勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる

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第6章 彼方からの侵略者

第5話 心強き味方たち

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「お、お、おいリューク、おおお前を呼んでるお方がいるから、い、今すぐに俺たちと一緒に来い!」

 昼食後、地下の牢獄でのんびりしていたところに衛兵たちが大慌ててやって来て、牢の鍵を開けてオレを外に出す。
 そして衛兵に促されるまま地上に出てみると、立派な装備を着けた大勢の騎士たちが、街の通りを埋め尽くすように整列していた。
 彼らは……アルマカイン王都の騎士団だ!

 ちょっと待て、さすがに全軍というわけじゃないだろうが、凄い人数が来ているぞ!? 少し離れたところに監査官ノモスさんの姿も見える。
 それどころか、ゾンダール将軍までいるじゃないか!
 あっ、グリムラーゼ王女の馬車もあそこにあるということは、王女も多分来ているだろう。
 ちなみに、ジーナたちやザックたちの姿も騎士団の奥に見える。

 地方の殺人事件程度で、なんで国家の一大事みたいな騒ぎになってるんだ?
 確かにオレは王都からの吉報を待っていたが、こんな事態になることは想定してなかった。
 今回の事件に対する、王都の見解を報せてくれる程度と考えていたのに……
 ゲスニクの私兵である衛兵たちはならず者ばかりだが、この状況にはさすがに怖じ気づいてるようだ。

「リューク様っ! お会いしたかったですわ!」

 馬車に乗っていたグリムラーゼ王女が、オレを見つけて満面の笑みで駆け寄ってきた。
 そしてオレの腕の手錠に気付き、心配そうな声を上げる。

「ああリューク様、そんな手錠をはめられて……! 誰か、リューク様の手錠を外して差し上げて!」

「お久しぶりです、グリムラーゼ王女様。手錠のことは大丈夫なので気にしないでください」

 オレが王女に挨拶していると、続いて馬車から降りた王女専属護衛のヒミカさんとその妹である『天狼七部衆』のサクヤが、揃ってこっちに近付いてきた。

「へへっ、久しぶりだなリューク」

 サクヤがイタズラっぽく笑いながら鼻の頭をこする。

「サクヤまで来ていたのか……みんなに会えたのは嬉しいけど、王都を守る人たちがこんなに来ちゃって、王様は大丈夫なの?」

 王都の戦力が大勢来てしまったので、王都の警備がどうなっているのか心配で訊いてみると、王女は驚きの返答をした。

「あらリューク様、お父様も来てますわよ」

「ええっ、王様まで来てるの!?」

 ……ホントだ!
 ビックリしながら注意深く見回してみると、ひときわ豪華な馬車が奥にあった。
 こりゃ大変なことになっちまったぞ!
 王都がオレの状況を知ったら、きっと何か手を打ってくれると思っていたが、まさか王様まで巻き込んじゃったとは……!

 オレの計画が他力本願だってことはもちろん自覚してたけど、ここまで大ごとになるとは想定してなかった。
 こんな辺境に大勢を呼んじゃって、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 オレが驚いていると、ゾンダール将軍とノモスさんがゆっくりとこっちに歩いてきた。

「リュークよ、ノモス監査官から報告は聞いておる。くだらぬことにおぬしが巻き込まれておるようだから、何か力になってやろうと思いやって来た。当初はワシの部隊のみで来る予定だったのだが、グリムラーゼ殿下が話を聞きつけてな。すると、クラヴィス陛下まで同行すると仰ったので、大部隊で出陣したというわけだ」

「すみません将軍。今回のことでちょっとお力添えいただければと、軽い気持ちで考えてしまったんですが、まさかこんなことになるなんて……本当に申し訳ありません」

「気にせんでよい。実は陛下も王都を出て羽を伸ばしたかったらしく、出立する理由ができて喜んでおるくらいだ。それに、アルマカイン侵略に動いていたレグナザード軍が、この近くで撃退されたいう話も耳にした。恐らくおぬしがやったのだろう?」

「ああ……はい。なんとか追い返すことができました」

 当然ではあるが、レグナザード軍が撤退したことについては、すでに王都にも情報が届いているようだ。
 ちなみに、今のところレグナザード軍は大人しくしている。
 四将軍たちを手酷く返り討ちにしただけに、恐らくもう侵略してこないとは思っているが、警戒は怠らずにいたほうがいいだろう。

 そんなことを将軍と話していると、ゲスニクの私兵たちがバタバタと慌ただしく行き交い始め、そして奥から血相を変えたゲスニクが姿を現した。
 兵士から報告を聞いて飛んできたんだろう。側近のドラグレスとその女のゼナも、すぐ後ろから付いてきている。
 ゲスニクは将軍の前まで来ると、青ざめながら言葉を発した。

「これはゾンダール将軍、長らくご無沙汰をしておりまして大変失礼いたしました。まさかこのような辺境の地に、王都軍の皆様どころかクラヴィス陛下までいらっしゃった理由はなんでしょう?」

「侯爵殿の地でこのリュークが殺人を犯したと聞き、ワシと陛下が真実を確かめに来たのだ。リュークが殺人を犯したなど信じられぬからな」

 将軍は厳しい顔つきでゲスニクに答えた。
 予想外の返答を聞いたゲスニクは、わけが分からないまま慌てふためいている。

「な、な、何故リュークごときのために、そんなことを……」

「知らぬのか? リュークはグリムラーゼ殿下とクラヴィス陛下のお命を救ったのだぞ? このワシもリュークのおかげで命拾いをしておる」

「リュ、リュ、リュークがっ!? まさか!? 其奴そやつにそんな力などあるわけ……」

 ゲスニクは信じられないといった目でオレを見つめる。
 あまりの現実離れした状況に、だいぶ混乱しているみたいだな。

「侯爵殿はワシの言うことが信じられぬと見える。ならば、そこの男……確か侯爵軍の総長ドラグレスだったか? このリュークと戦ってみよ」

「オレが……リュークと戦う?」

 突然将軍に指名されたドラグレスは、この妙な成り行きに戸惑いを隠せず、眉をひそめている。

「そうだ。もしもおぬしが勝てば、リュークはワシの見込み違いということで、ワシらはこのまま何もせずに王都へ引き返す。リュークのこともおぬしたちが好きに裁けばよい。リューク、それでいいか?」

 ゾンダール将軍がオレに確認を取る。

「オレは別に構いません。なんなら、この手錠をはめたまま戦ってもいいですよ」

「なんだと!? リューク、貴様頭がおかしくなったのか? ならばオレは、両手を使わずに戦ってやる!」

 オレの挑発に憤慨したドラグレスが、さらに不利な条件を提案して張り合ってきた。
 相変わらず負けず嫌いだな。

「遠慮するなドラグレス。オレは手錠のまま素手で戦うから、剣でもなんでも使ってオレを殺しに来いよ。せっかくだからゼナも一緒に相手してやろうか?」

 ドラグレスの横で、緊張した面持ちでこのやり取りを見ているゼナにも声をかける。

「……遠慮しておくわ。アンタがどれほど強くなっていようと、ドラグレスが負ける可能性はないしね」

 ゼナはひと呼吸おいて気持ちを落ち着けたあと、冷静に断ってきた。

「ならタイマン勝負だなドラグレス。オレの準備はもうできてる。いつでもかかってきていいぜ」

「ぐぬぬ……このオレをここまでコケにするとは! いいだろう、また大勢の前で土下座させてやる! いや……殺す!」

 そう言いながら、ドラグレスは腰の大剣を抜く。
 それを見た周囲の人たちが後方に下がったことで、オレとドラグレスの戦いの場が出来上がった。
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