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第6章 彼方からの侵略者
第8話 黒髪の男
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万事全て解決し、これで一件落着と思っていたところで、謎の男が現れた。
男は中肉中背で、一見どこにでもいるような普通の人間だが、あまり見かけたことのない変わったデザインの服を着ていた。
そして、なんといってもオレと同じ黒い髪をしている。
当然だが黒髪は非常に珍しいうえ、優秀なギフトを授かると言われていて、オレ自身その言い伝え通りに『スマホ』という貴重なギフトを授かった。
だがそれ以外にも、黒髪について気になることをザックたちからオレは聞いていた。
現在、世界の各地で黒髪が出現しているという噂だ。
ザックたちはゲインロードからこの話を聞いたらしいが、ダンジョンクリア後のオレはアニスやゲスニクのことで頭がいっぱいだったんで、すっかりこのことを忘れていた。
謎の力を持っているとのことだったが、まさかオレと同じ『スマホ』だろうか?
もしそうなら、敵に回すと非常に厄介な存在になるが……
オレはこっそり『スマホ』で撮って男の能力を分析してみた。
……『雷光の勇者』?
おかしな名前のギフトだ。『勇者』という名称が付くギフトなんて聞いたことがない。
それに、ギフトの優劣を判断するランクがない。こんなのは初めてだ。
一応、『スマホ』じゃなかったことに少し安心したが、いったい何者なんだ?
「おいおい、お前ら全員耳が聞こえねえのか? もう一度聞くぜ、『覇王の卵』を取ったヤツは誰だ? いるなら名乗り出ろ」
「『覇王の卵』なんて実際にはなかったんだ。それより、その話をどこで聞いた?」
ゾンダール将軍を差しおいてオレが出しゃばるのは気が引けたが、『覇王の卵』について聞いているのなら、オレが答えたほうが話は早いだろう。
オレの回答を聞くと、男は首を傾げながら不思議そうな表情になった。
「お前……黒髪ってことは『ニホンジン』だろ? なんでこんなところにいる? この世界への転移場所はウインガリア帝国の近くが多かったんだが、こんな僻地に飛ばされたヤツもいたってことか?」
「オレが『ニホンジン』……? いったいなんのことだ?」
「とぼけるのはよせよ。お前もオレたちと同じ、『地球』で死んでこの世界に転生してきた異世界人だろ? ここに来てまだ1年も経ってないはずだ」
「『地球』から転生してきただって!? 待ってくれ、オレはこの世界で生まれて、すでに18年以上過ごしているぞ」
「なんだって!?」
オレの言葉を聞いて、男は大声で驚いた。
男の話からすると、オレは『ニホンジン』ということらしい。そして彼も『地球』から転生してきたという。
オレは『地球』で死んで転生したことは思い出したんだが、その肝心な地球のことはほとんど覚えていない状態だ。
『スマホ』についても、うっすらと変な記憶が残っている程度で、本来の使い方を知らない。
オレのルーツは異世界にあるのかもしれないが、目の前の男もオレと同じ存在だということか?
……いや、オレは間違いなくこの世界で生まれた。ここに来てまだ1年経っていないという彼とは状況が違う。
男の驚愕ぶりから考えても、オレは彼らとは違う存在だろう。
ただ、何かしらの関係はあると感じている。同じ黒髪同士、きっと理解し合えるはずだ。
「そっちの質問には答えた。今度はこっちが聞く番だ。『覇王の卵』についてどこで知ったんだ?」
「ここのお隣のレグナザードっていう国で聞いたぜ? 何やら『覇王の卵』でとんでもない力を手に入れたヤツがいるってな。どんなヤツか拝みに、わざわざ来てやったんだ。もったいぶらずに教えろ」
レグナザードに行ったのか!
確かに、あの四将軍たちにはオレの力を見せた。それは、いちいち『覇王の卵』のことで狙われるのは面倒だから、もう使ってしまって手元にはないということにしたかったからだが、それでも確かめに来るとは……
というか、レグナザードの将軍たちがこんなにあっさり情報を漏らすなんて想定外だった。
『覇王の卵』は極秘にしたい存在だ。それをこんな男に簡単に教えてしまうなんて、にわかには信じられない。
もしかして、レグナザードで何かあったのか?
『覇王の卵』についてはどうするか……やはり使ってしまったことにしたほうが、今後狙われずに済む気がする。
オレという最強の存在がいることで、何かの抑止力になるかもしれないしな。
「……『覇王の卵』はオレが使った。だからオレは世界最強になっている。君はそれを聞いたうえで、何故ここに来た? そもそも、よくこの情報を教えてもらうことができたな?」
オレは疑問に思ったことを訊いてみた。
「なんだ、強くなったってのはお前なのか。異世界人なら、周りを出し抜いて『覇王の卵』を手に入れたってのも納得だぜ。ちなみに、教えてもらったんじゃなくて、偉そうな将軍どもを叩きのめして無理やり吐かせたんだけどな」
「レグナザードの将軍たちを叩きのめした? 彼らは『魔喰人』で、そう簡単に勝てる相手じゃないぞ!?」
デルビアドという男が使役していたドラゴン3体はオレが倒してしまったので、恐らく現在ドラゴンはいないだろうが、『魔喰人』としての身体能力だけでも通常の人間では到底太刀打ちできないような強さがある。
オレと直接戦わなかったシンという将軍も、老体でありながらかなりの力を秘めていた。
ゾンダール将軍ですら、彼らに勝つことは簡単じゃないだろう。それをこの男が倒したというのか?
「『魔喰人』……? よく知らねえが、そういや変な能力を持ってたな。しつこく抵抗しやがったから、情報を聞き出したあと皆殺しにしてやったぜ」
「み、皆殺しだって!? じゃ、じゃあレグナザードは……!?」
「ああ、オレたち異世界人が奪って支配した。あの程度の国、オレ1人で制圧できたぜ。言っておくがほかにも国を落としていて、すでにウインガリア帝国すらオレたちの支配下だ」
「なんだとっ!?」
じっと話の成り行きを見守っていたゾンダール将軍が、驚愕の声を上げた。
「バカなっ、帝都メギドラには猛将グレンダス将軍と大魔導士エレンティスタがおるはず!? 優秀な聖光十騎士や白鳳魔導隊もおる! そう簡単に落とせるはずが……」
「あんなヤツらぶっ殺すのは朝飯前だったぜ。まあ皇帝には逃げられちまったがな」
帝国が侵略された!? ウソだろ?
オレだって帝国の戦力は知っている。
大勢のエリートで構成された特殊部隊もあったはずで、たとえ数カ国が協力して帝国に攻め入っても、まず負けることはないくらいに帝国は飛び抜けた軍事力だ。
それを簡単に落とすなんて……やはり黒髪には特別な力があるってことか!?
「ま、そういうわけで、この世界はオレたちが支配させてもらうが、『覇王の卵』で最強になったヤツってのが気になってな。そいつには絶対に勝てねえから世界征服は諦めろ……レグナザードの将軍たちがそう言いやがるから、その強さを味わいにここまで来たんだが、同じ黒髪ならあえて戦う必要もねえ。オレたちの仲間になれよ。一緒に世界を征服しようぜ」
黒髪の男は、オレを仲間に引き入れようとしてきた。
が、当然そんな誘いに乗るオレじゃない。
「申し訳ないが断る。オレは黒髪だが、異世界人じゃない。この世界の住人だ。だから異世界人がこの世界を侵略するというのなら、抵抗させてもらう」
「ほう……お前のためを思って誘ってやったのに、意外と頭が悪いな。まあいい、なら当初の目的通り、最強になったというお前の強さを味わわせてもらうぜ」
そう言いながら、男は殺気を出して戦闘態勢を取り始めた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
本日は『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』コミカライズの更新日です。
第7話がUPされましたので、是非ご覧になってくださいませ。
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「『地球』から転生してきただって!? 待ってくれ、オレはこの世界で生まれて、すでに18年以上過ごしているぞ」
「なんだって!?」
オレの言葉を聞いて、男は大声で驚いた。
男の話からすると、オレは『ニホンジン』ということらしい。そして彼も『地球』から転生してきたという。
オレは『地球』で死んで転生したことは思い出したんだが、その肝心な地球のことはほとんど覚えていない状態だ。
『スマホ』についても、うっすらと変な記憶が残っている程度で、本来の使い方を知らない。
オレのルーツは異世界にあるのかもしれないが、目の前の男もオレと同じ存在だということか?
……いや、オレは間違いなくこの世界で生まれた。ここに来てまだ1年経っていないという彼とは状況が違う。
男の驚愕ぶりから考えても、オレは彼らとは違う存在だろう。
ただ、何かしらの関係はあると感じている。同じ黒髪同士、きっと理解し合えるはずだ。
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というか、レグナザードの将軍たちがこんなにあっさり情報を漏らすなんて想定外だった。
『覇王の卵』は極秘にしたい存在だ。それをこんな男に簡単に教えてしまうなんて、にわかには信じられない。
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オレという最強の存在がいることで、何かの抑止力になるかもしれないしな。
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オレは疑問に思ったことを訊いてみた。
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帝国が侵略された!? ウソだろ?
オレだって帝国の戦力は知っている。
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それを簡単に落とすなんて……やはり黒髪には特別な力があるってことか!?
「ま、そういうわけで、この世界はオレたちが支配させてもらうが、『覇王の卵』で最強になったヤツってのが気になってな。そいつには絶対に勝てねえから世界征服は諦めろ……レグナザードの将軍たちがそう言いやがるから、その強さを味わいにここまで来たんだが、同じ黒髪ならあえて戦う必要もねえ。オレたちの仲間になれよ。一緒に世界を征服しようぜ」
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