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第6章 彼方からの侵略者
第7話 大団円?
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冒険者ギルド長殺害事件について、ゲスニクは王都で裁かれることになった。
ドラグレスやゼナ、そして侯爵領の兵士たちも多くの罪を犯しているので、全員王都へ連れていくことに。
とりあえず、王様やゾンダール将軍たちはこの侯爵領で一泊したあと、翌朝に王都へ向けて出発する予定だ。
わざわざこんな辺境の地まで来てくれたのに、あまりゆっくりできないのは残念だが、忙しい人たちだから仕方ない。
王都軍の騎士たちが色々と作業をしている中、レムやジーナ、ザックたちもオレのもとに集まり、ようやく全てが終わったことにみんなで安堵する。
グリムラーゼ王女やヒミカさん、サクヤも一緒だ。
無事アニスも領民も救うことができたので、これからは心置きなく、みんなと一緒に生活ができる。
この侯爵領については、今後は優秀な人が統治してくれるだろう。
オレたちが談笑をしていると、騎士たちに指示を出し終えたゾンダール将軍と王様がこちらへとやって来た。
ゲスニクを逮捕するに至ってバタバタと慌ただしい状況になり、つい言いそびれてしまったので、オレは王様と将軍に感謝とお詫びの言葉を伝える。
「クラヴィス陛下、ゾンダール将軍、この度は本当にありがとうございました。今回のことは自分の問題なのに、王都の力に甘えようとして申し訳ありません。思いつきの計画でしたが、まさか陛下まで来られるなんて、我ながら浅慮すぎました」
「よいよい。楽しい旅であった。それより、余はつくづくダメな王だ。メルディナたちには一杯食わされ、ハイゼンバーグのような悪徳領主も我が物顔でのさばらせておったとは……すまぬリューク殿」
王様が申し訳なさそうに、オレに頭を下げる。
「頭を上げてください陛下、ゲスニクは非常に狡猾なヤツだったんで、気付かなくても仕方ありません」
「そう言ってもらえると余も気が楽になる。そのお詫びというわけではないが、リューク殿、この侯爵領に新しい国を作ってみぬか?」
「新しい国……? どういうことです?」
王様の言葉にオレは首を傾げる。
「この侯爵領はアルマカインに属する領土で、その自治権をハイゼンバーグに与えていたわけだが、この領地の所有権をリューク殿に譲渡する。リューク殿には、この地で建国してもらいたい……つまり、国王となってほしいのだ。そなたなら立派な君主となるだろう」
「えっ………………はいいっ!?」
オレは最初王様が何を言ってるのか分からず、しばらく考えてから理解して驚きの声を上げた。
……オレが国王!?
ゲスニクが賜っていた『侯爵』という地位ですら、オレには荷が重い身分なのに、国王なんて絶対に無理だ。
そんなの考えたことすらない。
「実は余がここまで来たのも、このことについてリューク殿に直々に伝えたかったからなのだ。どうだね、リューク殿?」
「いや、自分のことをそこまで信頼していただけて光栄ですが、国王になるなんて無理です! 絶対務まりません!」
オレは過去にないほど狼狽し、慌てて辞退を申し出る。
しかし……
「いいじゃないかリューク、王様になっちゃえよ!」
「そうよ、凄いチャンスだわ! リュークが国を持つなんて、夢みたい!」
「陛下がここまで言ってくださったのに、そのご厚意を無駄にしちゃいけないわ!」
「国王なら自分で法も決められますよマスター! 一夫多妻も自由です!」
ユフィオ、ジーナ、キスティー、レムが、自分のことのようにはしゃぐ。
いや、絶対無理だって!
「リューク殿、余がこんなことを提案したのは、実のところそなたの扱いに困っておるからだ。リューク殿の力は一国に値する。それをアルマカインのもとで預かっておると、内外から妬み嫉みが生まれるだろう。謀略に巻き込もうとする輩もやってくる。余計な争いを避けるためにも、そなたが自分の国を持ったほうがよいと余は判断したのだ」
王様の言ったことを、オレはじっくり噛み砕いて理解しようとする。
……簡単に言えば、オレはアルマカインでは持て余すような存在になってしまったということか?
オレの力を欲しがるヤツ、またはオレの存在を疎ましく思うヤツが、アルマカインにやってきて問題を起こすかもしれない。
だから、国王になれ……と。
国王になれば、オレもそれなりの権力を持つことができる。
つまり、降りかかる火の粉は、その権力を使ってオレ自身で解決してほしいということなのかもな。
「とはいえ、余が認めただけでは、まだ王になれるわけではない。国王会議に出席して、世界に認知されなくてはならない。その会議にリューク殿が出席できるよう、余が推薦しよう」
「……すみません、急なことなので、少し考えさせてください」
「もちろんだ。色よい返事を期待しておるぞ」
そう言って、王様はにこやかに微笑んだ。
国王か…………いや、やっぱ無理だろ。
オレなんかが領土を統治できる気がしない。
「悩むことなんてありませんのに……リューク様なら一国の王どころか、世界の覇王になれますわ!」
「まったくリュークは、誰よりも強いくせに、こういうことには腰抜けだよな。もうちっと度胸がほしいぜ」
満面の笑みで歓喜しているグリムラーゼ王女と、喜びながらも少し呆れているサクヤ。
ほかのみんなも浮かれまくって、好き勝手なことを言っている。
まあなんにせよ、とりあえずこれで一段落だ。
国王になるかについては、あまり気は進まないが、せっかく王様がしてくれた提案だ。ゆっくり検討することにしよう。
そんなことを考えながら、この大団円の和やかな空気に浸っていると、突如男の声がこの場に響き渡った。
「お取り込み中のところすまないが、『覇王の卵』を取ったヤツってのはここにいるのか?」
全員が声の方向に振り向くと、そこには黒髪の男が立っていたのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
来週5月28日に、『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが更新されます。
どうぞ楽しみにお待ちくださいませ。
ドラグレスやゼナ、そして侯爵領の兵士たちも多くの罪を犯しているので、全員王都へ連れていくことに。
とりあえず、王様やゾンダール将軍たちはこの侯爵領で一泊したあと、翌朝に王都へ向けて出発する予定だ。
わざわざこんな辺境の地まで来てくれたのに、あまりゆっくりできないのは残念だが、忙しい人たちだから仕方ない。
王都軍の騎士たちが色々と作業をしている中、レムやジーナ、ザックたちもオレのもとに集まり、ようやく全てが終わったことにみんなで安堵する。
グリムラーゼ王女やヒミカさん、サクヤも一緒だ。
無事アニスも領民も救うことができたので、これからは心置きなく、みんなと一緒に生活ができる。
この侯爵領については、今後は優秀な人が統治してくれるだろう。
オレたちが談笑をしていると、騎士たちに指示を出し終えたゾンダール将軍と王様がこちらへとやって来た。
ゲスニクを逮捕するに至ってバタバタと慌ただしい状況になり、つい言いそびれてしまったので、オレは王様と将軍に感謝とお詫びの言葉を伝える。
「クラヴィス陛下、ゾンダール将軍、この度は本当にありがとうございました。今回のことは自分の問題なのに、王都の力に甘えようとして申し訳ありません。思いつきの計画でしたが、まさか陛下まで来られるなんて、我ながら浅慮すぎました」
「よいよい。楽しい旅であった。それより、余はつくづくダメな王だ。メルディナたちには一杯食わされ、ハイゼンバーグのような悪徳領主も我が物顔でのさばらせておったとは……すまぬリューク殿」
王様が申し訳なさそうに、オレに頭を下げる。
「頭を上げてください陛下、ゲスニクは非常に狡猾なヤツだったんで、気付かなくても仕方ありません」
「そう言ってもらえると余も気が楽になる。そのお詫びというわけではないが、リューク殿、この侯爵領に新しい国を作ってみぬか?」
「新しい国……? どういうことです?」
王様の言葉にオレは首を傾げる。
「この侯爵領はアルマカインに属する領土で、その自治権をハイゼンバーグに与えていたわけだが、この領地の所有権をリューク殿に譲渡する。リューク殿には、この地で建国してもらいたい……つまり、国王となってほしいのだ。そなたなら立派な君主となるだろう」
「えっ………………はいいっ!?」
オレは最初王様が何を言ってるのか分からず、しばらく考えてから理解して驚きの声を上げた。
……オレが国王!?
ゲスニクが賜っていた『侯爵』という地位ですら、オレには荷が重い身分なのに、国王なんて絶対に無理だ。
そんなの考えたことすらない。
「実は余がここまで来たのも、このことについてリューク殿に直々に伝えたかったからなのだ。どうだね、リューク殿?」
「いや、自分のことをそこまで信頼していただけて光栄ですが、国王になるなんて無理です! 絶対務まりません!」
オレは過去にないほど狼狽し、慌てて辞退を申し出る。
しかし……
「いいじゃないかリューク、王様になっちゃえよ!」
「そうよ、凄いチャンスだわ! リュークが国を持つなんて、夢みたい!」
「陛下がここまで言ってくださったのに、そのご厚意を無駄にしちゃいけないわ!」
「国王なら自分で法も決められますよマスター! 一夫多妻も自由です!」
ユフィオ、ジーナ、キスティー、レムが、自分のことのようにはしゃぐ。
いや、絶対無理だって!
「リューク殿、余がこんなことを提案したのは、実のところそなたの扱いに困っておるからだ。リューク殿の力は一国に値する。それをアルマカインのもとで預かっておると、内外から妬み嫉みが生まれるだろう。謀略に巻き込もうとする輩もやってくる。余計な争いを避けるためにも、そなたが自分の国を持ったほうがよいと余は判断したのだ」
王様の言ったことを、オレはじっくり噛み砕いて理解しようとする。
……簡単に言えば、オレはアルマカインでは持て余すような存在になってしまったということか?
オレの力を欲しがるヤツ、またはオレの存在を疎ましく思うヤツが、アルマカインにやってきて問題を起こすかもしれない。
だから、国王になれ……と。
国王になれば、オレもそれなりの権力を持つことができる。
つまり、降りかかる火の粉は、その権力を使ってオレ自身で解決してほしいということなのかもな。
「とはいえ、余が認めただけでは、まだ王になれるわけではない。国王会議に出席して、世界に認知されなくてはならない。その会議にリューク殿が出席できるよう、余が推薦しよう」
「……すみません、急なことなので、少し考えさせてください」
「もちろんだ。色よい返事を期待しておるぞ」
そう言って、王様はにこやかに微笑んだ。
国王か…………いや、やっぱ無理だろ。
オレなんかが領土を統治できる気がしない。
「悩むことなんてありませんのに……リューク様なら一国の王どころか、世界の覇王になれますわ!」
「まったくリュークは、誰よりも強いくせに、こういうことには腰抜けだよな。もうちっと度胸がほしいぜ」
満面の笑みで歓喜しているグリムラーゼ王女と、喜びながらも少し呆れているサクヤ。
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まあなんにせよ、とりあえずこれで一段落だ。
国王になるかについては、あまり気は進まないが、せっかく王様がしてくれた提案だ。ゆっくり検討することにしよう。
そんなことを考えながら、この大団円の和やかな空気に浸っていると、突如男の声がこの場に響き渡った。
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全員が声の方向に振り向くと、そこには黒髪の男が立っていたのだった。
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