勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる

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第6章 彼方からの侵略者

第2話 ギルド長室で

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 冒険者ギルドに着くと、一応入り口こそ開いていたが、やはり照明などは消えていて人の気配はなかった。
 職員も完全に仕事を終えて帰っているみたいだし、本当にフォーレントは待っているのか?

『スマホ』で確認してみると、確かに1人残っていることは探知できた。
 位置的にもギルド長室みたいだし、上位冒険者クラスの力も持っている。多分これがフォーレントだろう。
 まあ元Sランク冒険者であるフォーレントと似たレベルの人間はギルドには複数いるから、実際に行ってみないことには分からないが。

「レム、お前はここで待っていてくれ」

「了解しました。マスターなら問題ないかと思いますが、一応ご注意くださいませ」

 オレはフォーレントに嫌われているみたいだし、レムを連れていくと余計なトラブルを起こすかもしれないので、ここで待たせることにした。
 何か問題が起こったとき、オレ1人で対処したほうが穏便に収まりそうだからな。

 レムを置いてオレはギルドの建物内に入り、照明をつけたあと、周囲を窺いながらギルド長室まで歩いていく。
『暗視』スキルがあるから真っ暗でも問題ないが、とはいえ明るいに越したことはない。
 そのままギルド長室前まで到着したあと、オレは扉を軽くノックした。
 しかし、何も反応はなく、辺りはしんと静まりかえったまま。

「……フォーレント、オレに用があると聞いたんだが?」

 オレを呼びつけたくせに、話しかけても何故か返事がない。
 誰かがいる気配はもちろんある。

「フォーレント、入るぞー?」

 仕方なく一声かけてから扉を開けると、いきなりオレの心臓目掛けて剣が鋭く突き出された。
 それは非常に素早く精密で、たとえSランク冒険者でも避けられそうもない攻撃だったが、しかしオレは軽くその剣先を掴んで受け止める。
 襲ってきたのはフォーレントだった。

「どういうつもりだ、フォーレント?」

「馬鹿なっ、極上工芸品アーティファクトの魔導具で気配を消して襲ったのだぞ!? このタイミングで気付かれるなど信じられん!?」

 オレの暗殺に失敗したフォーレントが驚きの声を上げる。
 確かに上手に気配を消していたが、『スマホ』で探知済みだし、オレ自身としてもこの気配はキッチリ探知できていた。
 ただ、何故フォーレントが気配を消そうとしているのかが不思議だった。

 オレを呼びつけたあと、何かの理由で会いたくなくなって居留守を使ったのかとも考えたが、まさかオレを殺そうとしていたとは……
 そこまでオレの存在が邪魔だったというのか?
 いや、もしかして……!

「フォーレント、オレを殺すようにゲスニクから命令されたのか? そうだとしたらやめておけ。ゲスニクあいつは近いうちにオレが倒す。お前ももう汚い仕事からは手を洗うんだ」

「何を偉そうに……お前を殺さねば、ゲスニク様にオレが殺されるのだ!」

 フォーレントはぶるぶると全身を震わせながら、剣を持つ腕に力を込める。
 オレの推察通り、ゲスニクに脅されてオレを狙ったってことか。

「だから、ゲスニクについてはオレに任せろって!」

「くどいっ! オレはもうあとには引けん! お前を殺さぬ限り、オレは終わりだ」

 確かに、オレがゲスニクを倒したところで、フォーレントがやってきた悪事は消えないしな。
 ゲスニクとフォーレントはもはや一蓮托生の間柄ともいえる。

 説得しても無駄なら、フォーレントも倒すしかない。
 ただ、ギルド長をここで痛めつけたら、あとあと面倒になるか?
 さて、どうする?

 オレが悩んでいると、刺し殺すのは無理と悟ったフォーレントが剣から手を離し、懐から黒く光る何かを取り出した。

「ゲスニク様からいただいた『闇鎖の封牢ダークネスジェイル』だ! これを喰らえば、さすがのお前も自由には動けん!」

「なんだって!? ちょっと待て、フォーレント!」

 ゲスニクからもらった、というフォーレントの言葉がどうにも聞き捨てならず、オレはとっさにアイテムの使用を止めようと叫んだ。
 しかし、オレの忠告を無視して、フォーレントは素早くその『闇鎖の封牢ダークネスジェイル』というアイテムをオレに投げつける。

 その直後……

「ぐああああっ、な……なんだコレ……は……!?」

闇鎖の封牢ダークネスジェイル』はオレに届く前に空中で爆発し、黒い刃を大量に飛び散らせた。
 アイテムの正体が闇属性のものということには気付いたので、避けるまでもなくオレには無効だったが、フォーレントは全身に黒い刃を浴びてしまう。

「ぐうっ……くそっ、お、おのれゲスニク、オレを騙しやがったな……」

「フォーレントっ!? 『超回復ハイパーヒール』っ!」

 崩れ落ちるフォーレントに対し、オレは『スマホ』に詠唱登録していた回復魔法を無詠唱で放つ。
 しかし、黒い刃はフォーレントの首や心臓に突き刺さってほぼ即死状態だったため、残念ながら間に合わなかった。

 フォーレントの言葉から察するに、本来の『闇鎖の封牢ダークネスジェイル』はオレを捕らえる効果のアイテムだったんだろう。
 だが実際に渡されたのは『闇鎖の封牢ダークネスジェイル』ではなく、周囲にいる者を無差別に殺傷するアイテムだった。

 ゲスニクのヤツめ、オレとフォーレントをまとめて殺そうとしたってことか……。
 フォーレントはあれほどゲスニクに尽くしてきたのに、不要となったらあっさり捨て駒にするなんて、本当にクズだな。
 何はともあれ、この現状をどうするか……?

 オレが思考を巡らせていると、この場に近付く人の気配に気付いた。
 いつの間にかこの建物に入ってきた人がいたのか!
 正面入り口にはレムがいるから、恐らく職員専用の裏口を利用したんだろうが、いったい誰だ!?

 目まぐるしく変化する状況に一瞬オレが戸惑ったところ、その人物はギルド長室に顔を覗かせた。

「フォーレント殿、ゲスニク侯爵が至急お屋敷まで来てほしいとのこと……なっ、これはいったい!?」

 現れたのは、このゲスニク領を査察していたノモス監査官だった。

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 本日から『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』第3巻の電子書籍版が配信開始されてます!
 紙の単行本は早ければ明日店頭販売開始、そして来週水曜23日にはコミカライズも更新されますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。 
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