117 / 136
捜査最終日
117. 十一日目(謹慎三日)、明かされた殺人計画
しおりを挟む
正直、時より敬語になる話し方が気色悪かったが真実を知る為にも
不快感を顔に出さずに話の続きを待っていた。
「さて、これから話す事は警察も知らない事実なんだけれども私は、
犯人を非常に良く知っているので情報を掴む事が出来ている事を念頭
に置いて欲しい」
東は自分専用の回転椅子に座ると後藤の正面に身体の向きを変えて
話し始めた。
「分かった」
後藤は敢えて砕けた調子で答えたが東の表情が変わる事は無かった。
「では話そう。今の時点で犯人の名前は伏せるが隆はもちろんの事、
愛里にとっても警戒心を抱かない人物が殺人計画を立てて実行してい
たんだよ」
「殺人計画!?」
先程、話していた偶然みたいな発言とは真逆の答えにツッコミを入
れそうだったが声に出すのは堪えた後藤。
「そうだよ。犯人は二人にとって親しい人間であり、製薬会社に勤め
ていた経緯があってね」
(事件と製薬会社に何か関係があるんだろうか?)
後藤からの返事が無かったが構わず続きを話し始める東。
「即効性の睡眠薬も独自に開発していてね。マウスで劇的な効果が得
られた後、ある日、隆は人気が居ない早朝に愛里の自宅に呼び出され
て眠い目を擦りながら運転して玄関の少し離れた所で停車して彼女を
待っていたんだよ」
「それで?」
「そこへ犯人が接触を図り、眠気覚ましの一杯として独自開発した睡
眠薬入りの特製ウーロン茶を手渡して隆が飲んでしまったという訳だ」
「でもそれだけだと眠っているだけで女性を車で引きずる行動には、
繋がりませんよっ」
「そこが最も重要なポイントなんだ。大切な君の為にだけ教えるんだ
が隆の車に特別な仕掛けを施していたんだよ。しかも、その作業を実
行する為に一度、トランクルームを開けさせて席を離れるように話を
してね!」
「手順が細かいですねっ。で、そのトリックを知っているんですか?」
肝心なトリックにお預けは無いだろうとは思ったが好奇心の塊の様
な視線を投げかける後藤。
「あぁ、もちろん知っているよ。ブレーキペダルとアクセルに境界線
を施す板とブレーキペダルその物を動かせなくしてしまうカバーを取
り付けたんだ。両方とも強化プラスチックだったんだけどね」
「実にシンプルなトリックだったんですね!?」
「そうだよ。複雑なものは形跡が残りやすいし不審に思われるからね」
「取り付けた後はどうしたんですか?」
「犯人は、愛里を呼び出す事に成功し、外を出て来た彼女が隆を確認
すると手を振ったんだ」
「それで隆兄さんはアクセルを踏んだんですね?」
「そうだよ。そうこうしている内に睡眠薬が徐々に効いてきて眠気が
高まる中で足元の状況が分からず、彼女の前でブレーキペダルをいつ
もより強めに踏んだんだ。ブレーキが使用できない空間だから彼は、
自分がアクセルを踏んだ事に気付いていなかったと思う。これが君が
知りたかった真実だ!」
まるで、そこで一部始終を観て来たかのような発言に東の正体が気
になって仕方が無かったが今の自分の気持ちを正直に口に出し始める。
「成程、確かに理に叶ってます。ですが、その計画を立てて実行した
人物はクズですね!」
「クズか。面白い発言だね」
この時の東の冷ややかな視線に得体の知れない気持ち悪さを覚えて
体感温度が下がった感覚に陥っていた。
不快感を顔に出さずに話の続きを待っていた。
「さて、これから話す事は警察も知らない事実なんだけれども私は、
犯人を非常に良く知っているので情報を掴む事が出来ている事を念頭
に置いて欲しい」
東は自分専用の回転椅子に座ると後藤の正面に身体の向きを変えて
話し始めた。
「分かった」
後藤は敢えて砕けた調子で答えたが東の表情が変わる事は無かった。
「では話そう。今の時点で犯人の名前は伏せるが隆はもちろんの事、
愛里にとっても警戒心を抱かない人物が殺人計画を立てて実行してい
たんだよ」
「殺人計画!?」
先程、話していた偶然みたいな発言とは真逆の答えにツッコミを入
れそうだったが声に出すのは堪えた後藤。
「そうだよ。犯人は二人にとって親しい人間であり、製薬会社に勤め
ていた経緯があってね」
(事件と製薬会社に何か関係があるんだろうか?)
後藤からの返事が無かったが構わず続きを話し始める東。
「即効性の睡眠薬も独自に開発していてね。マウスで劇的な効果が得
られた後、ある日、隆は人気が居ない早朝に愛里の自宅に呼び出され
て眠い目を擦りながら運転して玄関の少し離れた所で停車して彼女を
待っていたんだよ」
「それで?」
「そこへ犯人が接触を図り、眠気覚ましの一杯として独自開発した睡
眠薬入りの特製ウーロン茶を手渡して隆が飲んでしまったという訳だ」
「でもそれだけだと眠っているだけで女性を車で引きずる行動には、
繋がりませんよっ」
「そこが最も重要なポイントなんだ。大切な君の為にだけ教えるんだ
が隆の車に特別な仕掛けを施していたんだよ。しかも、その作業を実
行する為に一度、トランクルームを開けさせて席を離れるように話を
してね!」
「手順が細かいですねっ。で、そのトリックを知っているんですか?」
肝心なトリックにお預けは無いだろうとは思ったが好奇心の塊の様
な視線を投げかける後藤。
「あぁ、もちろん知っているよ。ブレーキペダルとアクセルに境界線
を施す板とブレーキペダルその物を動かせなくしてしまうカバーを取
り付けたんだ。両方とも強化プラスチックだったんだけどね」
「実にシンプルなトリックだったんですね!?」
「そうだよ。複雑なものは形跡が残りやすいし不審に思われるからね」
「取り付けた後はどうしたんですか?」
「犯人は、愛里を呼び出す事に成功し、外を出て来た彼女が隆を確認
すると手を振ったんだ」
「それで隆兄さんはアクセルを踏んだんですね?」
「そうだよ。そうこうしている内に睡眠薬が徐々に効いてきて眠気が
高まる中で足元の状況が分からず、彼女の前でブレーキペダルをいつ
もより強めに踏んだんだ。ブレーキが使用できない空間だから彼は、
自分がアクセルを踏んだ事に気付いていなかったと思う。これが君が
知りたかった真実だ!」
まるで、そこで一部始終を観て来たかのような発言に東の正体が気
になって仕方が無かったが今の自分の気持ちを正直に口に出し始める。
「成程、確かに理に叶ってます。ですが、その計画を立てて実行した
人物はクズですね!」
「クズか。面白い発言だね」
この時の東の冷ややかな視線に得体の知れない気持ち悪さを覚えて
体感温度が下がった感覚に陥っていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
怪異の忘れ物
木全伸治
ホラー
千近くあったショートショートを下記の理由により、ツギクル、ノベルアップ+、カクヨムなどに分散させました。
さて、Webコンテンツより出版申請いただいた
「怪異の忘れ物」につきまして、
審議にお時間をいただいてしまい、申し訳ありませんでした。
ご返信が遅くなりましたことをお詫びいたします。
さて、御著につきまして編集部にて出版化を検討してまいりましたが、
出版化は難しいという結論に至りました。
私どもはこのような結論となりましたが、
当然、出版社により見解は異なります。
是非、他の出版社などに挑戦され、
「怪異の忘れ物」の出版化を
実現されることをお祈りしております。
以上ご連絡申し上げます。
アルファポリス編集部
というお返事をいただいたので、本作品は、一気に全削除はしませんが、ある程度別の投稿サイトに移行しました。
www.youtube.com/@sinzikimata
私、俺、どこかの誰かが体験する怪奇なお話。バットエンド多め。少し不思議な物語もあり。ショートショート集。
いつか、茶風林さんが、主催されていた「大人が楽しむ朗読会」の怪し会みたいに、自分の作品を声優さんに朗読してもらうのが夢。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
怪奇蒐集帳(短編集)
naomikoryo
ホラー
この世には、知ってはいけない話がある。
怪談、都市伝説、語り継がれる呪い——
どれもがただの作り話かもしれない。
だが、それでも時々、**「本物」**が紛れ込むことがある。
本書は、そんな“見つけてしまった”怪異を集めた一冊である。
最後のページを閉じるとき、あなたは“何か”に気づくことになるだろう——。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる