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捜査最終日
91. 十一日目(謹慎三日)、山城の告白⑩
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「全員に復讐が完了している気がするのですが、どうも腑に落ち
ない事が二つあります。一つは黒沢&庭村の二人は警察に疑われ
なかったのか? と最初に罰を受けたユカの心のダメージは計り
知れない気がして、その後がずっと気になっています」
「二人については当初、警察がマークしていましたが黒沢のアリ
バイが成立していたので早々と捜査対象から外してました。実は
黒沢には腹違いの弟が居まして至近距離でなければ見分けが付か
ない程、似ています。住んでいる所も苗字も違いますので弟の存
在にすら辿り着かなかったですね。それに事件の一週間前から、
カートレーシングスクールに通い始めているんですよ」
「レーシングスクールが何か関係があるんですか!?」
「えぇ、カートやF1をご存知の方なら想像しやすいのですが、
スピードを出来るだけ落とさずにギリギリまで攻めながらヘアピ
ンカーブを曲がる時にバランスが崩れるとスピンしてしまうんで
すけど事件があった日は必ず、教習コース最大の難所であるヘア
ピンカーブでスピンを起こしてしまうんです。コーチからは攻め
過ぎると大事故に繋がるから無理するなとは言われていたみたい
ですがヘアピン以外のドライビングセンスは抜群だそうで多少の
無茶もOKだったみたいです。実際、黒沢が走行した動画を運営
側がUPすると生徒数が二倍に跳ね上がったそうですから世の中、
分からないもんですよ」
「実際にはどうやって復習を実行できたんですか?」
「ヘアピンカーブでワザとスピンをして砂煙が待った状態中に待
機していた弟と交代して当日の復讐を終えたら再度、交代したい
場合に弟へ携帯電話での特殊合図(ワン切りの3秒後にまたワン
ギリ)の約束を交わしていたので何食わぬ顔で交代を済ませて、
走行していたそうです」
「腹違いの弟さんの引き受けた理由は何なんですか?」
「確か将来、医者になりたくて替え玉一回につき、高額のバイト
代を貰えるから喜んで引き受けたそうです」
「ちなみに時給っていくらです?」
「えーっと1時間一万円だった筈です」
想像以上の金額に目玉が飛び出そうになったが、がっつく姿を
見せないように会話を続ける後藤。
「それは飛び付くたくなるのも理解できますが二人の運転技術に
差が無かったのが不思議な話ですよね」
「それを説明するとなると黒沢の父親が本当にやりたかったのは
レーサーだったんですよ。その夢を選ぶなら親子の縁を切ると実
の父親に言われたのが、かなりショックだったみたいで実父が薦
める安定した公務員の道にシフトチェンジしたみたいです。趣味
でやる分には理解してくれていたので本気で怒らせた事を後悔し
ていたそうです」
「しかし、随分、家族関係にも詳しいですね」
「まぁ特技といいますかヤンチャな男子とは打ち解けるのも早い
んですよっ」
「話はまた戻りますが顔と運転技術が重要なポイントになりまし
たが恐らく遺伝でしょうな。それを見抜いていたのが庭村でした
がね……」
(この話で庭村の存在が強調されている。彼に只ならぬ怖さを感
じているのか?)
後藤は心情を悟れないように会話の続きをオーバーリアクショ
ンで続ける。
「教習コース最大の難所であるからして事件と同じ日であっても
疑われなかったと言うことですか……」
「えぇ、そういう事になりますかねぇ~」
「でも庭村の嫌疑がありますよね!?」
「警察は複数犯の犯行だと思ってましたから黒沢のアリバイが証
明された時点で庭村の嫌疑は晴れました」
「つまり捜査方針から外れて単独行動を取る刑事は居なかったっ
て事ですね?」
「私が聞いている範囲では一人も居なかったと思います。組織の
方針と真逆に突っ走る異端児は目の上のタンコブでしょうよ」
「そうですかっ。貴重な御意見をありがとうございます」
何とか平常心を保とうと努力していたが手で拳を強く握り握り
締めながら眉根が上がったままの状態で答えた後藤だった。
ない事が二つあります。一つは黒沢&庭村の二人は警察に疑われ
なかったのか? と最初に罰を受けたユカの心のダメージは計り
知れない気がして、その後がずっと気になっています」
「二人については当初、警察がマークしていましたが黒沢のアリ
バイが成立していたので早々と捜査対象から外してました。実は
黒沢には腹違いの弟が居まして至近距離でなければ見分けが付か
ない程、似ています。住んでいる所も苗字も違いますので弟の存
在にすら辿り着かなかったですね。それに事件の一週間前から、
カートレーシングスクールに通い始めているんですよ」
「レーシングスクールが何か関係があるんですか!?」
「えぇ、カートやF1をご存知の方なら想像しやすいのですが、
スピードを出来るだけ落とさずにギリギリまで攻めながらヘアピ
ンカーブを曲がる時にバランスが崩れるとスピンしてしまうんで
すけど事件があった日は必ず、教習コース最大の難所であるヘア
ピンカーブでスピンを起こしてしまうんです。コーチからは攻め
過ぎると大事故に繋がるから無理するなとは言われていたみたい
ですがヘアピン以外のドライビングセンスは抜群だそうで多少の
無茶もOKだったみたいです。実際、黒沢が走行した動画を運営
側がUPすると生徒数が二倍に跳ね上がったそうですから世の中、
分からないもんですよ」
「実際にはどうやって復習を実行できたんですか?」
「ヘアピンカーブでワザとスピンをして砂煙が待った状態中に待
機していた弟と交代して当日の復讐を終えたら再度、交代したい
場合に弟へ携帯電話での特殊合図(ワン切りの3秒後にまたワン
ギリ)の約束を交わしていたので何食わぬ顔で交代を済ませて、
走行していたそうです」
「腹違いの弟さんの引き受けた理由は何なんですか?」
「確か将来、医者になりたくて替え玉一回につき、高額のバイト
代を貰えるから喜んで引き受けたそうです」
「ちなみに時給っていくらです?」
「えーっと1時間一万円だった筈です」
想像以上の金額に目玉が飛び出そうになったが、がっつく姿を
見せないように会話を続ける後藤。
「それは飛び付くたくなるのも理解できますが二人の運転技術に
差が無かったのが不思議な話ですよね」
「それを説明するとなると黒沢の父親が本当にやりたかったのは
レーサーだったんですよ。その夢を選ぶなら親子の縁を切ると実
の父親に言われたのが、かなりショックだったみたいで実父が薦
める安定した公務員の道にシフトチェンジしたみたいです。趣味
でやる分には理解してくれていたので本気で怒らせた事を後悔し
ていたそうです」
「しかし、随分、家族関係にも詳しいですね」
「まぁ特技といいますかヤンチャな男子とは打ち解けるのも早い
んですよっ」
「話はまた戻りますが顔と運転技術が重要なポイントになりまし
たが恐らく遺伝でしょうな。それを見抜いていたのが庭村でした
がね……」
(この話で庭村の存在が強調されている。彼に只ならぬ怖さを感
じているのか?)
後藤は心情を悟れないように会話の続きをオーバーリアクショ
ンで続ける。
「教習コース最大の難所であるからして事件と同じ日であっても
疑われなかったと言うことですか……」
「えぇ、そういう事になりますかねぇ~」
「でも庭村の嫌疑がありますよね!?」
「警察は複数犯の犯行だと思ってましたから黒沢のアリバイが証
明された時点で庭村の嫌疑は晴れました」
「つまり捜査方針から外れて単独行動を取る刑事は居なかったっ
て事ですね?」
「私が聞いている範囲では一人も居なかったと思います。組織の
方針と真逆に突っ走る異端児は目の上のタンコブでしょうよ」
「そうですかっ。貴重な御意見をありがとうございます」
何とか平常心を保とうと努力していたが手で拳を強く握り握り
締めながら眉根が上がったままの状態で答えた後藤だった。
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