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其の二 咆哮
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オニキモンは少し間を開けた後、唐突に変顔をしながら不気味な声を発した。
「あうーーーーーーーー」
これが今の日本の総理大臣なのである。そのことは他の卒業生たちも重々承知しているようで、会場全体が失笑し、呆れているようだった。オニキモンが記者会見や国会答弁で奇声を上げるのは日常の風景である。誰も大して気にしていない。
「うへっへっへっへっ」
オニキモンは気味の悪い下品な笑みを浮かべた。今の「あうー」が会心の出来だったのだろう。たいそうご満悦のようである。
そう思った直後、オニキモンはカッと目を見開き、
「うりゃうりゃうりゃりゃりゃ、ウホホホーーーーーーーーイッ!!」
とバカでかい奇声を上げた。その様はまるで獣の咆哮である。
一体このオッサンは何をしに来たのだ。そして、この学校は何でこんな奴を、よりによって卒業式に呼んでしまったのか。会場がそんな空気に包まれている気がした。総理大臣が来たというのに、誰も喜んでいない。オニキモンの不人気ぶりが如実に表れていた。
続いてオニキモンはゴリラのように自分の胸を叩きながら、
「うおおおおおおーーーーーーーーーーーーー!!!」
と絶叫した。これはオニキモンの得意中の得意のまさに十八番のゴリラのモノマネである。
オニキモンはこのゴリラのモノマネが気に入っているようで、オニキモンの奇怪な言動の中で一番頻度が高いというデータがある。もちろん、そんなデータなどどうでもいいのだが、わざわざ数えて報道している連中がいるということだ。
「ウホッ、ウホホッ!! ウッホッホーーーーイッ!!」
オニキモンは恍惚の表情を浮かべながらゴリラのモノマネを続けている。ゴリラのような動きで左右に動き回り、胸を叩いたり、ウホウホ言っている。
オニキモンのことを全く知らない人が見れば、精神異常者に見えるだろうが、これが奴の通常運転なのである。卒業生たちも呆れて見ているだけである。
オニキモンはひとしきりゴリラのモノマネをし、満足したのか、動きが止まった。そしてまた、会場全体をジロリと見渡し、気怠そうにしている。
「この学校は制服が無いんすかね。お前ら、いろんな服着てるけどさ、こっからぱっと見る限り、なーんかつまんねーんだよなー。どうせなら俺様がスゲーと思うような服着てくりゃーいいのに」
また挑発してきた。
「そんなもん脱いじゃえよ。あ、男子は別に脱がなくていいです。つーかどうでもいいです。女子は脱いじゃっていいですよ。ふはははははっ」
下品な笑い声が会場に響く。
「しょうがねーなー、代わりに俺が脱いでやるよ。ふへへへへ」
オニキモンはそう言うと、上半身だけ脱いでいき、白い袖なしのシャツ一枚のみになった。つまり、上半身だけ下着である。さすがのオニキモンでもこの場で下は脱がない分別はあるらしい。
オニキモンは自分の上半身に自信があるのか、ボディービルダーのように腕っぷしを見せつけるポーズをとっている。ウットリとした表情を浮かべているので、完全に自己陶酔に陥っているのが分かる。
しばらくすると、オニキモンはボディービルダーの真似に飽きたようで、今度は急に腕立て伏せをし始めた。
「いーーーっち!! にーーーっ!! さーーーんっ!! しーーーっ!! ごおおおーーーっ!!」と大声で叫びながら続ける。
「じゅうきゅうーーーっ!! にじゅうーーーーーーーーーっ!!!!」
20回目に一際大きな声で叫ぶと、オニキモンはゆっくりと立ち上がり、力こぶを見せつけるポーズをとった。目を燦然と輝かせ、充実感に満ちた表情をしている。
「どうですか、今の俺様の腕立て伏せは。女子の皆さんは、俺様に惚れちまったんじゃねーの? はっはっはっはっ!!」
「あうーーーーーーーー」
これが今の日本の総理大臣なのである。そのことは他の卒業生たちも重々承知しているようで、会場全体が失笑し、呆れているようだった。オニキモンが記者会見や国会答弁で奇声を上げるのは日常の風景である。誰も大して気にしていない。
「うへっへっへっへっ」
オニキモンは気味の悪い下品な笑みを浮かべた。今の「あうー」が会心の出来だったのだろう。たいそうご満悦のようである。
そう思った直後、オニキモンはカッと目を見開き、
「うりゃうりゃうりゃりゃりゃ、ウホホホーーーーーーーーイッ!!」
とバカでかい奇声を上げた。その様はまるで獣の咆哮である。
一体このオッサンは何をしに来たのだ。そして、この学校は何でこんな奴を、よりによって卒業式に呼んでしまったのか。会場がそんな空気に包まれている気がした。総理大臣が来たというのに、誰も喜んでいない。オニキモンの不人気ぶりが如実に表れていた。
続いてオニキモンはゴリラのように自分の胸を叩きながら、
「うおおおおおおーーーーーーーーーーーーー!!!」
と絶叫した。これはオニキモンの得意中の得意のまさに十八番のゴリラのモノマネである。
オニキモンはこのゴリラのモノマネが気に入っているようで、オニキモンの奇怪な言動の中で一番頻度が高いというデータがある。もちろん、そんなデータなどどうでもいいのだが、わざわざ数えて報道している連中がいるということだ。
「ウホッ、ウホホッ!! ウッホッホーーーーイッ!!」
オニキモンは恍惚の表情を浮かべながらゴリラのモノマネを続けている。ゴリラのような動きで左右に動き回り、胸を叩いたり、ウホウホ言っている。
オニキモンのことを全く知らない人が見れば、精神異常者に見えるだろうが、これが奴の通常運転なのである。卒業生たちも呆れて見ているだけである。
オニキモンはひとしきりゴリラのモノマネをし、満足したのか、動きが止まった。そしてまた、会場全体をジロリと見渡し、気怠そうにしている。
「この学校は制服が無いんすかね。お前ら、いろんな服着てるけどさ、こっからぱっと見る限り、なーんかつまんねーんだよなー。どうせなら俺様がスゲーと思うような服着てくりゃーいいのに」
また挑発してきた。
「そんなもん脱いじゃえよ。あ、男子は別に脱がなくていいです。つーかどうでもいいです。女子は脱いじゃっていいですよ。ふはははははっ」
下品な笑い声が会場に響く。
「しょうがねーなー、代わりに俺が脱いでやるよ。ふへへへへ」
オニキモンはそう言うと、上半身だけ脱いでいき、白い袖なしのシャツ一枚のみになった。つまり、上半身だけ下着である。さすがのオニキモンでもこの場で下は脱がない分別はあるらしい。
オニキモンは自分の上半身に自信があるのか、ボディービルダーのように腕っぷしを見せつけるポーズをとっている。ウットリとした表情を浮かべているので、完全に自己陶酔に陥っているのが分かる。
しばらくすると、オニキモンはボディービルダーの真似に飽きたようで、今度は急に腕立て伏せをし始めた。
「いーーーっち!! にーーーっ!! さーーーんっ!! しーーーっ!! ごおおおーーーっ!!」と大声で叫びながら続ける。
「じゅうきゅうーーーっ!! にじゅうーーーーーーーーーっ!!!!」
20回目に一際大きな声で叫ぶと、オニキモンはゆっくりと立ち上がり、力こぶを見せつけるポーズをとった。目を燦然と輝かせ、充実感に満ちた表情をしている。
「どうですか、今の俺様の腕立て伏せは。女子の皆さんは、俺様に惚れちまったんじゃねーの? はっはっはっはっ!!」
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