黒庭 ~閉ざされた真実~

五十嵐 昌人

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捜査開始

15. 七日目、自宅作業 (前半)

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 翌日の19日。朝七時に目覚めると慣れない酒を飲みすぎたと思われる二日酔
いで頭が痛く、出勤する気になれずに欠勤の連絡を入れる後藤。電話の相手は、
交通課に勤務する同期の高橋だった。俺たち同期の間ではマドンナ的存在である。

 珍しい事があるものだと不思議がって対応しているのが分かる。恐らく、風邪
や高熱でも出勤を繰り返していたから、仕事馬鹿だと思われていたのであろう。
翌日から出勤する旨を伝えて納得して貰うと受話器を置いた。

 頭痛を抑える為にコップ一杯の水を飲んでから玄関まで朝刊を取りに行く。途
中で小腹が空いてきたのでテーブルに戻るなり冷蔵庫の中から携帯食と青汁を出
して胃袋の中に放り込んでいく。空腹が満たされると頭痛も幾分和らいでいき、
新聞に目を通していく。特に凶悪な事件は載ってなかったので胸を撫で下ろすと
テレビ欄を読んで刑事物の番組に赤いマジックで印を付ける。

 時刻は、朝八時で今後の予定を模索する。視界に黒いバッグが入ると中身が何
だったのかを思い出す。
「8mmビデオテープだ!」
 空いた時間を五本分の鑑賞に当てる事に決める。忙しくて借りてから一本も観
ていない事に気付いた。
 昼前に二本。昼飯に一時間休憩を取って、午後七時に残りの三本を観終わる。
一本の録画時間は六時間で早送りと再生を交互に使って一本辺りを二時間で観る。
合計十時間観ていた事になる。緊張から解放されたのか目の奥から痛みが出てい
て鏡で覗くと充血していた事が分かる。医療箱から愛用のビタミン剤入りの目薬
を取り出すと急いで両目に注し、痛みを緩和させる。お腹が空いてきたので出前
を取る事にした。ラーメンが食べたくなったのだが銀髪の悪魔と呼ばれる人物と
はしばらく会いたくないので候補から消して宅配ピザを注文する事にした。

 三十分もすると自宅のチャイムが鳴り、扉を開けると宅配ピザ屋から派遣され
た人物が熱々のピザを持って玄関に立っていた。茶髪で大学生と思われるアルバ
イトだ。代金を支払うと急いで部屋に戻り、注文したミックスピザに猛然と喰ら
いつく。生地は厚めでボリュームのあるブレッドタイプだ。コーラを飲みながら
ピザを半分食べ終わるとサイドメニューから選んだハッシュドポテトをケチャッ
プに付けながら至福の時を過ごす。食べ終わると”ある考え”が頭の中に浮かび上
がっていた。
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