少年と銀貨 第一章：始まりの世界

第一章：始まりの世界

４９．本の制約とルール説明①

「ピッピッ」
　実家の父親の書斎に切り替わった。父の手のひらには
ペンダント式のネックレスが乗せられていた。
「タカフミ。約束してた制約とルールの説明を今から、
お前に伝える。話が長くなるかもしれないから簡易かんいベッ
ドに腰を掛けながら聞いてくれ」
「うん。分かった」
　タカフミがベッドに腰掛けて聞く体勢たいせいになった事を確
認してから父親が口を開く。
「先ず、この本には名前を記入する欄らんが１ページに２５
人書かれており、全部で４ページ分あるからして２５×
４ページで１００人集めて完成となる。そして各ページ
のラスト部分の記入を成功させた人物が次のステージの
所有者の権利（所有権しょゆうけん）を得る事が出来る。１～２５人
の時は２５人目。２６～５０人の時は５０人目という具
合だ。ここまでは良いな？」
「簡単だと思う。所有権がどう関係してくるの？」
「良い質問だが、その質問には後でまとめて答える事に
する。この本には別の特徴があり、名前を記入する欄の
裏側のページには２５個（列５×５段）の穴が空いてて
コインに生き物を封印ふういんすることができると書いてある」
「それが本当なら凄いんだけど！！」
「使用した事が無いからどこまで本当かは判断できない
が植物は不可となっている点と穴にコインを埋める作業
も並行して進めないと次の２６人から５０人までのペー
ジのステージには進めないとある。それと同じ種類の物
は例外の一種類を除のぞいては不可とするとある」
「どういう事？」
「簡単に言うと昆虫のクワガタムシを封印して穴に埋め
ると登録したとみなされてオオクワガタやノコギリクワ
ガタやミヤマクワガタは登録できなくなってしまうとい
う事だ」
「そうなんだ……」