黒庭 ~閉ざされた真実~

五十嵐 昌人

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捜査最終日

69. 十一日目(謹慎三日)、サユリ宅にて⑥ 恩田の過去Ⅳ

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「後の事は藤原組長、宜しくお願いしますよ」
「分かりやした。こちらの方で対応させて貰います」

 深々と頭を下げた法海候とは対照的に藤原は視線を合わせず、軽
く頭を下げた。流れ者が最後に辿り着く場所として長い期間、組を
維持してきた功績は計り知れない部分がある事は幹部連中も理解し
ており、トップに立った法も同じ意見だった。

 事務所を出る間際に法海候が放った言葉が恩田の耳から離れなか
った。
「こんなにも返り血を浴びてしまっては血生臭い匂いを消すのに、
そうとうな時間が掛かるよな。相手に不快感を与えてしまうから、
お気に入りの女を抱けないのは、明白で残念だが上に立つ者として
上下関係は明確にしないと組織崩壊を招く要因になりかねないから
手綱を締める意味合いもある……」
 蒼乃は、腰から90度傾けて、お辞儀して見送ると姿勢を正して
組長と話を始める。
「やっぱり、賭けは僕の勝ちですね!」
「しゃぁねぇな。ほらよっ」 
 藤原組長は、ズボンのポケットから不満そうな顔をしながら予め
用意していた純金の延べ棒を取り出して手渡すと勝負の世界に言い
逃れしないルールに重きを置いている藤原組では、負けた方が主張
する事が出来ない環境が整っていた。
「ありがとうございます。24金の10gですから小遣い銭が潤い
ました」
「お金よりも女性を大切にしてるっていう、お前の読みが当たった
と言わざる得ないな」
「それ程大事にしているなら、どうして最初に制裁を加えなかった
んですか?」
「どうしてかは本人でないから理解してるかどうかは別問題だ」
「じゃぁ、やっぱり泳がせたんじゃないんですか!?」
「滅多な事を口に出すんじゃない」
「こっちは忠告もしてやってるんだから、全てアイツの自己責任で
問題ない話だが頭に殺されないという保証があった訳じゃなかった」
「組長、本当にそう思いますか?」
「和哉、お前、何が言いてぇんだ。勘繰りすぎると寿命が一気に縮
まるぞ! 蒼乃、後の段取りは、お前に任せる。そこの肉塊ゴミを今日
中に処分して明日からは何事も無かった様に生活しなきゃな」
 藤原は蒼乃の肩に手を置いて軽くポンっと叩くと右手をハンドル
を持つ仕草を2回捻って表現してた後、パチンコへ出掛ける事が分
かり、装着されてるフィルムが巻き取られた様子を再現して新品を
表現して新台の試し打ちと分かるように部屋を後にした。
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