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第1章 竜人の国
こんなやり取りがあった…らしい
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「なるほど。
我が使徒様に王都を案内している間に、他の者達には中庭に近づかぬよう人払いをしていた、というわけか。
して、そのようにしたそなたの目的は?」
「どのような人物なのか?というのを確認するためでございます。
種族やお人柄によっては、家臣や国民への指示や対応も変わってくると思いましたので」
「そなたらしいのぅ。
我は政に全く関心が無いからのぅ。
それで…
どのようにするつもりじゃ」
「このまま使徒様とイングリッド様はご結婚されるべきかと」
「…そなた…
まさかとは思うが…本気で言っておるのか?」
「もちろんでございます。
10年もの間王座を空席にしていて、お相手が見つからなかったというのは国内外において反発の火種を生むかと。
それに、使徒様の妻が治める国、そう大陸にも広く認知されれば衰退傾向にある交易も回復することでしょう。
貿易は島国であるわが国にとっては生命線でもありますので」
「確かに…
法皇国が我を邪竜認定してからは少しずつ物価が上がっておったしのぅ。
我は実際に大陸を旅しておったからわかったが、あの国は宗教の力で他国にも影響力を持ち勢力を広げつつある。
となれば、猶更じゃな」
「ですので、イングリッド様。
できるだけ早く使徒様とのご結婚を」
「う~む…
それは神の力を笠に着るといったことになるからのぅ…
そもそもこの話は使徒様のご意思を無視しておるではないか」
「その点は問題ございません。
イングリッド様が使徒様を惚れさせればよろしいのです」
「なっ!
何を言っておるのじゃ、そなたは!」
「何もおかしなことを申し上げているつもりはございません。
10年も私にこの国のことを放り投げて婿探しをされていたイングリッド様であればそのくらいは容易いことかと。
その身に付けられた女子力、私も参考にさせて頂きます」
「リーゼロッテ…さては根に持っておるな…」
「滅相もございません」
「まぁ姉である我が先に結婚しないことには妹であるそなたも気が引けるといったところか。
どうやら気になる異性もできたようじゃしのぅ」
「なっ!
何を言っておられるのですか、お姉様!
そんな相手なんていませんよ!
…ただ、私もちょっとは男性に興味を持ち始めたと言いますか…何と言いますか…
って、私のことはどうでもいいんです!
とにかくお姉様…
イングリッド様には使徒様に惚れて頂くよう努めてもらいます!」
「いや…そのように力強く言われてものぅ…」
「使徒様の何が不満なのですか?
あの不思議なお力もそうですが、実力もかなりのものだとお見受けしましたが」
「それがのぅ…
まだ我は使徒様のお顔を拝見しておらぬのじゃ…」
「え?」
「いや、じゃから…使徒様のお顔をまだ見てないと言っておる。
もしもじゃ…
もしも生理的に受け付けないお顔だったらそなたはどう責任を取ってくれるのじゃ!」
「あ…いや…
じゃ…じゃあ、そうですね…
とりあえず形式上だけでもいいので婚約という形に持っていく…というのは?
いざとなれば、婚約破棄とかできるかもしれませんし…」
「使徒様を相手に本当にそのようなことができると?」
「頑張ります!」
「はぁ…
とりあえずはその提案、頭の片隅にでも入れておこう。
我は家臣の相手をしてくる。
きっと時間を取られるであろうから、宴の準備と中庭の連中の処理はそなたに頼んだぞ」
「かしこまりました」
ふぅ…
ようやく長い話から解放されたわ。
これだから国や家臣を持つのは面倒なのじゃ。
さて、使徒様の様子でも見に行くとするか。
1人になりたいとは仰っておったが、放置し過ぎて機嫌を損なってもらっても困るからのぅ。
え?
なんじゃ?
どういうことじゃ?
あの使徒様のお姿…
我の好み過ぎるというのは一体どういうことなのじゃ!?
こう感じてしまうのも神の力の一端なのじゃろうか?
少しでも気を抜けば我の腑抜けた顔を見せてしまうところであった…
これからも使徒様とお会いする時は冷静を装わねばならぬのか…
「イングリッド様?」
「ん?
ああ、すまぬ。
少々考え事をしておってのぅ」
「それで、あの者達の処理はどうされますか?
とりあえずは生かしたまま地下牢に投獄しておりますが」
「どうやら操られていた可能性がある者もいたという件じゃったな。
今から我が直々に出向こう」
あの数のドラゴンバスターといい、そのような効果を持つ魔道具らしきもの…
きっと黒幕がおるはずじゃ。
まぁ、大体の想像は付くが。
…使徒様が降臨されたのも納得といったところじゃな。
「かしこまりました。
では、私は宴席の準備を指揮して参ります」
「少し待て、リーゼロッテよ。
先の件なのじゃが…」
「先の件?」
「…婚約の話じゃ…」
「ああ~。
その話ですか。
どうかされたのですか?」
「いや…その…
今宵の宴で婚約を発表するというのはどうかと思うてのぅ」
「え!
まさか、このような短い時間で使徒様を虜にしたというのですか!?」
「…いや…実は…その逆で…」
「逆?」
「…その…我のほうが…使徒様に一目ぼれしてしまったようでのぅ…」
「はい?」
「何度も言わせるでない!
とにかくじゃ!
事実はどうあれ、先に婚約をしたということを周知させてじゃな、そこから我を意識してもらう!
そして、ゆくゆくは使徒様とめでたく結婚!
…という筋書きじゃ」
「周りから囲んでいく作戦というわけですね。
悪くはないと思いますが、今夜の宴席でですか?
それはあまりにも急過ぎるのでは?」
「かまわぬ!」
「恋は盲目という言葉はよく聞きますが…
かしこまりました。
イングリッド様がそう仰るのであれば、そのように手配致します。
…ただ、どうなっても知らないですよ。
この件に関しては、私、責任取れないですからね」
我が使徒様に王都を案内している間に、他の者達には中庭に近づかぬよう人払いをしていた、というわけか。
して、そのようにしたそなたの目的は?」
「どのような人物なのか?というのを確認するためでございます。
種族やお人柄によっては、家臣や国民への指示や対応も変わってくると思いましたので」
「そなたらしいのぅ。
我は政に全く関心が無いからのぅ。
それで…
どのようにするつもりじゃ」
「このまま使徒様とイングリッド様はご結婚されるべきかと」
「…そなた…
まさかとは思うが…本気で言っておるのか?」
「もちろんでございます。
10年もの間王座を空席にしていて、お相手が見つからなかったというのは国内外において反発の火種を生むかと。
それに、使徒様の妻が治める国、そう大陸にも広く認知されれば衰退傾向にある交易も回復することでしょう。
貿易は島国であるわが国にとっては生命線でもありますので」
「確かに…
法皇国が我を邪竜認定してからは少しずつ物価が上がっておったしのぅ。
我は実際に大陸を旅しておったからわかったが、あの国は宗教の力で他国にも影響力を持ち勢力を広げつつある。
となれば、猶更じゃな」
「ですので、イングリッド様。
できるだけ早く使徒様とのご結婚を」
「う~む…
それは神の力を笠に着るといったことになるからのぅ…
そもそもこの話は使徒様のご意思を無視しておるではないか」
「その点は問題ございません。
イングリッド様が使徒様を惚れさせればよろしいのです」
「なっ!
何を言っておるのじゃ、そなたは!」
「何もおかしなことを申し上げているつもりはございません。
10年も私にこの国のことを放り投げて婿探しをされていたイングリッド様であればそのくらいは容易いことかと。
その身に付けられた女子力、私も参考にさせて頂きます」
「リーゼロッテ…さては根に持っておるな…」
「滅相もございません」
「まぁ姉である我が先に結婚しないことには妹であるそなたも気が引けるといったところか。
どうやら気になる異性もできたようじゃしのぅ」
「なっ!
何を言っておられるのですか、お姉様!
そんな相手なんていませんよ!
…ただ、私もちょっとは男性に興味を持ち始めたと言いますか…何と言いますか…
って、私のことはどうでもいいんです!
とにかくお姉様…
イングリッド様には使徒様に惚れて頂くよう努めてもらいます!」
「いや…そのように力強く言われてものぅ…」
「使徒様の何が不満なのですか?
あの不思議なお力もそうですが、実力もかなりのものだとお見受けしましたが」
「それがのぅ…
まだ我は使徒様のお顔を拝見しておらぬのじゃ…」
「え?」
「いや、じゃから…使徒様のお顔をまだ見てないと言っておる。
もしもじゃ…
もしも生理的に受け付けないお顔だったらそなたはどう責任を取ってくれるのじゃ!」
「あ…いや…
じゃ…じゃあ、そうですね…
とりあえず形式上だけでもいいので婚約という形に持っていく…というのは?
いざとなれば、婚約破棄とかできるかもしれませんし…」
「使徒様を相手に本当にそのようなことができると?」
「頑張ります!」
「はぁ…
とりあえずはその提案、頭の片隅にでも入れておこう。
我は家臣の相手をしてくる。
きっと時間を取られるであろうから、宴の準備と中庭の連中の処理はそなたに頼んだぞ」
「かしこまりました」
ふぅ…
ようやく長い話から解放されたわ。
これだから国や家臣を持つのは面倒なのじゃ。
さて、使徒様の様子でも見に行くとするか。
1人になりたいとは仰っておったが、放置し過ぎて機嫌を損なってもらっても困るからのぅ。
え?
なんじゃ?
どういうことじゃ?
あの使徒様のお姿…
我の好み過ぎるというのは一体どういうことなのじゃ!?
こう感じてしまうのも神の力の一端なのじゃろうか?
少しでも気を抜けば我の腑抜けた顔を見せてしまうところであった…
これからも使徒様とお会いする時は冷静を装わねばならぬのか…
「イングリッド様?」
「ん?
ああ、すまぬ。
少々考え事をしておってのぅ」
「それで、あの者達の処理はどうされますか?
とりあえずは生かしたまま地下牢に投獄しておりますが」
「どうやら操られていた可能性がある者もいたという件じゃったな。
今から我が直々に出向こう」
あの数のドラゴンバスターといい、そのような効果を持つ魔道具らしきもの…
きっと黒幕がおるはずじゃ。
まぁ、大体の想像は付くが。
…使徒様が降臨されたのも納得といったところじゃな。
「かしこまりました。
では、私は宴席の準備を指揮して参ります」
「少し待て、リーゼロッテよ。
先の件なのじゃが…」
「先の件?」
「…婚約の話じゃ…」
「ああ~。
その話ですか。
どうかされたのですか?」
「いや…その…
今宵の宴で婚約を発表するというのはどうかと思うてのぅ」
「え!
まさか、このような短い時間で使徒様を虜にしたというのですか!?」
「…いや…実は…その逆で…」
「逆?」
「…その…我のほうが…使徒様に一目ぼれしてしまったようでのぅ…」
「はい?」
「何度も言わせるでない!
とにかくじゃ!
事実はどうあれ、先に婚約をしたということを周知させてじゃな、そこから我を意識してもらう!
そして、ゆくゆくは使徒様とめでたく結婚!
…という筋書きじゃ」
「周りから囲んでいく作戦というわけですね。
悪くはないと思いますが、今夜の宴席でですか?
それはあまりにも急過ぎるのでは?」
「かまわぬ!」
「恋は盲目という言葉はよく聞きますが…
かしこまりました。
イングリッド様がそう仰るのであれば、そのように手配致します。
…ただ、どうなっても知らないですよ。
この件に関しては、私、責任取れないですからね」
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