121 / 136
捜査最終日
121. 十一日目(謹慎三日)、裏切者① 後半
しおりを挟む
「そうだ。僕がずっと探していた僕の卒業アルバムを君が見付けて
くれていたんだね。木島課長が盗んでた事は分かっていたんだけど
どうしても見付からなくてね。助かったよ」
庭村は開けっ放しの引き出しから卒業アルバムを取り出すと角が
潰れているのを見せつけるようにして後藤の膝上に置いて代わりに
盗聴器を机の上に置いた。
「どうして、これが、ここにあるんだ!?」
「何でって君が早苗に合鍵を渡したからだろうがっ。早苗は俺と繋
がってる訳だからスペアキーを作る事は造作もない事だよ。納得し
たかい?」
薄ら笑いを浮かべてズボンのポケットからキーケースを取り出す
と後藤の見覚えのある部屋鍵を取り外して壁に掛かっている自転車
の鍵用キーホルダーに取り付けて人差し指でクルクルと回しながら
挑発を始めていた。
「する訳ないだろう。庭村さん。あなたは不法侵入という言葉を知
らないのかい?」
「俺が俺の私物を返して貰うのに許可が要るのはどういう了見だい。
しかも角が潰れてるって事はさ、器物損壊罪に当たるんじゃないの
かな~」
「はいっ? 別に壊した訳でもないでしょうがっ」
「そこは所有者である私がどう思うかにもよりますよね? 思い出
の象徴しての価値がある世界に一つだけの記念品ですよ。言い掛か
りと思うのは無責任なのではありませんか。後藤巡査の完全プライ
ベート空間の自宅での気が狂っていた時の音声も、こちらは押さえ
てあるんです。大人しくしておいた方が身の為だと思いますがね~」
「それは脅しですか?」
舐められたままで終われない熱血漢としての防衛本能が無意識に
顔を出していた。
「嫌だな~。そんな物騒な話じゃないですよ。只の忠告ですよ!
それと早苗が依頼を引き受けたのは単純明快で彼氏の誕生日プレゼ
ントを買うお金が欲しかったからなんですよ。スペアキーの事は、
話てませんから罪悪感が無いのは当然ですよ」
庭村がどんなに早苗を庇おうとも借主である後藤の自宅へ不在な
時には奴が自由に出入りできる事実は変わらない訳で、それを想像
するだけで気持ち悪さが倍増していた。一刻も早く護身用ナイフを
奴の喉元に突き付けて形勢逆転をしたい衝動に駆られていた。
くれていたんだね。木島課長が盗んでた事は分かっていたんだけど
どうしても見付からなくてね。助かったよ」
庭村は開けっ放しの引き出しから卒業アルバムを取り出すと角が
潰れているのを見せつけるようにして後藤の膝上に置いて代わりに
盗聴器を机の上に置いた。
「どうして、これが、ここにあるんだ!?」
「何でって君が早苗に合鍵を渡したからだろうがっ。早苗は俺と繋
がってる訳だからスペアキーを作る事は造作もない事だよ。納得し
たかい?」
薄ら笑いを浮かべてズボンのポケットからキーケースを取り出す
と後藤の見覚えのある部屋鍵を取り外して壁に掛かっている自転車
の鍵用キーホルダーに取り付けて人差し指でクルクルと回しながら
挑発を始めていた。
「する訳ないだろう。庭村さん。あなたは不法侵入という言葉を知
らないのかい?」
「俺が俺の私物を返して貰うのに許可が要るのはどういう了見だい。
しかも角が潰れてるって事はさ、器物損壊罪に当たるんじゃないの
かな~」
「はいっ? 別に壊した訳でもないでしょうがっ」
「そこは所有者である私がどう思うかにもよりますよね? 思い出
の象徴しての価値がある世界に一つだけの記念品ですよ。言い掛か
りと思うのは無責任なのではありませんか。後藤巡査の完全プライ
ベート空間の自宅での気が狂っていた時の音声も、こちらは押さえ
てあるんです。大人しくしておいた方が身の為だと思いますがね~」
「それは脅しですか?」
舐められたままで終われない熱血漢としての防衛本能が無意識に
顔を出していた。
「嫌だな~。そんな物騒な話じゃないですよ。只の忠告ですよ!
それと早苗が依頼を引き受けたのは単純明快で彼氏の誕生日プレゼ
ントを買うお金が欲しかったからなんですよ。スペアキーの事は、
話てませんから罪悪感が無いのは当然ですよ」
庭村がどんなに早苗を庇おうとも借主である後藤の自宅へ不在な
時には奴が自由に出入りできる事実は変わらない訳で、それを想像
するだけで気持ち悪さが倍増していた。一刻も早く護身用ナイフを
奴の喉元に突き付けて形勢逆転をしたい衝動に駆られていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
怪異の忘れ物
木全伸治
ホラー
千近くあったショートショートを下記の理由により、ツギクル、ノベルアップ+、カクヨムなどに分散させました。
さて、Webコンテンツより出版申請いただいた
「怪異の忘れ物」につきまして、
審議にお時間をいただいてしまい、申し訳ありませんでした。
ご返信が遅くなりましたことをお詫びいたします。
さて、御著につきまして編集部にて出版化を検討してまいりましたが、
出版化は難しいという結論に至りました。
私どもはこのような結論となりましたが、
当然、出版社により見解は異なります。
是非、他の出版社などに挑戦され、
「怪異の忘れ物」の出版化を
実現されることをお祈りしております。
以上ご連絡申し上げます。
アルファポリス編集部
というお返事をいただいたので、本作品は、一気に全削除はしませんが、ある程度別の投稿サイトに移行しました。
www.youtube.com/@sinzikimata
私、俺、どこかの誰かが体験する怪奇なお話。バットエンド多め。少し不思議な物語もあり。ショートショート集。
いつか、茶風林さんが、主催されていた「大人が楽しむ朗読会」の怪し会みたいに、自分の作品を声優さんに朗読してもらうのが夢。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
怪奇蒐集帳(短編集)
naomikoryo
ホラー
この世には、知ってはいけない話がある。
怪談、都市伝説、語り継がれる呪い——
どれもがただの作り話かもしれない。
だが、それでも時々、**「本物」**が紛れ込むことがある。
本書は、そんな“見つけてしまった”怪異を集めた一冊である。
最後のページを閉じるとき、あなたは“何か”に気づくことになるだろう——。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる