黒庭 ~閉ざされた真実~

五十嵐 昌人

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捜査開始

28. 九日目(謹慎初日)、ロッカー探索②

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「質問慣れていないので聞く内容を間違えてしまいました。推理小説みたいには
上手く行かないものですね……」
「おたく、推理小説倶楽部の人ですか?」
「ええ、そんな感じです」
「謎解きはテレビや小説で流行ってますからね。気持ちは分かります」
 どうやら、駅員は推理オタクだと勘違いをしてくれたみたいだ。おかげで怪し
い目からも解放されて旧式のロッカーが五個しか無い事を知る事が出来た。話の
中で新しいロッカーの中に旧式のロッカーが混入していて反対側の改札口に設置
されている事も知る事ができた。
 旧式のロッカーがあると思われるロッカーの前に立つと左側から一番と番号が
振ってあり、右に行く度に加算されて右端が七番で止まって下段に続いていた。
一番左端からロッカーを注意深く観察してみると左端から三番目~七番目までは
シールが後付けしたような感じが見受けられた。その三番目に貼り付けてある番
号シールを捲ると210番と印刷されていた。
(3=210を解ければ正解に辿り着ける気がする)

 しばらく眺めて見ると三桁の数字を足して見る事を思い付いて実際に計算して
みる事にした。2+1+0=3。=としては成立している。それならば214で
はどうなるか。2+1+4=7となり、七番目のロッカーの前に移動して貼り付
けてある番号シールを捲ると下から214番と印刷されている事が分かった。
「どうやら、ビンゴだな!」
 後藤は笑みを漏らすとシールを元通りにして鍵を差し込んで右に回した。カチ
ッ。開錠する音が響き、扉を開けると折り畳まれてる紙切れが一枚入っていた。
中を見たい気持ちを必至で抑えてから紙切れをズボンのポケットに強引に押し込
むと施錠してトイレの個室に入り鍵を閉める。密室になった所で紙を広げて内容
を確認する。そこには公園の名称と地図が書かれていた。証拠の品に辿り着くま
でに数個のハードルが用意されている事で木島課長がかなり用心深い人物だった
と改めて認識し、それと共に危険を伴う事件だったと痛感させられる。
(果たして、俺は本当に真実に辿り着く事ができるのだろうか!?)

 木島からの難解なハードルに少しだけ弱気な部分が頭をよぎってしまう後藤だ
った。地下鉄内にある自販機で柑橘系のジュースを飲み干して、気を取り直す。
時刻を確認すると午前十時を過ぎていた事が分かる。小腹が空いたが外食してい
る所を同業者に目撃されたら、今、追っている事件の捜査は中止になるであろう。
それだけは、絶対に避けなければならない。
 外食したい気持ちを抑えて自宅に戻る事にする。自宅で出前を取ればアリバイ
も確保できるし、公園の地図を確認するにはパソコンを使用した方が断然早い。
やるべき事が決まったら、急に催してきて小便を済ませる事にする。
「しっかりしろ。俺が諦めたら、事件は迷宮入りだ」
 後藤は自身に発破をかけてトイレから出ると足早に電車へと乗り込んだ。
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