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捜査最終日
120. 十一日目(謹慎三日)、裏切者① 前半
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「どこまで話したんだっけ?」
頭に血が上り過ぎたのか後藤に質問する庭村。
「一つ目の横道で美学までです」
「あぁーその話ね。じゃぁ具体的に君の自宅の状況を確認した話を
しようかっ。僕が真実を話してるって事の証明にもなる話だよ」
「何だって!?」
「何って監視カメラは設置するのに手間取るから単純で効果テキメ
ンの盗聴器に決まってるだろぅ」
「俺の自宅に盗聴器が仕掛けられていたのか?」
「あぁ、そうだよ。協力者が居てね……」
机の一番下の引き出しから二つ取り出して大きい物を後藤に見せ
た。
「この兎の縫いぐるみに見覚えはないかい?」
「そ、それは早苗ちゃんが置いていった縫いぐるみだ……」
「そうだ。同一の商品だよ。実は、この内部に盗聴器があってね」
庭村は小さいトランシーバーに酷似した物を見せると盗聴器発見
装置だと説明をした後、電源を入れて周波数を設定して縫いぐるみ
に近付けていく。
「キュイーーィィン」
「これがハウリング音だよ。鳴音とも言うね」
発見装置を机に戻すと開けっぱなしの机の引き出しから裁ちハサ
ミを取り出して縫いぐるみ腹部をジョキジョキ切り開いていった。
まるでピクニックにでも出かけているようなワクワクした表情を見
せながら中から現物を取り出して後藤の膝の上に置いた。剥き出し
のままの基盤にマイクが取り付けられているシンプルな構造だった。
「……」
「兎の縫いぐるみを置いておいた言い訳は単純だけど最もな理由を
彼女は話したと思うんだ。しかも初対面ではなく、お盆休みに肉体
関係を結んでる相手だ。君は邪険にする訳にも行かなかった筈だ」
早苗から盗聴器が仕掛けられたとは思っていなかっただけに女性
を疑れない自分の甘さにショックを受ける後藤。膝上に置かれた盗
聴器に馬鹿にされている気がして見続ける事ができなかった。
それでも、そのまま言いくるめられるのは悔しいので会話を続ける
事にした。
「早苗ちゃんとは知り合いかい?」
「知り合いという程の間柄でもない。高額バイトで雇った相手だか
らねっ」
「また高額バイトかよっ」
お金の為なら平気で相手を陥れる行動を罪悪感も無しにやってし
まう世代に無性に腹が立ってくる。
「合鍵で兎の縫いぐるみを置く事、夜中に電話を掛けて経緯を説明
する事、縫いぐるみを回収して鍵を返納する事。以上各一万で合計
三万のバイト代だ。つまり、前段階の肉体関係は料金には一切入っ
ていない。だから少しは君に気があったのかもしれないな~」
「それで慰めてるつもりかよ。しかし、そこまでやるもんなのか?」
「どうしても後藤伸幸を手に入れたいから奮発したよ! 最初に見
掛けたのは随分前だけど前々から熱血漢って奴に興味があってね。
黒沢から写真や動画で紹介された時は心がウキウキした位だ」
涎を垂らしながら話す姿は、もはや人間と呼べる様子ではなく、
限りなく獣に近かった。
頭に血が上り過ぎたのか後藤に質問する庭村。
「一つ目の横道で美学までです」
「あぁーその話ね。じゃぁ具体的に君の自宅の状況を確認した話を
しようかっ。僕が真実を話してるって事の証明にもなる話だよ」
「何だって!?」
「何って監視カメラは設置するのに手間取るから単純で効果テキメ
ンの盗聴器に決まってるだろぅ」
「俺の自宅に盗聴器が仕掛けられていたのか?」
「あぁ、そうだよ。協力者が居てね……」
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た。
「この兎の縫いぐるみに見覚えはないかい?」
「そ、それは早苗ちゃんが置いていった縫いぐるみだ……」
「そうだ。同一の商品だよ。実は、この内部に盗聴器があってね」
庭村は小さいトランシーバーに酷似した物を見せると盗聴器発見
装置だと説明をした後、電源を入れて周波数を設定して縫いぐるみ
に近付けていく。
「キュイーーィィン」
「これがハウリング音だよ。鳴音とも言うね」
発見装置を机に戻すと開けっぱなしの机の引き出しから裁ちハサ
ミを取り出して縫いぐるみ腹部をジョキジョキ切り開いていった。
まるでピクニックにでも出かけているようなワクワクした表情を見
せながら中から現物を取り出して後藤の膝の上に置いた。剥き出し
のままの基盤にマイクが取り付けられているシンプルな構造だった。
「……」
「兎の縫いぐるみを置いておいた言い訳は単純だけど最もな理由を
彼女は話したと思うんだ。しかも初対面ではなく、お盆休みに肉体
関係を結んでる相手だ。君は邪険にする訳にも行かなかった筈だ」
早苗から盗聴器が仕掛けられたとは思っていなかっただけに女性
を疑れない自分の甘さにショックを受ける後藤。膝上に置かれた盗
聴器に馬鹿にされている気がして見続ける事ができなかった。
それでも、そのまま言いくるめられるのは悔しいので会話を続ける
事にした。
「早苗ちゃんとは知り合いかい?」
「知り合いという程の間柄でもない。高額バイトで雇った相手だか
らねっ」
「また高額バイトかよっ」
お金の為なら平気で相手を陥れる行動を罪悪感も無しにやってし
まう世代に無性に腹が立ってくる。
「合鍵で兎の縫いぐるみを置く事、夜中に電話を掛けて経緯を説明
する事、縫いぐるみを回収して鍵を返納する事。以上各一万で合計
三万のバイト代だ。つまり、前段階の肉体関係は料金には一切入っ
ていない。だから少しは君に気があったのかもしれないな~」
「それで慰めてるつもりかよ。しかし、そこまでやるもんなのか?」
「どうしても後藤伸幸を手に入れたいから奮発したよ! 最初に見
掛けたのは随分前だけど前々から熱血漢って奴に興味があってね。
黒沢から写真や動画で紹介された時は心がウキウキした位だ」
涎を垂らしながら話す姿は、もはや人間と呼べる様子ではなく、
限りなく獣に近かった。
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