勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる

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第6章 彼方からの侵略者

第4話 ゲスニクの計画・リュークの計画

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 地下の牢獄部屋に入ってきたのは、ゲスニクとその側近ドラグレスだった。
 ゲスニクは今回の事態の元凶とはいえ、この領地を統治している侯爵だ。安易に逆らっていい相手ではなく、さすがのジーナやザックたちも、牢獄から下がって慎重に身構える。

「なんだ此奴らは!? 下賤げせんなクズどもがぞろぞろと集まりおって、鬱陶うっとうしいことこの上ない。ええいリューク、このアバズレ女たちはお前が呼んだ娼婦か!?」

 こんな場所に大勢がいることにゲスニクは驚き、怒声をあげた。

「おい親父、失礼なこと言うなよ! 彼らは優秀な冒険者だし、彼女たちはオレが世話になってるチームのメンバーだ」

 みんなに対するフォローを入れつつ、ゲスニクの言葉にオレが答えたが、短気なジーナは侮辱にカチンときたようで、すかさず言い返す。

「あら、リュークが相手なら娼婦と呼ばれようともアタシは構わないわ。アンタみたいな中年デブのハゲ親父は、どんなにお金をもらっても絶対にお断りだけどね」

 このキレ気味の発言に、ユフィオとキスティーがうんうんと頷く。あ、レムもだ。
 一応相手は侯爵なんだから、そういう挑発するなってば……。

「ふん、しょせん低俗な女たちよ。侯爵に対する口の利き方を知らぬと見える。本来ならまとめて牢獄にぶち込んでやるところだが、今のワシはすこぶる機嫌がいい。今回だけは見逃してやろう」

 そう言いながらゲスニクはオレのほうに向き直り、下劣な笑みを浮かべた。

「ククク、無様だなリュークよ。どうやら思ったより成長したとは聞いているが、そうなってはどうすることもできまい。殺人の罪はしっかり償ってもらうぞ」

「いや親父、オレは本当にやってないんだって! フォーレントは勝手に死んだんだ」

「しばらく会わぬうちに、お前は口が悪くなったな。ワシのことは父上と呼ぶように教えたはずだが、しつけを間違ったか? まあ勘当した今ではどうでもいいことだがな」

 躾も何も、魔法でオレを洗脳して好き勝手こき使っていただけだろうに!
 当時のオレは、どんなに酷い命令でも笑顔で「ハイ」と答えながら従っていた。そのイヤな記憶が改めて蘇ってきて、オレはついムスッとした表情を浮かべてしまう。
 ゲスニクも同じことを思い出していたのか、オレを見下すように嘲笑したあと言葉を続けた。

「お前が何を弁解しようとも、お前の殺人行為はノモスが見ておるから言い逃れなどできぬぞ。ヤツは今、このことを王都へ報告しに行っておる。お前の処分については追って沙汰が来るから、それまでここで楽しみに待つがいい」

 そう、ゲスニクが言った通り、本日早朝にノモスさんは王都に向けて出発していた。
 ノモスさんはちょうど王都に帰る予定だったので、査察の報告も兼ねてこの事件に対する指示を仰ぎにいったのだ。

 ゲスニクはオレの実力について少しは知っていたようで、仮に始末に失敗しても大丈夫なように罠を仕掛けた。
 ノモスさんを巻き込めば、オレも余計な反抗などしないで大人しくすると思ったんだろう。
 いくらオレが成長したといっても、王都の監査官相手に無茶をするわけにはいかない。その場から逃げたり、または下手なことをすれば、オレは王都からも狙われてしまうからな。

 ということでオレを上手く罠にはめることができたが、監査官が来ている手前、ゲスニクとしてもオレを安易に死刑にはできない。
 一応、領地の自治権はゲスニクにあるので、普段なら適当な証拠をでっち上げてオレを死刑にしたかもしれないが、査察を気にしてこれ以上強引な手段を取るのは控えたのだろう。
 仕方なく、ゲスニクはあえてノモスさんを送り出し、判断は王都に任せることにした。
 ギルド長殺しなら、王都もきっと死刑と判断するはず――王都のお墨付きがあれば、堂々とオレを処刑できるってところだ。

 こんな計画をゲスニクが思いついたのも、ノモスさんがたまたまこの街に来ていたからだろう。
 ノモスさんに感謝だな。
 オレとアルマカイン王家との関係を知らないゲスニクは、この計画が上手く進行していると思っているようで、完全に勝ち誇った表情をしている。

「おい嘘だろ!? 王都に報告なんてしないでくれ! オレはあんたの息子だったんだぞ、なんとか助けてくれよ! 頼むよ親父!」

 オレは過剰ともいえる演技で、狼狽うろたえる姿を見せた。

「ぐはははっ、いい気味だ。理由なくギルド長を殺したのだから、まず死刑だろう。せっかくだから、ワシが自らお前を処刑してやる。それが元父親としての責任というものだからな……行くぞドラグレス」

 ゲスニクは言いたいことを言ったあと、上機嫌でこの地下牢をあとにした。
 ヤツらの姿が見えなくなってから、ジーナが納得したという表情で話し始める。

「王都に報告か……なるほど、リュークの考えが分かったわ。あの男をぎゃふんと言わせるような一発逆転が見られそうね」

 ジーナの言葉を聞いて、ほかのみんなもニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた。
 オレの計画が上手くいけば、無駄な争いをすることもなく、領民を解放できるかもしれない。
 オレは期待しながら、王都から通達が来るのを待つことにした。

 そして1週間が経った頃……

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』書籍3巻、そしてコミカライズをよろしくお願いいたします。
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