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第一章:始まりの世界 ”チーム対抗戦” 

♯105.チーム対抗戦の始まり㉗ タカフミの違和感

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「こっちも順番が決まったから組み合わせ表に記入して
黒服の大人に渡してくれるかな」
 タカフミは陸城に近付いて声を掛ける。
「黒服の大人!?」
 陸城は何の事だか、さっぱり分からない。

「あっそう言えば陸城くんは、知らなかったんだよね。
今回のバトルは城ヶ崎グループの人達が運営を手伝って
くれる事になったんだ」
「へぇーそうなんだ。了解、書いて渡せば良いんだな」
「うん。宜しくね」
 妙に納得した陸城ではあったが想像以上の大男を目の
前にすると少しだけ足がふるえた。
 
 先に組み合わせ表を手渡していたタカフミは、円陣を
組んだ時の右肩の感触を思い出していた。
(素手でない事を瞬時に判断した僕は円陣が終わった後
に、その正体を探るべく右肩に置かれた手の行方を目で
追っていた。真っ白い皮手袋の感触だった事が分かって
視線を上に向けると立花マイカだと分かった。だが同時
に立花が白い皮手袋をした所を目撃した事が無かったの
で謎だけが残った。しかも手袋を良く見ると正三角形を
重ね合わせた六芒星ろくぼうせいの柄が描かれていた。賢者の石と関
係があるという位しか知識は無かったが何故、このタイ
ミングで装着しているのかが分からなかった)
 
「では、お集りの皆さん。電光掲示板をご覧ください。
各チームのスターティングメンバーの発表です!」
 立花が前回のイベントで使用された城ヶ崎グループの
電光掲示版を指さすと二つの掲示板が同時に一番から順
に選手が表示されていくド派手な演出が始まって会場の
ムードが更に盛り上がっていた。
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