黒庭 ~閉ざされた真実~

五十嵐 昌人

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捜査開始

62. 十日目(謹慎二日)、サユリ宅にて ①

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 恩田がワン切りをしてサユリ宅に入るとハグをしてサユリが出迎えた。
「先に風呂に入らせてくれないか?」
「どうぞ準備出来てます。お背中でも流しますか?」
「今日は遠慮しておく。少しだけ一人になりたいんだ」
「分かりました。恩田さんの体格に合う着替えが私物では無いので前彼の忘れ
ていったバスローブしかないんですけど……」
「あぁ、それで構わない」
「では後で楽しみましょう」
「こちらこそ、宜しく頼むよ」

 サユリは寝室に戻ると三面鏡がある椅子に座りながら櫛で髪を丁寧にとかし
ていきながら口を開いた。
「なんか調子狂うんだよな~。今日の恩田さん。だって他人のお古なんて言っ
たらマジ切れするタイプだった筈だし、行為に対してだって、お願いするよう
な言い回しなんてしなかったんだもん」
 
 困惑しているサユリをよそに恩田は指示してあった並々と注がれたバスタブ
に直で浸かって頭も湯船の中に沈めた。湯船に入る前に身体を洗わなかったの
は恩田の人生に置いて一度切りだった。

(何で今になって東京に戻ってきたんだ? 情報が欲しいが俺の存在がバレる
のは非常に不味いし、関わりを持つことで最終的に膀胱の機能が正常に働かな
くなるのも惨めだ。とにかく今は気持ちの整理が着かない。今夜は本能に身を
委ねて一人の男として行為に没頭しよう……)
 考えが纏まると湯船から頭を出して両手で髪をオールバックにしてから湯船
にもたれ掛かって天井を仰いだ。

「サユリ。待たせたな」
「うぅん。気にしないで。そのバスローブのサイズ、ピッタリだね」
「そうか。自分ではあまり気付かないけどな。さぁ、可愛い子ちゃんの下着を
拝見するとしますか」
「一応、勝負下着にしたけど……」
 肩部分が紐状になった大人のピンクのネグリジェを脱がして確認に入る恩田。
「今日はT-バックかっ」
「あれ? お気に召さなかった?」
「お前、男が全員、露出の高い下着で興奮すると思ってるだろ?」
「嘘、違うの?」
「全員って訳じゃないさ。純白に対して異常に性欲をそそられる奴も居るしな」
「じゃあ、着替えようかな」
 恩田はベッドから立ち上がろうとするサユリの左手を軽く掴んで話を続けた。
「そこまでする事でもないし、嫌いな訳じゃない。只、俺の場合は特別好きで
も無いって話だ」
「ふぅーん。そういうのもあるんだね。勉強になったよ。今度、興奮する下着
教えてね!」
「世間じゃT-バック=ヤリマンだと思われてるから、日常生活で週三回とか
履くなよ。俺の好みは刺繍入りの紫と赤と黒色だ。別に覚える必要はないがな」
「えーそうなんだ。恩田さんって私の心配もしてくれるんだね!」
(三色位なら頭の弱い私の脳にも記憶できるからバッチリ覚えて置きますよー)
「今日は熱でもあるかもな」
「何それーっ。上げたと思ったら超下げてるしー。電話の声は、元気無かった
けど少しは元気になった?」
「ほんの少しだけな。未だこれからだよ」
 恩田はサユリを産まれたての姿にすると「一時時間くらい前戯に没頭させて
くれ」と耳元で呟いてから濃密な夜が始まった。

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