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第一章:始まりの世界 ”チーム対抗戦” 

#171.チーム対抗戦の始まり”76”  正体!?

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「何、アンタ、空手使いなんだ。筋は悪くないと思
うけどね。空手を知らない人物なら間違いなく怪我
してる所だよ。まともな神経じゃないのは理解した」
 清武は片手で受け涼しい顔をしながら素直な感想
を口にする。
「ウソっ。私の三角蹴りが全く通用しないなんて、
初めてで驚いたんだけどマジで一体何者なの!?」
 両手を使った十字ブロックで受け止められたなら
仕方ないかと心を落ち着かせる着地点を見い出せる
のだが、この程度の技なら片手で充分だと思い知ら
されてる気がして動揺が走った。
 ここ最近、防御の上級者には出会っていないとい
う事も大きかったと思うが只者ではないという直感
が働いて出た言葉だった。

 しばらく考えて納得の行く答えが頭の中に浮かん
だ清武は会話を再開した。
「何者も何も正義のヒーロー「タイガーマスク」の
正体は伊達直人でしょうがっ」
「そういう事を聞いてるんじゃなくて……」
 思いっきり天然なのかもしれないとも思ったが、
以前にも、この無駄なやりとりを経験している気が
して懐かしい思いが込み上げてきたのだが肝心の誰
だったか思い出せないでいた霞実だった。
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