリーダー格の男に持ち上げられる。
男は空中で器用に俺を回した後、俺の太ももの裏を掴み、公衆の面前に俺の足を開く形で抱き抱えた。
「ほら並べ!早いもん勝ちだ!」
下に這いつくばった数人を足で蹴りながら、まるで自分の商品かのように声を上げる。
混乱して、我慢の仕方が分からなくなった俺は、最後まで尿を漏らし、リーダー格の男のズボンまでもを濡らした。
「あ~あ~、貴重な資金源が…もう出なさそうか…おい」
そう誰かに声をかけ、先程ロイクに借りた紺色のズボンを脱がさせる。
「よし!じゃあオークションだ!この純血のしっこが染み付いたズボン!100万から!」
(ひゃ…ッ100万!?)
流石に高すぎるだろ、そう思うも、遠くから近くから、男性から女性まで、様々な声が値を釣り上げていく。
「行くぞ」
そう言うと、オークションはその場の仲間に任せ、
リーダー格の男は俺を抱えたまま、細い路地を歩いた。
「はぁ…これで俺は億万長者だ…」
嬉しそうな男は、俺の尿で濡れたズボンから何かを取り出す。
それは麻袋に入った、ピンク色をした豆のようなものだった。
「口あけろ」
俺の口に、その豆を近づけてくる。
(いや、その豆絶対俺のおしっこかかってんだけど…!)
飲尿なんて趣味はない俺は、おぇ"…と気持ち悪くなる。
「おい、なんだその態度は」
「ッぁ"!」
だが、それを別の意味として捉えたらしいリーダー格の男は、乱暴に壁に俺を投げつけた。
(身長差10数センチの俺を投げ飛ばすとかヤバすぎだろ…!)
背中を打ちつけられて上手に息ができず、はくはくと口を開ける。
「は、できるじゃねぇか」
俺の口に豆を乱暴に入れた後、顎を上に向かせる。
「ほら、飲め!」
息ができない状況でそんなことを言われてもできるはずがなく、中途半端に喉に通る豆で、本当に命の危険を感じる。
「ッ…、!っ、!」
(死因が窒息とか…!一番嫌なやつ…!)
息を吸えば吸うほど胸は沈み、体の気圧がおかしくなって耳が聞こえなくなる。
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視界が暗くなっていくのを感じながら、俺は意識を手放した。
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