黒庭 ~閉ざされた真実~

五十嵐 昌人

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捜査開始

30. 九日目(謹慎初日)、公園の地図の秘密

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 五分後、満腹感が広がって眠気が少し出始めた頃、忘れていた重要な事を思い
出した。
「そう言えば、もう一つの暗号を未だ解いていなかったな」
 木島手帳のカバーの内側に隠しておいたロール状の紙を取り出して広げてみる
が直ぐに丸まってしまい全文をしっかりと読み取る事ができない。紙にクセが付
いているから両端を押さえておく必要がある。
 
 一旦、その紙をテーブルの上に置いてから周りを見回すと文鎮代わりとなるよ
うなシャープペンとボールペンを発見して紙の両端に置いてみると全文が明らか
となった。
『① 虹、地碑、午後殺り②埴輪に小畑③互地ー接目盛り④流、尾買う忘』
(これでは意味が全く理解できそうもない)
 ヒントとなるような情報も一切書かれていない。一つだけ気になった所と言え
ば、流母の母の漢字に濁点が付いている事だった。アイデアが閃きそうにないの
で一度、頭をすっきりさせる為、安価な方のインスタントコーヒーの準備をする。
ヤカンに浪々と水を入れた後、弱火にかけた。湯が出来上がる迄の間、深夜の目
的地が書かれた地図を眺め始める。公園の名前は盗聴器が仕掛けられてる可能性
を否定出来ない為、口に出す事は避ける事にした。

 公園と言っても隠し場所は無数にあるので全てを調べる訳には行かず、絞り込
む必要がある。
「さて、どこを探して良いものか?」
 後藤がボヤいていると外の天気が次第に怪しくなり、暗くなってきたので室内
の照明を着ける事にする。すると今まで視界に入らなかった物が突然見えてきた。
筆圧が強かったらしく、模様と文字が描かれた跡が残っていたのだ。
「これは重要な手掛かりとみた」
 興奮して震える左手を最小限に抑えてペン立てからHBの鉛筆を取り出すと筆
跡の部分に重なるように鉛筆で塗り潰していく。その場所に現れたのはWCの文
字と左右に描かれた異なるマークだった。それを見た瞬間に後藤の頭の中に解答
が浮かび上がり、左手で指を鳴らしながら言葉を発していた。
「成程、探す場所は公衆トイレで決定だな」
 探偵が謎解きを解明したであろう時の余韻に浸り始めて七分が経過した時、湯
が沸騰した際に鳴る音に邪魔されて現実に引き戻される。仕方なしに火を止めて
インスタントコーヒーを作って完成させると喉に流し込んでいく。

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