あの世界で

みおん

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あの世界。

3話 今助けに行くよ! あの世界。完結

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「集まって…きてる…ね…」
「愛菜…」
「…息が…しづらいから…」
「死なないでくれ!」
「ご…め…ん…」
「ガチャ」
ドアの音がした。誰だ?あいつはここにはいないはずだ。こういう誰かが死ぬ姿は拝まない主義だと言っていたはず…
「全員集まってきてやったぜ!」
「!?」
…愛菜が死ぬことがなくなったことがとても嬉しかった。
「ドサッ」
愛菜が解放された。これでもう大丈夫なはず…。
「愛菜!」
…こいつが愛華ってやつなのか…
「よかった…無事で…」
…そして…
「は~あ~…面白くなーい。こんなに早く全員集まって、この部屋を探し当てるなんて~…」
「…さあ、帰らせてもらおうか?」
「そんな簡単に帰らせてあげると思ってる?テレポート!」
「あ、ばか!」
そうしてまた俺達はバラバラになった。ふとポケットの仲が重くなっているのを感じ、見てみると、ペンダントのようなものを見つけた。それをマジマジと見てみると…。
『あっ、全員に渡ってたね!よかった』
これは一体何なんだ?ビデオ通話のようなものなのか…?
『これで全員連絡取り合ってすぐに集まろ!』
『噴水広場に集まろうぜ!』
あの短時間で16人に渡したって言うのか?このペンダントを…。そして、誰かに言われた通り噴水広場に集まった。その噴水広場には、もう15人全員集まっていた。
「はやっ…」
「おせえぞ、樹。さあ、いこうぜ。」
「ドアの場所で検討はついてるのか、連夜」
「ああ、ここだ」
「すげーな…」
「あのペンダントは誰かに監視されても大丈夫なように、私たち16人にしか見えないようにしてるから大丈夫だよ」
と、小原柚が言っている。だが、またこんなに早く集まってあいつの所に行ったらまたバラバラに放り出されるのがオチな気が…
「面白くな~い。またどこかに飛ばそ~」
「柚!」
「分かってるよ!桜!」
は?俺は柚に手を掴まれ、愛菜は桜に手を掴まれ、そして、柚と桜は全力で走っている。…何がしたい?そう思って、周りを見ると全員が四方八方に移動しているのだ。全く持って意味がわからなかったが、ペンダントから声がする。
『説明なくてごめんね!一箇所に全員固まって立ち止まってたら、それこそ相手の思うつぼだから、全員で相手を錯乱させてるの。その隙に楓にやってもらうつもりだから安心して。』
なるほど、そういうことか一か所に固まっていたら絶対に誰かがやられてしまう。だから全員で移動しながら相手の隙をつくってことか…。こいつらもなかなか考えるな…。そして数時間が経過した。立っているのは俺たち16人、倒れているのは敵。俺達は勝ったのだ。だから自分たちの世界に戻れるんだが…。こうやって協力し合って戦った以上、すぐには別れられない。俺だって愛菜とは別れたくない…。だが、別れなければならないから…。俺は決断をする。
「そんなメソメソしてたって何も変わらねえだろ?今こうやって出会えたことを楽しもうぜ。またどこかで出会えるかもしれないじゃねーか。この世界はどこかできっと繋がっている。だからその時に会えるはずだ」
「なかなかくせえ事言うじゃねぇか、樹」
「うるせえ、おめえに言われたくねーわ、玲奈が好きな連夜さんよ」
「まじかよ、連夜お前玲奈のこと好きだったのかよ」
「わ、悪いなぁ海斗。おめえには言えなくてよw」
「言えなくてってもう言えねえだろ…」
「…」
「どうしたの?」
不思議そうに柚が聞いてくる
「俺、死んでるんだ。実は」
海斗はきっと言いづらかったと思う。でもここには玲奈がいたから。玲奈がいたから、海斗は本当のことを話した。玲奈も海斗も辛いと思う。でも言わなければならないことだから。俺も海斗が死んだなんて信じることはできない。
「え?死んでるの?」
「あんまり言いたくなかったんだけどな。だからきっとこの世界から僕が立ち去った時、きっと僕の意識はもう永遠になくなると思う。だから君たちとはもう会えないんだ。」
「…」
「ごめんね。こんなこと聞いて…バイバイ」
桜は耐えきれなくなって、自分の世界へ戻った。
そうして残っているのは、俺と柚と海斗と連夜と玲奈と澪奈と真琴と明音だけになった。見ての通り、幼なじみという存在のメンバーだ。柚も残ってくれている。柚は涙をこらえるような表情だ。辛いのであれば帰ったらいいと思う。でも帰ったら二度ともう海斗とは会えないから…。みんなここにいる全員は帰りたくないと思う。
「帰るか」
「海斗?」
「ここにいても始まんねーだろ?これからはお前らの時代だ。俺は遠くからお前らの活躍を見守ってるから頑張ってこいよ。な?」
そして、俺の目からは涙が止まらなくなった。柚も連夜も玲奈も澪奈も真琴も明音も全員涙が止まらなくなった。ぽろぽろぽろぽろと涙がこぼれ落ちていく。そうしておれたちは海斗に背を押され、自分達の世界へ戻った。本当は戻りたくなんてなかったんだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あの世界で海斗と出会えた。それはすごいことだと思った。だって、海斗はこの世界では死んでいるんだもん。海斗と会いたい。ずっと会いたいって思っていた。そしたら会えた。でも会えていたのはほんの数分だけですぐ会えなくなってしまった、海外と会いたいのに会えないこの気持ちを背負って私は今日も生きていく        終
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