黒庭 ~閉ざされた真実~

五十嵐 昌人

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捜査最終日

注意:127. 十一日目(謹慎三日)、最後の望み (改)

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「庭村、俺は未だ逆転を諦めてないぞっ」 
 後藤はサージカルブレードの刃を取り出そうと脂汗が付いた手で
滑りながらも何度も触る。
「何をどうやって逆転するつもりだい。君が手に持っているのが何
なのか分かって言ってるとしたら傑作だよ」
「何の事だ?」
「だ・か・ら、それは形こそ同じで中身は別物って事だよ」
「そんなバカな事あるかよ! 俺は目の前で見て商品を買ってるん
だぜ」
「手品師が至近距離で見せているのにも関わらず、ネタを見破れな
い事が多いだろう? つまり、すり替えのトリックだよ。本物だと
思い込ませているからこそ成り立つんだがね」
 庭村は後藤の手から模造品を回収すると目の前で現物をゆっくり
と回転させて見せた。
「全くの偽物じゃないかよ! あの野郎、ふざけやがって……」
 最後の希望が無残にも打ち砕けてしまっていたが、やり場のない
怒りが無性に込み上げてきて抑える事が出来なかった。

「悪いのは彼だけじゃないさ。本物だとちゃんと、その場で確認し
なかった君が悪いんだよ。まぁ、同型の偽物を依頼したのは僕なん
だけどねっエヘッヘッ」
「話が見えないぞっ ちゃんと説明しろよ」
「そうかい? つまり、サバゲーショップ中野店の店長は、虻沼だ
けでなく僕とも取引きしてたんだよ」
「店長も俺を罠にハメたのか?」
「内容までは伝えてないよ」
「つまり、金が欲しかっただけか?」
「そうだ。みんな金の魔力だよ! モデルガンも弾は入っているが
打つことが出来ない仕掛けが施してあるしな」
「何だよそれっ。結局、入ってきた時から裸の戦士だったって訳だ
……」
 誰が味方なのかが分からない状況に陥ると自我が崩壊し始めてい
く後藤。
「ご名答だ。チャンスは1㎜も用意はされていなかった事になる。
全ては絶望を味わってもらう為だ」
「助けてくれ、ここから出してくれ。他にも居るだろう?」
「そういう訳にはいかないな。君が欲しいんだよ。そうそう、二つ
だけ言い忘れてた事があった。一つは君が一番信用しなければなら
なかった男は我々の仲間である鑑識官””だったのさ。それ
と君と隆の関係は、分からなかったが8mmビデオテープに映って
いた隆の子供は未来から来たのではなく、君に謎を解いて欲しい為
に念写して作り出した彼の能力なんだよ。決してタイムリープした
訳ではない。さぁおしゃべりの時間はここまでだよ」
 そこまで言うと庭村は玉口枷を後藤の口に装着して言葉の自由を
奪ってしまう。
「これはSMプレイの定番とも言える穴開きのボールギャグと呼ばれ
る商品だよ。君の為に新品の赤色を用意したんだ」
「んっんっんーんーっ」
「じゃぁ、現在の時刻、午後21時より、ショウタイムの始まりだ。
私がリードするつもりだけど時々、荒々しくしてしまう時があるか
もしれないが、それはだと思って欲しい」
 庭村はそう告げると『歓喜の歌』を大音量で流し始めた後、口か
ら大量の涎を垂らしながらバスローブを取り除いて床に放り投げた。

 後藤の視線の先には見事に割れた腹筋があり、その下にそそり立
つイチモツの根元にはが見えていた。
日本人では考えられないような規格外の大きさの物がそびえ立って
おり、黒光りしている様子を見る度に顎が小刻みに震えていた。顔
を横にブルブルと振りながら近づいてくる脅威に抵抗する力も無く
椅子を『ガタッガタ……』と震わせるだけが精一杯で現実逃避へと
思考を切り替えようとする。しかし不安がMAXに達すると、あっ
けない程、簡単に失禁してしまい、現実を受け入れるしかなかった。

(母さん。僕は誰も助ける事はできなかった。ゴメンナサイ……)
 
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