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どこか似ている
街はすっかりクリスマスムードで賑やかなことを忘れていた二人は、少し並んで人気の焼肉屋でお腹を満たし、食事の後は憬の件での挨拶も兼ねて、まずは亮太の店である6 under feetに顔を出すことにした。
久しぶりに訪れる303号室の扉を開けると、比較的空いた店内のカウンターで笑顔を浮かべる亮太が二人を出迎える。
「なに。龍弥が誰か連れてくるなんて、外は雪かな」
「うるせえ」
「はは。いらっしゃい。あれ……もしかして、どこかでお会いしてますか?」
カウンター席に座った二人におしぼりを差し出すと、亮太が不思議そうな顔で修を見つめて首を捻る。
「どうかな。狭い街だしすれ違ったりしたことは、もしかするとあるかも知れないね」
修は身に覚えがないらしく、亮太の手からおしぼりを受け取ると、僕は目立つから見掛けたことがあるのかなと口角を上げる。
商売柄、人の顔を覚えるのが得意だからか、どこかで会ってる気がすると唸って必死に記憶を辿り始めた亮太に、先に酒出せよと龍弥が笑う。
「仕事しろよ」
「ごめんごめん」
慌てたようにオーダーを取ると、二人の手元にコースターとドリンクをセットする。
「どうしたんだ?なんか客少ないな」
店内を見渡して龍弥が振り向くと、修も気になっていたのか返事を待つように亮太を見つめる。
「ああ。この時期はいつものアレだよ」
「あー。そっか。そうだったな」
龍弥は頷いて納得した様子だが、修にはアレがなんなのか分からない。そんな修に気付いた亮太が、クリスマス近くなると色んな店で出会い系イベントが催されるので、イベントがない店は閑古鳥が泣くのだと教えてくれた。
「へえ、そんなイベントがあるんだね」
「なかなか自発的に動けない子も多いですからね。イベントにしてしまえば参加もし易いですし」
感嘆の声を上げる修に亮太は丁寧な返事を返すと、そろそろ紹介してくれよとニヤニヤした顔で龍弥を見つめる。
「それで?俺の店にわざわざ連れて来たってことは、この美人さんは龍弥の恋人なのかな?」
「まあそうだけど、亮太には言っときたいことがあるんだよ」
龍弥の含むような返答の仕方に、揶揄うニヤけた表情から一変して、亮太は少し驚いたように修と龍弥を見比べて続きを待っている。
「亮太くん。君にも随分とお世話になっただろうね、僕は憬の弟なんだよ」
「え、憬さんて、あの憬さん?」
「そうだ。俺もコイツのおかげで10年ぶりに憬と会った」
龍弥がグラスの氷を鳴らして静かに笑うと、修も同じように目を伏せる。
少し空気が変わったことに気付いた亮太は、不思議な縁だねとグラスに炭酸水を注いで口に含む。
「亮太くん……」
修が顔を上げてことの経緯と憬の訃報を伝えると、亮太は残念そうに眉間を絞って唇を噛み締めた。
「びっくりだろ。あの人らしいっちゃらしいけどな。俺にあんな思いさせといて、自分はもっと苦しんでたなんてな」
龍弥が笑うスッキリとした表情を見て、亮太はそうだねと呟く。
「そうか、もう会えないのは残念だね」
「そう言ってくれるだけで、憬も喜ぶよ」
修が笑顔を見せると、亮太は困ったように笑いながら似てますねと呟く。
「僕と憬がかい?」
「ええ。最初に見覚えがある気がしたのは、それが原因かも知れません」
「修と憬に似てるとこなんかあるか?」
龍弥が可笑しそうに肩を揺らすと、亮太はお前じゃ分からないよと鼻を鳴らす。
「バカだな。龍弥を見る眼差しが似てるんだよ」
雰囲気や居住まい、仕草にふとそれが現れると亮太が言う。
「ふふ。兄弟で同じ人に心を奪われてるんだから世話ないよね」
いい意味に捉えたのだろう、修が笑ってグラスを傾けると、亮太は顎で龍弥を指して、これのどこが良いんですかと意地悪く口角を上げた。
久しぶりに訪れる303号室の扉を開けると、比較的空いた店内のカウンターで笑顔を浮かべる亮太が二人を出迎える。
「なに。龍弥が誰か連れてくるなんて、外は雪かな」
「うるせえ」
「はは。いらっしゃい。あれ……もしかして、どこかでお会いしてますか?」
カウンター席に座った二人におしぼりを差し出すと、亮太が不思議そうな顔で修を見つめて首を捻る。
「どうかな。狭い街だしすれ違ったりしたことは、もしかするとあるかも知れないね」
修は身に覚えがないらしく、亮太の手からおしぼりを受け取ると、僕は目立つから見掛けたことがあるのかなと口角を上げる。
商売柄、人の顔を覚えるのが得意だからか、どこかで会ってる気がすると唸って必死に記憶を辿り始めた亮太に、先に酒出せよと龍弥が笑う。
「仕事しろよ」
「ごめんごめん」
慌てたようにオーダーを取ると、二人の手元にコースターとドリンクをセットする。
「どうしたんだ?なんか客少ないな」
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「ああ。この時期はいつものアレだよ」
「あー。そっか。そうだったな」
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「へえ、そんなイベントがあるんだね」
「なかなか自発的に動けない子も多いですからね。イベントにしてしまえば参加もし易いですし」
感嘆の声を上げる修に亮太は丁寧な返事を返すと、そろそろ紹介してくれよとニヤニヤした顔で龍弥を見つめる。
「それで?俺の店にわざわざ連れて来たってことは、この美人さんは龍弥の恋人なのかな?」
「まあそうだけど、亮太には言っときたいことがあるんだよ」
龍弥の含むような返答の仕方に、揶揄うニヤけた表情から一変して、亮太は少し驚いたように修と龍弥を見比べて続きを待っている。
「亮太くん。君にも随分とお世話になっただろうね、僕は憬の弟なんだよ」
「え、憬さんて、あの憬さん?」
「そうだ。俺もコイツのおかげで10年ぶりに憬と会った」
龍弥がグラスの氷を鳴らして静かに笑うと、修も同じように目を伏せる。
少し空気が変わったことに気付いた亮太は、不思議な縁だねとグラスに炭酸水を注いで口に含む。
「亮太くん……」
修が顔を上げてことの経緯と憬の訃報を伝えると、亮太は残念そうに眉間を絞って唇を噛み締めた。
「びっくりだろ。あの人らしいっちゃらしいけどな。俺にあんな思いさせといて、自分はもっと苦しんでたなんてな」
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「バカだな。龍弥を見る眼差しが似てるんだよ」
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