感情の無い僕が恋をした

サクラ

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貴方の感情お売り下さい

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この物語は、僕のたった一言から始まった。
友達とたわいもない話しのはずだった。
「こんな感情必要ない。」
この言葉がどれ程愚かで馬鹿だったか。
愚かで馬鹿な僕は分からなかった。
「感情を売ることが出来るって言ったら、信じる?」
知らない人間の訳も分からない言葉に簡単に乗ってしまったんだ。
「売った後、どうなるんですか?」
その言葉を聞いた知らない人は不気味な顔で笑った。
「そうだね。
売った感情にもよるけど、基本は何も感じなくなるだけだよ。」
その言葉は非現実的で興味をそそった。
ロボットの様に生きていければ最高だと思った。
だから僕は、直ぐに店の場所を聞いた。
それは、普通の家のようだった。
少し、気が落ちた。
非現実的なものはひっそりと営っていた方が雰囲気が出るというものだ。
学校の帰り道に、しかも今まで家だとしか思っていなかった所だなんて、気分は落ちるに決まっている。
こういうものは、お化け屋敷と同じようにムードがなければ楽しくもないだろう。
と文句を頭の中で出来るだけ考えてドアノブに手をかけた。
ドアを開けると…
普通の家の中だった。
ムードも何もない。
僕は道を間違え知らない人の家に不法侵入したかとさえ思った。
しかし、『此処は感情を売ることが出来るお店です。』と書かれた看板があった。
単純に看板のセンスを疑わなければならない程ダサイ看板だった。
しかし、そんな看板があるおかげで、自分が間違ってはいないと分かった。
よって警察を呼ばれることはなかった。
道も間違えてはおらず、ここがその感情を売ることが出来るお店だった。
ハードルが上がっていた分がっかりが大きかった。
まぁ、そんな感情ももう少しでバイバイ出来ると思うと楽になった。
しかし、自分が何処に行けばいいのかも分からず看板が置かれているだけで得に何もない玄関で僕は立ち尽くしていた。
そんな時だった、彼が階段から降りてきた。
「お待ちさせて申し訳ありません。
靴を脱ぎお上がりください。」
と二階のドアを指差した男は、執事の様な格好で実際執事なのだろう。
靴を脱ぎ、二階のドアを開けた時、中には一人の男が居た。
今起きたばかりですと言わんばかりのパジャマ姿で眠たそうな目をこすりながらこう言った。
「貴方の感情お売り下さい。」
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