15 / 139
第1章 狂気の家庭生活
第15話 三人でドライブ
しおりを挟む
妻が暴走した秋の話。
三人で隣の県までドライブに出かけた時、サービスエリアで妻に娘を預けて、トイレに行こうとすると、娘が嫌がって泣くため、娘を抱っこしたままトイレに入った.
しっかりと片手で娘を抱えたまま、用を足すという至難の業。
いつか娘が大きくなって、この一文を見た時、「何してんの、お父さん」と思うかもしれないけど、それぐらい、お母さんに懐かなくなっていて、どうしようもなかった。放っておけないくらい、大事な娘だったから。
いつもと違って、高速道路では、私が運転し、妻が後ろに座った。
チャイルドシートで娘が泣くと、妻はあやし方が分からない様子で、泣きっぱなしにしておくだけだった。こういう時の妻の気持ちはどんなだったろう。「うるさいな」とか「めんどうくさいな」なのだろうか。ミラーに映る表情は、ただ静かに固まっているだけだった。
一般道路なら後ろに手を伸ばしてあやすこともできるけど、山の中をカーブしていく道で、しっかりとハンドルを握る手では、そんな芸当もできない。
幼児番組のCDをかけて、一緒に歌ってあげるぐらいしかできなかった。
「ぐるぐる~、ドカーン♪」
後ろの席からは見えないかもしれないけど、お父さんは、ちゃんと見てるよ。
「ぐるぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐる♪」
ほら、ちゃんと声も聞こえるでしょう。
帰り道、暗闇の中で、たまに高速道路の照明に照らされる妻の顔は、無言のまま白く冷たく凍っていた。
三人で隣の県までドライブに出かけた時、サービスエリアで妻に娘を預けて、トイレに行こうとすると、娘が嫌がって泣くため、娘を抱っこしたままトイレに入った.
しっかりと片手で娘を抱えたまま、用を足すという至難の業。
いつか娘が大きくなって、この一文を見た時、「何してんの、お父さん」と思うかもしれないけど、それぐらい、お母さんに懐かなくなっていて、どうしようもなかった。放っておけないくらい、大事な娘だったから。
いつもと違って、高速道路では、私が運転し、妻が後ろに座った。
チャイルドシートで娘が泣くと、妻はあやし方が分からない様子で、泣きっぱなしにしておくだけだった。こういう時の妻の気持ちはどんなだったろう。「うるさいな」とか「めんどうくさいな」なのだろうか。ミラーに映る表情は、ただ静かに固まっているだけだった。
一般道路なら後ろに手を伸ばしてあやすこともできるけど、山の中をカーブしていく道で、しっかりとハンドルを握る手では、そんな芸当もできない。
幼児番組のCDをかけて、一緒に歌ってあげるぐらいしかできなかった。
「ぐるぐる~、ドカーン♪」
後ろの席からは見えないかもしれないけど、お父さんは、ちゃんと見てるよ。
「ぐるぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐる♪」
ほら、ちゃんと声も聞こえるでしょう。
帰り道、暗闇の中で、たまに高速道路の照明に照らされる妻の顔は、無言のまま白く冷たく凍っていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる