勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる

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第6章 彼方からの侵略者

第22話 次の刺客

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 ウインガリア帝国帝都メギドラ皇城内会議室。
 現在ここでは緊急会議が開かれていた。
 岩隈守、飛鳥礼斗、鬼島豪太朗が、リュークに負けたあと即座に『帰還石』で戻り、慌てて事の顛末を報告したからだ。
 リュークの強さを一通り伝えたあと、岩隈守は新宮斬也に対して怒声を浴びせる。

「そもそも斬也、お前がちゃんと正確に報告していれば、オレたちが無様を晒すことはなかった!」

「その通りです! あのリュークという男、めちゃくちゃではないですか! あんな化け物と知っていれば、こちらも対策を立てたというのに!」

 岩隈守の主張に飛鳥礼斗も付け足しをした。

「いーや、オレはちゃんと言ったね。アイツはとんでもない怪物だと。アンタらが耳を貸さなかっただけだ」

 新宮斬也はほら見たことかと言わんばかりに、呆れながら言葉を返す。
 リュークは危険だとあれほど熱弁したのに、逆に小馬鹿にしたようなリアクションをされて、新宮斬也はずっと根に持っていた。
 正直、岩隈守たちが返り討ちに遭ってざまあみろという気持ちだった。

「報告は分かった。オレもリュークという男を侮っていた。我々が全力で潰さねばならない最大の脅威だということを認めよう。他国の侵略は一時休止。すぐに情報収集に長けた者を集めて、リュークを調べさせろ。なんとか弱点を探すんだ」

 一番冷静で知的な来栖亮が、リュークは何よりも最優先で対策しなくてはならない相手と認識する。
 もしもリュークの弱点を暴くことができたら、倒すことも容易になるはず。
 異世界人の中には、優秀な情報収集能力を持つ者が多数いる。国王会議を嗅ぎ付けることができたのも、彼らのおかげだった。
 だがその方針に、鬼島豪太朗が横から口を挟んだ。

「そのリュークのことじゃが、一度あやつと話してみるのはどうじゃろう?」

「どういうつもりだ豪太朗。亮の作戦には反対ということか? お前ともあろう男が、まさか怖じ気づいたわけじゃあるまいな?」

 鬼島豪太朗の発言に、桐生当真が不機嫌な表情ですぐさま言い返す。
 厄介な敵の出現で団結しなければならないというのに、つまらない意見で場を乱されては困るからだ。

 鬼島豪太朗はけっして怖じ気づいたわけではないが、リュークに一応恩を受けているので、これ以上敵対することは気乗りしなかった。
 どんな対策を取ろうとも、リュークには勝てないような気がするという理由もあるが。
 リュークからは底なしの力を感じた。同じ黒髪ではあるが、自分たちとは違う存在のように思う。

 とはいえ、この場にいるメンバーもケタ外れの力を持っている。
 特に神谷光一は、異世界人の中でも1人だけ数段上の能力だ。
 リュークと神谷光一、果たしてどちらの力が上なのか?
 実際にリュークと戦った岩隈守、飛鳥礼斗、鬼島豪太朗でも予想がつかない2人だった。

 鬼島豪太朗の意見で空気が悪くなったところに、会議室の扉を開けて1人の人間が入ってきた。
 神怒の四頭竜テトラ・メガセリオンを討伐して戻ってきた世羅竜司だ。

「情報通り、古代竜エンシェントドラゴンはいたぜ。ぶっ殺して魔石も取ってきた。これでいいか?」

 そう言いながら世羅竜司は巨大な魔石を取り出し、姫川翼に手渡す。

「わぁーお! サンキュー竜ちゃん、さっすがだね! うっひゃー凄い魔力、これであの魔導具を作れそうよ!」

 姫川翼は小躍りしながら魔石を満足そうに見つめる。
 彼女は強力な魔導アイテムを生み出せるギフト『創造の勇者』を授かっており、その能力での製作に取り組んでいた。
 世羅竜司はその材料を手に入れるため、古代竜エンシェントドラゴンのもとに行っていたのだ。

「『次元探知機ディメンションサーチ』は完成したから、すでに目当ての場所の位置は掴んでるわ。あとはを製作すれば無事目的達成。そうなれば、リュークなんてヤツを気にしなくても大丈夫ってことよ!」

「リューク? ああ例の『覇王の戦士』ってヤツか。そういや守や礼斗が出張っていったみたいだが、そいつには会えなかったのか? まあ国王どもを叩きのめしたんなら別に問題ねえが」

 自分と同時期に出掛けていたはずの岩隈守たちが戻っているので、国王会議は無事潰せたものと勘違いする世羅竜司。

「ケケッ、それがな……コッテンパンにやられて逃げ帰ってきたんだと」

 自分が小馬鹿にされた意趣返しのように、笑いながら新宮斬也が答える。

「負けて帰ってきた!? お前らがか? そりゃあさすがのオレもちったぁ驚いたぜ」

 そうは言うものの、世羅竜司にはさして驚いた様子もなかった。
 自分以外のことにはあまり興味がない男だからだ。

「それで、その『覇王の戦士』の対策会議をしていたところなんだが……」

「対策? そんなもの必要ねえ、オレがぶっ殺してきてやるよ」

 来栖亮が会議の結論を話そうとしたところ、遮るように世羅竜司が発言する。
 一見無謀にも思えるが、来栖亮はじっと世羅竜司を見つめたあと、ポツリと言葉を出した。

「1人で大丈夫なのか?」

「オレに助っ人はいらねえ。かえって邪魔になるだけだ」

「ふぅむ……確かにそうだな。では、『覇王の戦士』を追ってくれ。もしもお前が負けたときのために、こちらでヤツの弱点を探っておく。お前も簡単には負けず、ヤツの能力を見極めてくれ」

「おいおい馬鹿にすんな。オレがキッチリぶっ殺すから、あとの心配なんて何もしなくていいぜ。ヤツがどこにいるか分かるか?」

 大口を叩く世羅竜司だが、この男の強さも別格だ。
 負けるとしても、そう簡単にやられるとは思えない強さを持っている。
 仮に岩隈守、飛鳥礼斗、鬼島豪太朗の3人を相手にして戦っても、リュークと同じように圧勝するだろう。
 それほどの実力があった。

「リュークにはワシが隙を突いて発信機を付けておいたから、居場所は追跡できる。じゃが、本当にやる気か?」

 こんな事態を想定して、姫川翼は特製の魔導発信機を製作していた。
 鬼島豪太朗がリュークに近寄ったのは、こっそりそれを付けるためだった。

 だが、本気でリュークと敵対するのか、鬼島豪太朗はもう一度確認した。
 世羅竜司の強さは重々承知している。この男ならもしかしてという可能性はある。
 ただ、これ以上リュークに刃向かうのは、自分たちの破滅を予感させた。

「もちろんだ。『覇王の戦士』の首を持って帰るから楽しみに待ってろ」

 鬼島豪太朗の不安などどこ吹く風とばかり、意気揚々と会議室を出ていく世羅竜司だった。

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』コミックス第2巻がいよいよ発売されます!
 紙書籍は、早ければ明日の17日に店頭に並んでいることと思います。
 電子書籍は、すでに本日販売開始されているところもあります。
 どうぞよろしくお願いいたします。
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