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第百四十七話
しおりを挟むミュリエルたちの妊娠を聞いて特に浮足立ったのは王太后たち30代以上の人たちだった。
向こうではまだ気にするほどの歳でも無いのに。
可能性はまだまだ有ると思うよ?
こちらでも30代の出産は有ると聞いたし、治癒魔法も有るのだから大丈夫じゃね?
ミリアムも乳母の地位を狙っているので積極的だ。
ミランダの代わりに商会長代理をすることになったのだからふたり共同時に妊娠したら大変よ?
前にちょこっと話したオギノ式を試すとか言ってるし。
俺も次の生理予定日の2週間前を中心にした5日間、くらいしか知らないぞ。
それでも生理周期を記録し始めたようだ。
俺はと言えば紙オムツの試作をしている。
スライムを乾燥させて吸収体にできないか試しているのだ。
乾燥させたからには水分を吸収するはず。
余り吸収力が高くても肌に悪そうなので時間を掛けて調べるつもりだ。
これは生理用品にも応用できるか?
いざとなったら創造魔法であちら産のを出すかスライムを材料に変化させちゃうけどな。
平行してエルフたちにもらったお祝い品のアダマンタイトも調べている。
ドロップするときにこぶし大らしく、一部切り分けようとしただけで全魔力を使いそうになったので慌てて手を離した。
アマリア様がこれを扱うにはレベル60要ると言ったのも納得だ。
ミスリルのナイフでも削れやしない。
歯が欠けそうだったのですぐに止めた。
まだまだ弄るのは先だな。
早々に諦めて赤ちゃん用品の続きを始める。
産着やらおむつカバーやらを作って行く。
色々サイズを取り揃えてみたので売り物にもできそうだな。
ちょうど難民の寡婦さんに生まれたばかりの赤ん坊を連れて来ている人が居るのでお試ししてもらうか。
おむつは布だけどな。
「赤ん坊用の服じゃな?
教会に常備させてもらうかのう。
赤ん坊だけを置いて行く者が結構居るんじゃ。」
爺さんまだ居たのかい。
ダンジョンか団地に居ると思ってたよ。
ケルベロスは見て来た?
「おお、連れて行ってもらったわい。
団地の方はほぼ対処を終わっておるからダンジョンで訓練中じゃ。
あれは人族には無理ではないか?
エルフひとりで倒すとか恐ろしいものを見せられたのう。
31階層以上ができてもエルフに頼まねば先へ進めんのじゃないか?」
数日で30階層まで行っちゃってるのね。
エルフさんたちケルベロスと戦いたがってたものな。
我慢できずに一気に行ったのだな。
そしてやっぱりひとりずつで倒しちゃうんだ。
経験値分けてもらいたいな。
人族だけじゃ31階層以降へ進めないのは困るな。
頼めばエルフさんが倒してくれるんだろうけど、多分参戦してないと10階層ごとの転移陣使えないよね?
石当てただけで参戦とみなされるか、傷付けないといけないのか調べないとな。
下手すると40階層の転移陣使うことになるよな。
「わしらはオークを倒すだけで十分じゃがのう。
更なるレベルアップが必要になる御業でも出て来んかぎりはの。」
欠損再生以上となると蘇生とか?
できそうな気もするけどアマリア様が許さない気もするな。
即時の心肺蘇生なら許容範囲っぽいけど。
取り敢えず爺さんには人工呼吸と心臓マッサージを教えておくか?
下手すると死者蘇生とか言われそうだよな?
こちらでは心臓が止まってれば死と認識されそうだ。
電撃でAEDのマネしたら恐れられるよな。
爺さんには異世界人とバレているんだし話しても良さ気?
やるやらないは別として知識を与えても大丈夫だろうか。
必要な場面に遭遇すれば実践する爺さんだよな、きっと。
「何じゃ、本当に先が有るのかえ?
少し覚悟が必要になりそうじゃのう。」
ちょっとアマリア様やミュリエルたちと相談してからかな。
「そうか、知りたいような知りたくないような複雑な気分じゃのう。
治療関係なら知っておく方が良いのかもしれんがの。」
死生観に関わるから、押し付ける訳にもいかないし。
でも救える命は救いたい。
『そうね、知らない一般人がどう思うかが問題ね。
アンデッドの居る世界ですもの、変な反応をする者が出るわ。』
ですよねー。
ゾンビに成ったとか言われても困るしな。
治癒師ごと討伐しようとする奴が出るだろ。
逆に心臓が動いてるのに脳死判定とか受け入れられないだろうし。
少しずつ神官諸共教育しなけりゃダメだろうな。
人工心肺とか無いから短い時間だろうけど。
しばらく心肺蘇生を教えるのは保留かな。
必要なら俺も使いそうだけどな。
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