家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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「鷹文くん、ちょっといい?」
彩香がノックして、ドア越しに声をかけた。
「なに?」
しばらくするとドアが開いた。
「?服、いつもと違うんだな」
「えっ・・・い、いいじゃない!」
思わぬことを言われ、彩香は慌てた。
「え、いや、その、に、似合ってるから・・・」
鷹文が照れ臭そうに頭を掻いた。
「ありがとう・・・」
鷹文の言葉に、彩香も恥ずかしくなって俯いた。
「あの・・・ちょっと来てもらっていい、かな?」
「ああ、いいけど・・・」
彩香は首筋を赤く染めながら先に階段を降りていく。
降りていく後ろ姿を見て、セーラー服姿の彩香も綺麗だなと思いながら、鷹文も階段を降りた。
階段を降りると和泉が待っていた。
「あ!鷹文くんだ!」
非常にわざとらしい言葉の後、鷹文の後ろに回った両手で和泉は目を塞いだ。
「い、和泉さん?」
「いいからいいから、そのまま進んで」
彩香がすぐそばにいるのに和泉の柔らかいものが背中に押し付けられて、なんとも言えない居心地の悪さを感じながら、鷹文は言われるままに前に進んだ。
すぐにドアを開ける音がして、同時に和泉がパッと両手を鷹文の目から外した。

「「「「「「「鷹文くん!誕生日おめでとう!」」」」」」」
みんなの声に合わせて、クラッカーが鳴り響き、すぐに拍手が続いた。
鷹文は見慣れない光景に、ただただ驚いていた。
「ほらほら鷹文くん、みんなに挨拶して!」
後ろから和泉に急かされ、思い出したように鷹文が喋り始めた。
「・・・ありがとう」
「おい、相変わらず、ぶっきらぼうだな」
大和言葉にみんなが笑う。
「うるせえ大和!言葉・・・が、見つからなかっただけだ」
大和の指摘に、鷹文が渋い顔をした。
「まあまあ、鷹文くんはこっちに座ってね。お誕生日席ならぬ、ハーレム席よ!」
と和泉が3人がけソファーの真ん中へ案内した。
「で、彩香ちゃんが、右側で・・・」
「えっ、私ですか?」
驚く彩香。
「もちろんよ!やっぱりここは学年1の美少女がお相手しなくっちゃ。なんたってハーレムなんですから!」
和泉は満面の笑みを浮かべながら、有無を言わさず彩香を鷹文の右隣に座らせた。
座ってみてわかったのだが、思った以上にスカートが短かい。
彩香は、それとなくスカートの裾を伸ばしながら、膝をぴったりくっつけて座り直した。
「彩香・・・どうかしたか?」
「う、うん・・・大丈夫」
そんな二人を見ながら和泉は続ける。
「で左は・・・」
「大和でいいです」
遮るように鷹文が呟いた。
「えー、鷹文くんってそういう趣味だったのぉ?」
「そうじゃないですけど!」
鷹文は、ちらっと見えてしまった彩香の太ももに、いっぱいいっぱいになっていた。
「じゃあ、ゆずちゃん・・・は鷹文くん怖いか」
「そそそそ・・・そんにゃ、こと・・・」
本当は怖いゆず。
「じゃあ・・・幼馴染代表ってことで明衣ちゃん!」
「結衣、呼ばれたよ」
と明衣が無理やり結衣を座らせた。
「お姉ちゃん!」
「鷹文だってさぁ、私より結衣のほうがいいに決まってるって、絶対」
「そうだな」
明衣の言葉に鷹文もすんなり同意した。
「ぬわんですってぇ!普通『そんなことないよ』くらい言うでしょ!」
いきり立つ明衣に、鷹文が声を出して笑った。
「明衣ちゃん、鷹文くんに一本取られたわね」
和泉もカラカラと笑った。
「ぐぬぬ、鷹文めぇ」
鷹文を睨みつける明衣。
「まあまあ明衣ちゃん。今日は鷹文くんの誕生日なんだし、許してあげて」
「ま、まあそうですね」明衣はおとなしく引き下がった。
そんな最中、ゆずは一人静かにケーキにローソクを立てていた。
「ところで鷹文くん、このケーキ、ゆずちゃんの手作りよ」
「にょわ⁉︎」
いきなり自分の名前が呼ばれて、ゆずが変な声をあげた
「そうなんですか?ゆず、ありがとう」
「にゃ・・・にゃい・・・」
鷹文にお礼を言われて、ゆずは余計に緊張しながらローソクに火をつけていった。
「鷹文くんのために、ちゃんとあんまり甘くないケーキにしてくれたんだよ。これモンブランなのにチーズケーキなんだって。鷹文くん、栗も好きだったでしょ?」
「いろいろありがとな」
鷹文はもう一度ゆずにお礼を言った。
ゆずは声も出せず、ただコクコクと頷いた。
「ちなみにぃ、料理は鷹文くんのだぁい好きな彩香ちゃんのお手製よぉ」
「ゆずと結衣ちゃんも一緒に作りました!」
彩香が真っ赤になって否定する。
「でも、ふみにいの大好きな彩香さんの味、ですよねぇ」
意外とツッコミ上級者の結衣。
「それは・・・」
そこは彩香も否定できないようった。
「おまえら・・・」
鷹文も言葉が続かなかった。
そんなやりとりを尻目に、和泉はどんどん進行していった。
「みんな準備はいいかしら?」
和泉の問いかけに、みんなうんうんと頷いた。
「鷹文恥ずかしいみたいだから、歌はなし・・・じゃなくてやっぱ歌おっかぁ!」
明衣がこれ見よがしに鷹文を見返した。
「ま、待て!明衣・・・」
明衣たちの予想通り、やはり歌は恥ずかしいらしい。
「ほらほら明衣ちゃん、からかわない!鷹文くん、ローソクはちゃんといっぺんに消してね」
「それはやるんですか?」
それも恥ずかしいのか、鷹文が尋ねた。
「あったりまえじゃない!そんなこと言ってるとハッピーバースデーの歌も歌っちゃうわよぉ」
結局和泉も鷹文をからかうのだった。
「それだけは本当に勘弁してください!」
と両手を合わせて和泉を拝んだ。よほど恥ずかしいらしい。
「うふふ。鷹文くん、恥ずかしがりやねぇ。じゃあ彩香ちゃん、お願い!」
はい。と返事したあと、彩香が鷹文の方を向いた。
「鷹文くん、16歳の誕生日おめでとう!」
「「「「「「「おめでとう!」」」」」」」
みんなの声の後、鷹文がケーキの上にある16本のローソクを吹き消し、うまく全部消えると拍手が起こった。

「では、代表で先生、鷹文くんに一言お願いします!」
それからすぐ、司会進行の和泉に促されて、盛雄が軽く咳払いした。
「鷹文、誕生日おめでとう。
それから鷹文のためにこんな素晴らしいパーティーを準備してくださって、皆さん本当にありがとう。由美さんも喜んでくれていると思います」
盛雄がちらっと横を向いた。隣の席には由美の写真が置いてあった。
「由美さんが亡くなってから、ずっと鷹文の誕生日は祝えませんでした。
本当なら、鷹文のためにも由美さんのためにもやるべきだったのでしょうが・・・」
盛雄は一呼吸置いて話を続けた。
「みなさん、今日は本当にありがとう。この家でこんなに嬉しいことがあるとは思いませんでした」
盛雄はみんなにお辞儀して、鷹文に向き直った。
「改めて、鷹文、誕生日おめでとう。由美さんがいなくなってから、私は君のことを育てられるか正直不安で仕方ありませんでした。でも、君はこんな頼りない父親の元でも、曲がることもひねくれることもなく、立派に成長してくれた。本当にありがとう。それに、君がそばにいてくれて、どれだけ私が救われたことか・・・本当に、本当にありがとう」
盛雄の言葉に静かな拍手が起こった。
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