勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる

文字の大きさ
83 / 96
第7章 神を探せ

第13話 強奪する者

しおりを挟む
「リューク! 無事に戻ってきたのね!」

 ジーナたちから歓喜の声が上がる。
 リュークならどんなヤツが相手でも絶対に負けない。その信頼の表れだ。

「おいおい、そんなところに結界なんてあったのかよ! ここで反応が消えたのはそのせいか。まったく、その程度喋りゃあいいのに、コイツらつまらねえ意地張りやがって……」

 目当てのリュークを見た世羅竜司は、踏みつけていた足をロゥエルの胸から離す。
 もうちょっと女性オモチャたちで楽しみたかったが、リュークを殺すのが最優先だ。
 万が一にも逃がさないため、世羅竜司はリュークの動向に集中する。

「お前が『覇王の戦士』か、強えんだってなあ? へへっ、オレは世羅竜司、言わなくても分かると思うが、お前を始末しに来た。オレと遊ぼうぜ?」

 リュークに対しても、相変わらず無防備に立ったままで嘲笑する世羅竜司。
 ここまで来たのが無駄足にならないと分かって、少し上機嫌になったようだ。

「いいだろう。だが、みんなの状態が心配だ。すぐに終わらせるぞ」

 遊ぼうなんてナメた提案を冷静に受けたように見えるリュークだが、もちろん内心は炎のように燃え上がっている。
 この男だけは絶対に許しておけない。
 リュークはゆっくりと近付いていく。

「すぐに終わらせるだって? 笑わせるぜ。オレはたっぷり遊びたいんだ、簡単に降参なんてするなよ?」

 世羅竜司の言葉を聞きながらもリュークの歩みは止まらず、正面を見据えたまま進み続ける。
 途中で止まると思っていた世羅竜司は、無警戒で近寄ってくるリュークに少々動揺した。

 コイツ、いったいどこまで近付いてくるんだ?

 そのまま歩き続けたリュークは、お互いの手が届くほどの至近距離でようやく止まる。
 そして剣すら抜かずに、あまり力が入ってないようなモーションで世羅竜司の体を叩こうとした。

「なんだその攻撃は? オレをナメてんのか?」

 先ほど自分が言った言葉をリュークコイツは本気にしてるんだろうか?
 確かに遊ぼうとは言ったが、それは言葉のあやだと普通は理解する。
 ただ、もしかしてこの世界にはそういう言語文化がなく、言葉通りの意味にしか通じないのかもしれない。

 世羅竜司はそんなことを考えながら、とりあえずリュークの攻撃を腕で防御しようとした。
 こんな素手の攻撃なんて喰らったところで少しも問題ないが、なんとなく気味の悪さを感じたため、一応防ごうと思ったのだ。

 しかし、リュークの右手が自分の左腕に当たった瞬間、左腕の骨が粉々に砕けてしまった。

「ぎあっ、いてえええええええっ!!」

 どんな攻撃も効かない自分の体が、こんな弱々しい攻撃でダメージを受けるはずがない。
 世羅竜司はわけも分からず右手で左腕を押さえるが、その右腕にもリュークの攻撃が当たる。

「いでえっ、ぐおおおおおおおっ」

 左腕と同じように、世羅竜司の右腕が粉砕される。
 両腕が破壊され、防御ができなくなった世羅竜司に対して、リュークは足を軽く蹴った。

「がはあああっ、いてえっ、いてえっ、ひいいっ!」

 片膝を破壊された世羅竜司は、立っているのもやっとになる。
 痛みに耐えきれず、なんとかエリクサーで治療しようとするが、もちろんそんなことはリュークが許さない。
 回復させる暇など与えず、リュークのパンチが胸に当たる。
 世羅竜司のあばらがボキボキと内側に砕かれ、一部が肺に刺さった。

「げふっ、あぐぐぅ……な、なんだってんだこりゃっ!? オレの能力が全然発揮できねえ!? ……待て、オレの能力が何もねえぞっ!?」

 ここでようやく世羅竜司は、自分のギフトやスキルが何一つないことに気付く。
 リュークが全て奪っていたからだ。

 リュークがレベル250を超えたときに取得した『スマホ』の新機能は、写真に撮った者のギフトやスキルを強奪できる能力だった。
 その能力で、すでに『スマホ』で撮っていた世羅竜司からギフトなどを奪い取っていた。
 1つだけ選んで強奪することも可能だが、この卑劣な世羅竜司からは根こそぎ能力をもらうことにした。
 そして逆にリュークが『捕食の勇者』を発動して、1/1000に弱体化した世羅竜司を攻撃したわけである。

「そ、そんな馬鹿な!? おまっ、その能力、普通じゃねえ! オレのギフトを返してくれよっ!」

 世羅竜司は半泣きで懇願するが、リュークは容赦などしない。
 痛みで呻く世羅竜司に近付き、その顔面に張り手を喰らわした。
 力はそれほど込めていないが、世羅竜司の頬骨と顎は砕け、弾みで地面にひっくり返る。

「ぐばああっ、だっ、だじげでっ、こうざんするっ、だのむ、ごろざないで……」

 全身の骨を砕かれた世羅竜司は、完全に戦意喪失し、恐怖で震え上がりながら命乞いをした。
 だがリュークは攻撃をやめる様子がなかった。

は手加減が難しいな。だから間違って死んだらごめんよ。そらっ」

「ひっ、ひいいいいいいいいいいいいいいっ」

 勢いよく出したパンチを世羅竜司の顔面スレスレで止めると、世羅竜司は恐怖で失神してしまうのだった。
しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。