チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています

もぶぞう

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第二話

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「丁度良かった。
ミュリエル、家に行こうと思ってたんだ。」

この世界に来て2週間。
やっと俺は町に連れて来てもらった。
まずは資金調達と俺の登録ということで冒険者ギルドに入った途端だった。
ミュリエルが受付に知り合いを見付け、声を掛けたらこう返されたのだ。

「ここではまずいから部屋を借りるぞ。」

彼女は受付に一声掛けて歩き出した。
依頼者と冒険者が顔合わせしたり打ち合わせをする部屋があるそうだ。
彼女はセラフィナ。
Sランク冒険者で友人だと部屋への移動中ミュリエルに説明された。
これまた美しいエルフさんでした。

「ん?その少年は連れか。
まあ良い、これからの話は内密に頼む。

この地の領主、ロイゼンタール子爵のお嬢さんが死病に掛かっているらしい。
そこでミュリエルに治療を頼みたいという話が来ているんだ。
ミュリエルの家を知っている者は少ないからな。
わたしへその依頼を伝える指名依頼が来ていたんだ。
受付でミュリエルが来る頃合いを聞いて、日が有るようなら直接家に行こうと思ってたところなんだ。
行き違いにならずに良かった。
お嬢さんは運が有るのかもしれないな。」

「セラフィナ、死病というのは?
どんな症状か聞いている?」

「ああ、最初はただの風邪だと思っていたら、徐々に弱ってやせ細り死に至るやつだ。
最初は微熱と咳が続いていたので神官に頼んでみたら落ち着いたらしいけど、またぶり返して神官呼んで、を何回か繰り返していたらしい。
今はベッドから動かせないほど弱っているらしい。」

「それは、一応、薬は有るけど厳しいわね。
確かに死病と言われるものね。」

聞いた感じじゃ結核かな?
俺が他に心当たり無いだけだけど。
確かにペニシリン以前は不治の病だったか。
向こうとこっちで同じとも限らないんだけど。
ペニシリンとか作れないし、新しい薬も知らないしな。
というか、咳出てるってことは最悪その子爵家全滅するんじゃね?

「あー、セラフィナさん、その子爵家の人と直接会いました?」

「いや、ギルドから依頼を聞いただけだ。」

「良かった、直接会っていると感染している可能性が有ったものですから。」

「ナギサはこの病気を知っているの?」

「ええ、多分。
ただ、薬をどうやって作るか知らないんですよ。
カビから作られたとは聞いた事あるんですけどね。」

「それは例の菌とかウィルス?」

「はい、結核と呼ばれる病気で原因が結核菌です。
下手すると子爵家関係者に拡がってる可能性が有りますね。
過去には国を滅ぼしたとも言われてる病気です。」

「ミュリエル、彼は?」

「わたしの夫よ。
ここからは内密にね。
ナギサは異世界から来たみたいなの。
わたしたちの知らない知識を持っているわ。」

はい、ミュリエルの夫、ナギサです。
保護されて3日目にはそうなりました。
婚姻届出してないんですけどね。
夫として毎日毎晩励んでおります。
お互いに初婚、ミュリエルは乙女でしたよ。
中身30歳の経験、15歳の身体で円満な夫婦生活です。

「ええ!?ミュリエル結婚したの!?
それに彼は異世界の人なの!?」

「静かに。
ナギサのお蔭で治癒が上達したわ。
それよりまずいわね。
それ程広がったら何人の死者が出るか。」

「あの、解毒する魔法とか無いですかね?
菌もウィルスも体に悪さするものなので、認識さえしていれば毒扱いで解毒できませんか?
後は浄化する魔法とか?」

「わたしはまだ良く理解したとは言えないのよね。
でも解毒ならキュア、浄化ならピュリフィケーションかしら。
濁った水も綺麗にすると言うからピュリフィケーションで行けるかしら。」

「それ、治療に使ったりしていなかったんですか?
傷を治療する前にそのどちらかを使ったりは?」

「そうね、病気の治療は薬草の方が多いわね。
大きな傷の治療にピュリフィケーション掛けてからヒールやハイヒール掛けるのは聞いた事あるわ。
成程、あれはそう言う事だったのね。」

「ミュリエル、そう言う事の意味がわたしには判らないんだが。」

「ほら、小さな傷だったら傷口を水で流したりするでしょう?
あれは土とかだけじゃなくて、菌、身体に悪いものが身体に入るのを防いでいるのよ。
偶に傷を治しても腫れたり熱出したりする人が居るでしょう?
あれは菌やウィルスが身体の中に残っていたのね。
そうでしょう?ナギサ。」

「ええ、そう言う事です。
お酒吹き掛けたりもするでしょう?
あれはアルコール、酒精で菌を殺してるんです。
ならピュリフィケーションで菌を排除できそうですね。
菌を認識していなくても大丈夫みたいですが、認識してる方が効きが良くなるかもしれませんね。
ミュリエル、何回くらい使えますか。」

「ピュリフィケーションは10回かしら。
キュアなら倍は行けるけど、先人がピュリフィケーション使ってたなら何か理由が有るのよね。」

「そうですね、今はその理由を探る訳にもいかないのでピュリフィケーションで行きましょう。
多分、菌とかを理解してた人が使い始めたのでしょうから。
ああ、主に肺の周辺を意識して掛けてくださいね。」

「わたしも光魔法使えるわよ。
ピュリフィケーション10回行けると思う。
肺と言うのは判らないけれど。」

「肺はこの辺りの息を吸うと膨らむ所よ。
2人で20人分、マナポーションもあるから子爵家だけならどうにかできるかしらね。」

「余裕が有れば肝臓、あれ?腎臓だったかな?まあお腹のこの辺りにヒールも掛けたいですね。
病気でダメージ受けているかもしれないので肺も一緒にイメージして。」

「おお、この判らないことだらけなのが異世界人の知識。
これは内密にしないと人が群がって来るね。」

「そうでしょう?
セラフィナも妻にしてもらって一緒に暮らす?
もっと強く成れるわよ。
それ以外にもナギサは素敵なのよ。」

「うーん、考えとく。」

いや、妻が妻に成るかと勧誘するの?
第一、会って1時間経ってないでしょう。
一夫多妻とかも有ると言ってたし、その辺の意識が違うのだろうか。
一部日本人ならラノベやアニメで慣れているけどな。
あと、ミュリエルも素敵です。


身分証は必要だろうとギルドへの登録は済ませることにした。
その間にミュリエルは売れるものを出していた。
売らなくてもミュリエルは十分な資産を持っているそうだけど。
この後、俺に必要な物を買う予定だったんだけどね。
特に着る物とか。
登録と買取を済ませて服だけは買った。
子爵家へお邪魔するからね。


くだんの子爵家、やばかったです。
30人弱の家の者、ほぼ全員が罹患りかんしている模様。
取り敢えずまだ軽症だった子爵をセラフィナさんが治療し、報酬の話を付けることに。
その後は軽症者から担当してもらう。

ミュリエルと俺は重傷者から治療開始。
お嬢様を始め、その看病をしていた侍女たちが危なかった。
ピュリフィケーションは効果が有りそうな手応え。
続いてヒールを掛けると呼吸が楽になっているようだ。
お腹に掛けてるけど肺にも効いてそうだな。

俺はもっぱら助言と治療後のクリーン係。
ミュリエルや患者と共に部屋ごとクリーンしました。

昼食も忘れ俺たちは夕方まで治療をしていた。
マナポーションで3人ともお腹タプタプだったんですけどね。

経過観察と出入りした者の罹患警戒の為、俺たち3人は子爵家に泊まる事になった。
軽症で既に全快したと思われる子爵と夫人のもてなしで夕食を共にした。
その席で令嬢の快癒が確認できた時点でこの治療法をミュリエル名義で国と教会に報告することになった。
死病と思われていた病気が治せるとなれば発表しない訳にはいかないよね。
国から褒章がもらえるだろうとも子爵は言っていた。
子爵も国に報告を入れることでメリットが大きいのだろうな。
子爵からも報酬もらいますけどね。

与えられた部屋に戻って3人で治療法発見の言い訳を考えた。
ミュリエルは全部ミュリエルの功績になってしまうのが俺に申し訳ないと言っているが、俺の知識からとは言えないからね。
ミュリエルが大きな傷にはピュリフィケーション掛けてからという話をヒントにして思い付いたことにした。
真実を混ぜた方が嘘付くには良いって聞くし、菌とかも説明できないから仕方ないね。

俺たちのイチャイチャに中てられてセラフィナは早々に彼女が与えられた部屋に行った。
流石に俺たちも他人様の家で夜の夫婦生活をする訳にもいかなかったが、お風呂が付いていたのでふたりで入った。
ミュリエルの家にもお風呂作りたいな。
魔法の練習としてこつこつレンガでも作るか。

その夜は大人しく転移初日の様に抱き合って眠りました。
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