異世界で神様はまさかの奴隷!?

サクラ

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第2章

2-3

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その後、長々と続いた話し合いが終わり開耶姫は眠りについた。
大名様とかいう人のもとに、戻らなくてもいいのかと思いもしたが、この寝顔を見て起こせる人は、きっと鬼だけだ。
僕は今のところ神様で鬼ではない。
ならば僕に起こすことは無理だろう。
天照は仮眠すると言って、別室へと出ていった。
今は朝の4時。
まだ朝日が顔を出すには、早すぎる時間だ。
まだ暗い部屋の中。
天照が出ていく時に蝋燭の火を消してしまい、部屋の中は暗い。
相変わらず、天照は貧乏性だなと思う。
きっと天照が、早く話を終わらしたかった理由は、蝋燭の火を早く消したかったからだろう。
少し暗闇に目が慣れたのか、この暗闇の中で靴を履くぐらいのことは出来た。
まぁ靴と言っても草履ではあるが。
ないよりはマシというものだ。
僕は草履を履いて、月もなにもない空を見る。
その空には、月もなければ星もなかった。
そういえば、僕はこちらに来て星を見たことなかったと今更ながらに思った。
何もない暗闇の中に僕は、ただ独り立っている。
冷たい風が、僕の髪を動かす。
その静けさは、僕を孤独にしてくれた。
「貴方様は、独りを好むのですか?」
とふいに聞こえた声に、僕は驚き振り向いた。
そこには、先程まで寝ていたはずの開耶姫の姿があった。
「起こしちゃったのかな?ごめんね。」
どうやら僕は鬼でもないのに、開耶姫を起こしてしまったらしい。
「いえ、元々ショートスリーパーなので、あれほどの睡眠を取らせていただければ、十分であります。」
ショートスリーパーって…
10分ほどしか寝ていないのに…
ショートスリーパーってレベルか?
「貴方様はどう思われますか?」
「何の事?」
「私と天照様の話を聞いておられたでしょう。
大名様の秘密の事です。
貴方様はどう思われますか?」
開耶姫が言っていた秘密の話。
詳しい話は聞いていない。
仲間になってくれる神でなければ、詳しくは教えられないと、言われたのだ。
なんてしっかりしているのだろう。
「正直、これは僕にとって賭けになるんだと思ってるよ。
何でだかは分からないけどね。当たってるかな?」
僕は開耶姫を見る。
小さく正座している開耶姫は小さく頷いた。
「私は貴方様が、私の仲間に加わってくれる事が、秘密を現実にしない為の鍵だと考えております。」
と開耶姫の目は、とても鋭かった。
まるで、獲物を捉えた狼のように。
僕はその目を見た瞬間、怯んでしまった。
その目は、少女などに出来る目などではなかった。
そこにいるのは、一人の女の子ではない。
間違いなく、立派な一人の神様だった。
「僕は君が思ってるほど立派じゃあないよ。
神になりたてで、正直この世界の事は全く分からない。
仕事だって最近、申請したばっかりだ。
そんな僕に出来ることなんて、君が思っている10分の1程もないよ。」
と僕は笑った。僕はそれほど偉くはない。
僕自身、自分の事すら分かっていないのだ。
開耶姫が、どのような秘密を抱えているのかは分からないが、僕のような人間はゴロゴロと存在する。
実際向こうの世界では、居なくなっても困らない存在だったのだ。
そんな僕が、神になったところで存在の価値が変わるはずがない。
後で失望されるのが落ちだ。
「いいえ。貴方様は貴方様が思っている以上に、私は必要としているのです。」
と開耶姫は正座をしたまま、深々と頭を下げた。
「お願いします。私に力をお貸しください。」
とそれこそ、藁にもすがる思いで、神にお願いをしていた。
「考えておくよ。」
僕はそれだけしか、答えることが出来なかった。
冷たい風が、その場を支配するように静かな時間が流れた。
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